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中韓が反故にした民主中国、慰安婦問題究明の約束
政治的妥協の産物「河野談話」金泳三・金大中2大統領の提案に立ち戻れ〜藤井厳喜氏
2014.07.04 JBpress
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41134
マット安川 イラク問題が再燃し、日本では集団的自衛権を巡る議論が白熱する中、ゲストに藤井厳喜さんを迎え、国際情勢や日本の現状について、幅広くお伺いしました。
反日は中国と朝鮮半島だけ、世界の多くの国は親日である
藤井 朝鮮半島と中国の反日の話題ばかり見ていると、なんか日本はアジアから嫌われているとか孤立しているとか思う人がいますが、これは誤解です。
また、そういう言論を煽る人やメディアが多い。しかし、朝鮮半島と中国を除くと、ASEAN(東南アジア諸国連合)の国の多くは日本が好きだと言っているし、中東でもアラブの国は割と日本に好感を持っています。トルコなどは大親日国です。
米大陸でもメキシコ以南のラテンアメリカでは日本のイメージはいい。ペルーでは2016年に大統領選がありますが、元大統領のフジモリさんの娘が大統領の最有力候補です。これはどういうことかというと、ペルーは日系移民はそんなに多くないですが、日本人は正直で勤勉、頼りになるという評判が100年以上ラテンアメリカでは定着しているんです。
ブラジルは日系移民が多く有名ですが、日本人は「ジャポネス・ガランチード」(保証つきの日本人)と呼ばれています。英語で言う「guarantee」、要するに信用できるということです。そういうふうにおしなべて日本の評判はいい。そういうことを知っていただくと、日本人も自信が持てるんじゃないかと思います。
中国は民主化の約束を守らなかった。いまこそ批判すべし
かつて中国のケ小平さんが日本に来た時、日中はすごい友好ムードでした。いまでは考えられないですが、中国は人口が多く貧しい国で、我われもなんとか中国が経済発展するのを助けたいと、日本人のほとんどがそう思っていたのではないかと思います。
その時にケ小平さんが言ったのは、いますぐ民主化するのはムリですと。とにかく貧しいので、ある程度豊かにならないとデモクラシーなどできない。フィリピンや韓国でも開発独裁があったように、中国もしばらくは政治の安定が大事で、経済が発展すれば20年後には我われももう少し自由な民主的な社会ができると思うから、待ってくれと言われた。
だから我われは待った。それだけではなく、ものすごい経済援助もして技術も供与した。それで中国はよくなったのかといえば、貧富の差はどんどん開いていくし、言論の自由、政治的自由は全然認められていない。
我われは十分に待ったので、約束が違うじゃないかと、おかしいということをハッキリ言っていいと思います。
安倍(晋三、首相)さんは今年5月にシンガポールでの国際会議で、いまの国際秩序の現状を暴力で変更するようなことは許しません、法の支配、国際法を大事にしましょうと言った。会議では非常に評判がよくて、他の国はみな大賛成で、中国は非常に孤立化しました。
「河野談話」は政治的妥協の産物であることが判明
「河野談話」に関して、どういうプロセスで談話が出たのかを調べたリポートが公表されました。それを読んで分かったことは、元慰安婦の人たちへの聞き取り調査が実にいい加減だったということです。そして、それが河野談話とほとんど関係なかったということです。
聞き取り調査をして河野談話を出したのではなく、河野談話で何を言うかは政治的にあらかじめ決められていた。政治的妥協の産物で、韓国側の要望と日本側の主張を調整し、基本的に韓国側の意見を9割ぐらい受け入れた形で謝罪、補償しますと。聞き取り調査はほぼ儀式でした。
そもそも、慰安婦の問題が大きくなったのは金泳三大統領の時で、そのあとの金大中大統領もそうですが、2人とも補償はいらないと言っていたんです。おカネの問題が絡むとよくないから、事実だけを究明してくれと、初めはすごくいいことを言っていた。
アジア助成基金についても、金大中大統領はおカネを出すのは望ましくない、基金は解散したほうがいいなんて言っているわけです。つまり2人は、1965年の日韓基本条約で賠償問題などは全部片づいているけれど、事実関係だけは究明してほしいという、かなりまっとうな態度だったんです。
ところが、だんだん韓国の世論、マスコミがエスカレートしてきて、韓国政府もコントロールできなくなった。結局、日本は河野談話を出したわけですが、謝ったということは悪いことをしたからだろうと、ましておカネを出すと言うんだからよっぽど悪いことをしたに違いないということで、どんどん広がっていった。
安倍内閣は河野談話を見直さないと言っていますが、今回のリポートで、河野談話は極めて不正確であり政治的決着だった、事実に基づかないことであったことが明らかになったので、見直さないという立場は、リポートの内容と非常に矛盾する。これはもう一歩突っ込んでいただきたいと思います。
国連の「クマラスワミリポート」はデタラメ、日本は反論を
慰安婦問題に関しては、国連が「クマラスワミリポート」というのを出していますが、これは北朝鮮や韓国の謀略が完全に勝ったもので、客観的なリポートではありません。僕は前から批判していますが、国連というのは政治的謀略、さまざまな工作が行われる場所です。
このリポートは、韓国よりむしろ北朝鮮の立場を擁護するような内容になっています。北朝鮮が言っているのは、慰安婦20万人、その大部分は最後に殺されたというもので、それを無批判にクマラスワミリポートは載せている。
このリポートにはまた、吉田清治の『私の戦争犯罪』という本が証拠として取り上げられています。
この本の内容は、済州島で205人の女性を慰安婦のために強制連行したというものですが、その後、完全にウソだと立証されました。そんな本が証拠として採用されたリポートが、国連という名の下に権威を持ってしまっていることが大問題です。
外国人がこのリポートを読んだら信用してしまい、日本は悪いということになる。日本はこのクマラスワミリポートにはっきり「ノー」と言わなければいけない。とんでもないリポートです。日本はここから反論しなければいけません。
韓国での米軍慰安婦訴訟は日本にとってチャンス
米国に慰安婦像が建てられても米国人が平気なのは、自分たちは関係ないと思っているからです。しかし最近、韓国で元米軍慰安婦だったという女性たちが韓国政府に対して訴訟を起こしました。これは米軍の名誉にかかわるものなので、米国人も非常に反発すると思います。
韓国人がそこまで暴走してくれているというのは、日本にとってはありがたいことです。今回の訴訟で、米国人も韓国の主張がどういうものなのか、韓国の反日世論、慰安婦問題は、実はまったくの捏造に基づいたものだということが分かるでしょう。
ちなみに、米国で慰安婦像を造った人というのは、もともと親北朝鮮で、韓国で逮捕されたことがある彫刻家です。そして反米活動をやっていた人です。そういう人がいまは慰安婦像を造って米国に売り込んでいる。
そういったことも米国人が知れば、韓国が日本を非難しているのもウソだということが分かってもらえると思います。今回の米軍慰安婦問題は我われにとってチャンスだと思います。
藤井 厳喜(ふじい・げんき)氏
国際政治学者。未来学者。詩人。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、米国クレアモント大学大学院で政治学修士号取得。ハーバード大学政治学部大学院へ進み、政治学博士課程修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員、政治学部助手を経て帰国し、テレビ・ラジオのキャスター、コメンテーターなどを務める。『日本人が知らないアメリカの本音』『アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門』など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)
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