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財閥は軒並み業績悪化で朴槿恵大統領のお尻にも火がついている(共同)
韓国「危ない財閥」は昨年から3倍増 14もの大手財閥が軒並み業績悪化
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140707/frn1407071820007-n1.htm
2014.07.07 夕刊フジ
韓国で「財閥」と呼ばれる大手企業グループが軒並み崩壊危機に瀕している。朴槿恵(パク・クネ)大統領の経済無策もあって、政権発足後、東洋グループなどが破綻、さらに金融当局が警戒する「危ない財閥」は前年の5グループから、今年は14グループに急増した。止まらない為替のウォン高や内需の低迷など外部環境も厳しく、グループ解体か、もしくは破綻かの選択を迫られている。
韓国の財閥の中でも、尻に火がついているのが、製鉄や建設、金融業を手がける東部(トンブ)グループだ。中核企業、東部製鉄の社債借り換えが難航、資金繰りに窮した。グループ企業の製鉄大手ポスコへの売却も頓挫し、絶体絶命となった。
結局、東部製鉄が産業銀行など債権団の共同管理に入って再建を進めることで合意、急場の資金繰りはしのいだとされるが、今後のグループ解体は避けられない。韓国メディアでは「9月危機」の再燃も報じられている。
経営危機に陥っている財閥の特徴は、系列企業が次々と巨額負債に蝕(むしば)まれていることだ。聯合ニュースによると、東部の場合、負債比率が400%(負債額が自己資本の4倍)を超えるなど過剰債務の企業がグループの系列51社中24社と半分弱を占める。また、繊維関連のコーロングループは系列35社中12社が、暁星(ヒョースン)グループでは41社中14社の財務が悪化しているという。
朴政権発足後、昨年5月にはSTXグループが銀行の管理下に入り、10月には東洋グループが破綻したが、債務額が雪だるま式に増えている財閥はなお多い。
金融当局が財務改善を約束させた「危ない財閥」は、昨年時点では、前出の東部とSTX、大韓航空などを傘下に抱える韓進(ハンジン)、アシアナ航空で知られる錦湖(クムホ)アシアナ、城東(ソンドン)造船の5グループだったが、今年に入って現代商船などを抱える現代(ヒュンダイ)、現代産業開発、韓進重工業、漢拏(ハンラ)、大成(テソン)、大宇建設、東国(トングク)製鋼、STX造船海洋、SPPが加わり、一気に14グループに増えた。
中でも造船業の悪化が目立つ。韓国の今年1〜6月の造船受注量は前年より約3割も減って中国に抜かれた。6月単月では日本にも抜かれて3位に落ち込んだ。建設業界でも破産が相次いでいる。
海外への依存度が大きいのも韓国経済の特徴だ。財閥企業も売上高の約半分を海外で稼いでいるだけに、いうまでもなく為替のウォン高は大打撃となる。対ドルで1ドル=1010ウォンを突破、「3ケタ」突入もカウントダウン状態。対円ではお先に1円=9ウォン台に突入し、さらにウォン高基調が続いている。
『韓国経済がけっぷち』(アイバス出版)の著者で元週刊東洋経済編集長の勝又壽良氏は「日本企業はリーマン・ショック後の超円高を耐え、技術革新を進めてきたが、韓国企業はウォン安で潤っている間、ますます輸出依存度を高め、時間を空費した」と語る。その指摘の通り、財閥企業の業績はウォン高に転じたとたんに軒並み悪化した。サムスン電子とて例外ではなく、3四半期連続の減益が見込まれている。
自国通貨高となった場合、輸入には有利に働くのが通例だが、韓国の場合、ウォン高になっても内需は低迷したままだ。
韓国銀行(中央銀行)が発表した6月の製造業の景況判断指数(BSI)は77で、2カ月連続の悪化。景気判断の分かれ目である100を大きく下回っている。サッカーW杯特需も見られなかった。サービス業など非製造業のBSIに至っては66に低迷している。
内需がふるわない背景について前出の勝又氏は、「韓国の場合、財閥制度が壁になって、労働所得よりも資本所得を優遇するため、内需主導経済にうまく転換できなかった。内需は振るわず、労働力が枯渇する最悪の事態に向かって歩んでおり、財閥の破綻も続くだろう」とみる。財閥の終わりの始まりか。
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