02. 2014年6月26日 20:44:43
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http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2014/06/26/021828.php « 前の記事 | 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! トップ | 米軍慰安婦問題が日米韓の関係に微妙な影響を与える可能性 2014/06/26 (木) 11:20 突然ですが...米軍慰安婦というのをご存知でしょうか? そうなのです。日本の兵隊さんを相手にするのではなく米軍の兵隊さんを相手にする韓国人の慰安婦さんたちがいたというのです。 嘘ではないのですよ。何故ならば、かつて米軍慰安婦をしていた女性122人が、6月25日に国家賠償を求める集団訴訟を起こしたからなのです。 私は、これは非常に大きなニュースだと思うのですが...ところが日本のマスコミは殆ど報じない。相変わらず都議会のセクハラ発言やワールドカップに関することばかり。 もちろんそれらの問題について報じなくていいなんていうつもりはないのです。しかし、都議会のセクハラ発言がそれほど重大だと思うのであれば、米軍慰安婦が存在していたというニュースにどうして驚かずにいられるでしょうか? そうでしょう? しかし、どういう訳か日本のマスコミは報じようとしない。 日本のマスコミは、今回の都議会の不祥事をきっかけに日本の社会が世界的にみても非常に遅れた国であるというイメージを植え付けようとしています。女性の差別がひどい、と。 確かに、例えば、国会議員に占める女性の割合や、企業の役員に占める女性の割合などをみれば日本が遅れているとも思えるのですが...では、実際に日本の女性は本当に虐げられているのかと言えば、決してそんなことはないのです。 何故かと言えば、たいていの家庭では女性、つまり主婦が財布を握っているからなのです。亭主は自分が稼いだ給料なのに、奥さんに頭を下げて小遣いをもらっているのです。 そのような国が世界のどこにあるというのか? 本題に戻ります。 米軍慰安婦というのは、朝鮮戦争の休戦(事実上の終戦)後、在韓米軍基地の近くの基地村で米兵を相手にしていた女性のことで、合計62の基地村に9935人の慰安婦が存在していたというのです。 もっとも、彼女たちが自由な意思によりそのような行為に従事していたとしたら、韓国政府などが訴えられることもなかった筈ですが、そのような基地村が存在していた背景には米軍の意向を受けた韓国政府の存在があったのです。 例えば、女性たちが基地村で働くことが政府によって奨励された、と。韓国政府は、彼女たちをドルを稼ぐ愛国者として称えてきたのだとか。そして、彼女たちが性病に罹るとモンキーハウスと称する管理所に監禁し、病気が完治するまで出所することを許さなかった、と。 でも、もう相当以前のことではないかってですか? しかし、モンキーハウスは1996年まで存在していたというのですよ。少なくても日本の慰安婦制度よりもはるかに最近の出来事であるのです。それに、米軍慰安婦に関しては、韓国政府が関与したことが余りにも明らかなのです。 いずれにしても、訴えられた韓国政府はどのような反応を示すのでしょうか? 米国を始めとして世界各地に慰安婦像を建てて日本のイメージダウンを図ってきた韓国。 しかし、こうした訴訟が提起されたことによって韓国政府、また米軍の言い訳ができない事実が明らかにされようとしているのです。 私思うのですが...韓国と米国は自分たちにやましいことがあるから、だから余計に日本を悪者に仕立て上げることによって自分を正当化したかったのではないかと。 私は、今回の集団訴訟をきっかけに、韓国もそして米国も、もっと歴史を冷静に振り返るようになることを切望します。 否、過去の過ちを振り返るだけではいけないのです。 というのは、米軍は今でも事実上慰安婦制度を見逃しているとも言えるからです。 韓国にはジューシーバーというバーが存在しているのをご存じないでしょうか。 何故ジューシーなのかと言えば、バーで1杯10ドルほどのジュースを注文すると割と美人のホステスさんが相手をしてくれるのだ、と。 でも、問題はそこで働く多くのホステスさんが、フィリピン人たちであることです。しかも、そのフィリピン人たちは、歌や踊りをするために韓国に呼ばれたと思いきや、実際にはそうした芸を披露することは殆どなく、米兵の相手をさせられたり、売上が悪いと事実上売春を強要されたりしているらしいのです。つまり、騙されて韓国にやってきて、そして売春をやらされている、と。しかも、なかにはパスポートを管理されたりしている者もいる、と。 米軍側は、そのようジューシーバーの問題に全く対応していないかと言うと、少しは気にしているようでもあり...つまり、余りにも酷いケースの場合には兵士の出入りを禁止しているようなのですが...でも、実態があいまいなケースの場合にはそのまま放置されているとも言われているのです。 韓国と米国に言いたい。 日本が加害者で韓国が被害者というパターンはもうそろそろ時代遅れになっているのではないのか、と。 自分たちがやっていることもよく考え直してもらいたいものなのです。 以上 http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304057704579645890629397988#printMode アジア・オセアニア 慰安婦問題、失われた正義―日本だけの問題ではない By ANDREW BROWNE 2014 年 6 月 25 日 18:46 JST ソウルの日本大使館前に立つ元慰安婦の女性たち(2009年) Associated Press 【北京】第二次世界大戦終了の直後、敗北した日本政府にとって喫緊の課題は、国内の女性たちを連合国占領軍の何十万人もの米兵からどう守るかということだった。 解決策は「ianfu」(慰安婦)だった。 ボランティア(自由意思)による慰安婦が募集された。RAA(the Recreation and Amusement Association=特殊慰安施設協会)として知られる政府公認の一連の売春所で働く仕事だ。 何千人もの日本人女性が応募し、「広く社会のために」自らを犠牲にすると覚悟した。売春所は米兵たちの間で人気が沸騰。兵士たちの間で性病が広がり、数カ月後には閉鎖しなければならなくなった。 今では日本のボランティア女性たちの犠牲に言及されることはほとんどないが、そうした犠牲は戦時の慰安婦に関する考え方を体現していた。慰安婦とは、太平洋戦争中に日本軍が性奴隷を指す言葉として生み出した言葉だ。戦時中の慰安婦の大半は、当時日本の植民地だった朝鮮出身の女性だった。しかし中国人も相当な数がいた。 戦時中の女性の役割に対するこうした認識が、その後の米国主導の東京裁判が日本の最も極悪な一面を覆い隠した背景にあった、と主張する法律学者や女性権利擁護者もいる。東京裁判は性奴隷を戦争犯罪として認めることはなかった。 終戦から70年たった今、韓国や中国などで元慰安婦の生存者が少なくなっているが、彼女たちは今なお正義を待ち望んでいる。政治家たちが責任の所在という問題で言い争っている中で、正義を待ち望んでいるのだ。 安倍晋三首相は、アジア各地の元慰安婦に対する1993年の画期的な謝罪(河野洋平官房長官談話)を検証することで、この古傷を再び開いた。河野談話の謝罪は、「慰安所」の設置と慰安婦の募集で旧日本軍が果たした役割を認めたものだった。それは「心身にわたり癒やしがたい傷を負われた(犠牲者たち)」に対する自責の念を表明していた。 日本政府は先週、河野談話の謝罪の作成過程を検証した結果、日本と韓国の当局者が文言調整で秘密裏に交渉していたことが判明したと発表した。これは、河野談話で純粋な自責の念のようにみえたものが、実際には外交上の産物であったことを示唆したことになる。 安倍首相は、この謝罪を撤回するよう求めるナショナリスト(国粋主義)的な同志たちから圧力を受けているが、謝罪自体は撤回しないと述べている。しかし検証作業によって、ずっと責任回避的だった河野談話がさらにあいまいになった形だ。慰安婦を商業ベースの売春婦だったと表現し、日本は不当に非難されていると主張する右翼勢力は、今回の検証に勇気づけられている。 日本の検証に反対していた韓国政府は23日、日本の駐韓大使を呼び、検証結果公表に抗議した。また中国外務省の報道官は、日本が「侵略の罪を覆そうとしている」と非難した。 戦争終了後これほど多くの年月がたった今日、アジアの元慰安婦が今なお正義を求めているのに対し、政治家たちが技術的な詳細にこだわり続けるのは一体なぜなのだろうか。 確かに、性犯罪への日本軍の直接関与に関する証拠を入手するのは困難だ。中国の公文書専門家は、日本軍が撤退の際に記録や文書を徹底的に破棄していたと述べている。 慰安婦たちの一部は、自分たちの境遇を生前に一言も語ることがなかった。生存者たちによると、慰安婦はいったん「摩耗」したり、病気になったり妊娠すると、即座に殺され、時には銃剣で突き殺されたという。 「慰安所」をどのように説明すべきかの議論が続いている。慰安婦のための正義を求める人々は、それが村々から拉致された女性や少女のあふれるレイプセンターだったと表現する。だが、この説明は大きな違いを見落としている。1937年に日本軍によって陥落した上海など中国の主要都市では、軍の「慰安所」は、日本の民間人向けの売春宿システムの中に設置され、規制も厳しかった。女性たちの扱いは、戦争の前線に近い臨時施設の方が悪かったようだ。中国人のブローカーが主要な役割を果たし、侵攻してくる日本軍のために女性たちを調達していた。 このため日本の右翼勢力は、責任の所在が旧日本軍にあるとする画一的な議論を否定している。 中国政府にも見捨てられた元慰安婦 しかし、元慰安婦たちの消えない痛みの裏には、文化と政治に関する根深い問題が存在する。そうした問題は依然として完全に認知されているとは言えない。それは日本だけにとどまらない。 戦時の女性たちの苦悩は、戦後も続いた。彼女たちは、純潔を重んじる男性優位社会からしばしば締め出された。慰安婦として働いた結果不妊になった女性たちは、結婚相手として認められなかった。これは女性の価値に関する田舎の価値観を浮き彫りにしていた。多くの女性たちは旧日本軍の協力者だとのレッテルを貼られた。 最近出版された米バッサー大学の丘培培(Peipei Qiu)教授と中国在住の共著者2人(蘇智良氏と陳麗菲氏)の著書「Chinese Comfort Women(中国人慰安婦)」は、元慰安婦12人の痛ましい経験をつづり、この悲劇にあらためて光を当てている。 元慰安婦のうちの1人、Yuan Zhulinさんは、初めて慰安所で働いた日に頑強な日本兵10人からレイプされたことを明かし、「下半身をナイフで刻まれているように感じた」と説明している。武漢生まれの彼女は、逃げようとしたら殴打され、そのため頭痛に生涯悩まされることとなったという。彼女の苦難は、法的な迫害でさらに増幅された。1958年、中国の裁判所は日本人相手の売春婦だったとして彼女に「重労働」の刑を言い渡した。彼女はその後17年間、極寒の中国東北部に追いやられた。 またNan Erpuさんは1960年代の文化大革命の際、日本兵に性を提供した「守旧的な反革命主義者」という理由で投獄された。彼女は後に自殺した。 屈辱は最近まで続いた。Li Lianchunさんは2000年に元慰安婦に関する会合に参加するため東京を訪れようとしたが、中国の地元当局者に渡航書類の発行を拒否された。この当局者は、彼女が国外で「恥ずべき過去」を語ることが不適切だと考えたためだった。 これまで研究者たちは、アジア全域で最大20万人の慰安婦がいたとし、うち大半は朝鮮出身者だったと推定してきた。しかし丘教授らの著書によると、最近の中国の研究は、慰安婦の総数は40万人で、少なくともその半数が中国人だったと推定しているという。 中国人慰安婦たちの苦難の責任は、一義的に旧日本軍にあった。しかし女性たちの政府(中国政府)もまた、彼女たちを見捨てていたのである。 関連記事 • 河野談話検証に反発、日韓どこまで冷え込むか • 【社説】集団的自衛権で日本は「普通の国」へ、東アジア安保に寄与 • 日本の支配に抵抗した朝鮮人部隊の石碑、中国西安市で近く除幕式 • 日韓関係の改善、時の流れに任せるべき=米専門家 • 安重根記念館来館者の3分の1が韓国人―日韓の溝、中国でも鮮明に
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303319204579643812390609676#printMode アジア・オセアニア 河野談話検証に反発、日韓どこまで冷え込むか By ALASTAIR GALE 2014 年 6 月 24 日 17:58 JST 別所浩郎駐韓日本大使(左)を呼び出して抗議した韓国外交部の趙太庸(チョ・テヨン)第1次官(23日、ソウル) Associated Press 従軍慰安婦に関する1993年の河野洋平官房長官談話の検証結果を、安倍晋三政権が公表したことに対し、韓国側は強く反発している。 日本政府は20日に「河野談話」の検証結果に関する報告書を公表。韓国はこの報告書が事実をゆがめ、河野談話の信頼性を損なったと非難。韓国外交部は23日、日本の別所浩郎駐韓大使を呼んで抗議した。日本政府は謝罪を含む談話の内容を維持しているが、報告書では日韓両政府が文言をめぐって水面下の駆け引きを繰り返していたことが明らかになった。 この問題が日韓関係の一段の悪化につながれば、米国にとって悩みの種になる可能性がある。北朝鮮の脅威や中国の台頭に対抗するため、米国は東アジアで日本や韓国など同盟国との関係を強化しているからだ。 関連記事 • 韓国首相候補2人目も辞退 、親日発言に批判 • 【社説】集団的自衛権で日本は「普通の国」へ、東アジア安保に寄与 今回の問題が日韓関係にどれほどのダメージを与えるのか。ソウル大学の日本専門家、朴(パク)チョルヒ教授によると、韓国と日本が外交交渉を実質的にストップしてしまうことが最も懸念される結果の一つだという。 朴教授は「これは現在と将来の日本との交渉に影響を与えると思う」と指摘。韓国政府は、日本が政治目的のために別の水面下交渉の内容を公表することを心配していると語る。 この結果、日韓の協議が難しくなるうえ、両国の仲を取り持とうとする米国の取り組みがより困難になる可能性がある。 朴教授は「これは信頼の問題だ」と話す。 従軍慰安婦問題をめぐる日韓協議は最近になって再開されたが、朴教授は河野談話の検証報告のために協議が当面棚上げされる可能性があるとみている。ただ、協議はいずれ再開されるだろうともいう。 第2次世界大戦と日本の朝鮮支配が終わって70年目となる2015年を前に、関係を前に進めるよう日韓両政府には「大きなプレッシャー」がかかっていると朴教授は語る。来年は日本との国交正常化から50年の節目でもある。当時の両国政府は、日韓基本条約に全ての戦争賠償が含まれることに合意した。 朴教授は、向こう数カ月は「何とか乗り切る」時期になりそうだという。日本の政治家が河野談話の撤回を要求する可能性を含め、韓国政府が東京の動きを注視するとみている。8月15日の終戦記念日も重要で、安倍政権の閣僚が靖国神社を参拝し、韓国側をいら立たせることも考えられるという。 一方、これ以上関係が悪化しなければ、年内に安倍首相と韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領との首脳会談が実現する可能性も否定できないと朴教授は話す。両首脳は就任以来、一度も公式会談を開いていない。 11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議など、安倍首相と朴大統領が多国間会議で顔を合わせる機会が年内に数回ある。朴教授によると、両首脳が会議の合間に言葉を交わせるかが前進のバロメーターになるという。
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304057704579647283156181394#printMode 「中国人慰安婦」著者に聞く―共謀者扱いされた女性たち By ANDREW BROWNE 2014 年 6 月 26 日 11:28 JST 「慰安婦」の経験を語る74歳の中国人女性(2000年、上海) Associated Press 日本政府が1993年の河野洋平官房長官談話を有識者に検証させたことで、旧日本軍が生んだ「慰安婦」という耐え難い問題にあらためて焦点が当たっている。 米バッサー大学アジア研究学部の丘培培(Qiu Peipei)教授は近著「Chinese Comfort Women(中国人慰安婦)」で、第二次世界大戦中の日本による侵略の中で最もトラウマに満ちた側面に新たな視点を提供した。この本の執筆には上海師範大学の蘇智良教授と陳麗菲教授も共著者として加わっている。 これまで研究者らは慰安婦の総数が最大で20万人に上り、大半が朝鮮人だったと見ていた。だが、丘教授の著書によるとアジア全体で40万人の慰安婦が存在し、少なくともその半数が中国人だった可能性があるという。 慰安婦問題はすでに日韓関係を深く傷つけているが、中国でこの野蛮な歴史の一幕に関する研究が進むにつれて中国政府が独自の主張を強める可能性がある。しかし丘教授の著書によると、中国の慰安婦は2度犠牲になることが多かったという。最初は日本軍の、戦後は中国共産党の官僚たちの犠牲になったというのだ。共産党は慰安婦に対し、日本の共謀者というレッテルを貼っていた。 ウォール・ストリート・ジャーナルは電子メールで丘教授に話を聞いた。 Q:慰安婦の大部分は朝鮮人だったと長く考えられてきた。教授の研究では同数の中国人慰安婦が存在した可能性が示唆されている。なぜ今になってこれが明るみに出たのか。 A:中国では戦後長い間、このことが表面化しなかった。レイプ被害者は恥ずべき存在と見られ、時には「敵国支援」の共謀者と見なされる場合があったからだ。旧日本軍が戦時中に設置した「慰安所」には膨大な数の中国人女性が収容されていたが、これに関する情報が最初に出たのは1990年代後半になってからだ。当時は韓国と日本で「慰安婦」への補償を求める運動が起こっており、中国でも旧日本軍の慰安所に対する調査が全国規模で広まった。ただ、この研究結果を英語で得られるようになったのは最近のことで、中国以外での認知度は低かった。私はこうした情報格差を埋めることで、この問題についての理解を一段と深めることに寄与したいと思う。 Q:生存している元中国人慰安婦は何人いるのか。 A:これまで証言を行った女性の中で、生きているのは23人しかいない。今は全員が80代か90代だ。 Q:中国人の慰安婦は特にひどい仕打ちを受けていたのか。当時の日本にとって中国は敵国で、朝鮮は植民地だった。 A:旧日本軍の「慰安婦」制度でどの民族集団がひどい仕打ちを受けたかを比べるのはやめよう。民族にかかわらず、全ての犠牲者が「慰安婦」制度で恐ろしい虐待を受けたという点を私は強調したい。それと同時に、歴史と未来のために、旧日本軍が敵国の女性や市民を言葉にならないほど残忍に扱ったという点を指摘することも重要だ。旧日本軍は占領地域から数多くの女性を誘拐し、軍の「慰安所」に収容した。誘拐された女性の家族が拷問されたり殺害されたりする場合もしばしばあった。 Q:戦後、中国人慰安婦の多くが共謀者という汚名を着せられ、虐げられた。現在、こうした女性に対する中国政府の公式見解はどのようなものか。 A:アジア各国で「慰安婦」への補償を求める運動が起きて以来、中国政府は日本が戦争犯罪の責任を回避してきたと公に非難してきた。中国側の主張は、(国交が正常化した)1972年の日中共同声明で日本政府への賠償請求権を破棄したのは中国政府のみで、市民が個人で補償を求めることを中国政府は禁止しないというものだ。 だが、中国政府は個々の犠牲者に実質的な支援を与えることはなかった。あったとしても、通常の社会福祉政策の一環として、一部の生存者が地方政府から限定的な財政援助を受ける程度だった。草の根レベルでは、特定された「慰安所」に収容されていた生存者が地元住民から手厚い支援を受けたほか、個人から集まった寄付金は中国「慰安婦」問題研究センターを通じて少額ながらも毎月犠牲者に支払われた。 Q:「慰安所」の実態については、いくつかの議論がある。少なくとも従来は、一部は普通の売春宿に似たものだったとされている。教授の著作ではこの違いが描写されていないが、なぜか。 A:中国人「慰安婦」の証言から明らかになった「慰安所」制度の隠された一面とは、旧日本軍の大部隊や売春宿経営者らによって設立された公式の「慰安所」に加え、小部隊が即席でこしらえた「慰安施設」が非常に多く存在したことだ。小隊や分隊でさえ、性の奴隷として女性を監禁することが多かった。戦時中を通じ、当座しのぎとも言えるこうした施設が正式に認可された軍慰安所と併存し、極端に野蛮な行為や殺害が行われていた。中国人「慰安婦」の大部分はこの簡易「慰安施設」に入れられたため、中国人生存者の証言は自然と現実を映し出している。 中国人「慰安婦」の経験を客観的に捉えるため、私たちはさまざまな「慰安所」に収容された生存者から証言を集める努力をした。例えば、本に登場する雷桂英さんは海外に住む日本人夫婦が経営する「慰安所」に閉じ込められた。民間人が経営する売春宿だが、雷さんが受けた仕打ちは犯罪的な暴力に等しかった。抵抗する雷さんに対し、日本兵は暴行をふるったうえ銃剣で刺し、片足の不具合は今でも残っている。 Q:中国での慰安婦制度は女性を集める中国人仲介者に依存していた。法の裁きを受けた者はいるのか? A:地元民と占領者との共謀の仕方は状況によって異なる。旧日本軍と積極的に共謀して慰安所を設置し、その経営に参加した者もいる。一方、女性を集めるのを拒めば占領軍が住民を殺すと公に脅していたため、そうせざるを得なかった地方公務員もいる。こうした仲介者の行動は、占領軍からの圧力が原因だったとして完全に正当化することはできない。ただ、旧日本軍が占領地で広範な殺りく行為を犯していたことを考えると、占領者の命令を断れば多くの地元民の安全が危険にさらされたのは明らかだった。 私は著書の中でさまざまな共謀について議論している。その一つがQiao Hongnian氏のケースで、同氏は南京で女性に売春を強要して旧日本軍を積極的に支援していた。Qiao氏は戦後、中国の法廷で裁判にかけられた。 Q:中国では国粋主義的な感情が強すぎるため、日本の侵略に関する研究の独自性を疑う声がある。これについてどう思うか。 A:戦時中の日本の「慰安所」に関する研究は、中国では草の根活動に端を発している。私が共同作業をしてきた研究者たちは、長らく金銭的支援を受けたことがなく、調査を続けるために貯金を崩さざるを得なかったという。本の執筆中に意見を聞いた中国と日本の研究者および専門家は、全員が「基本的人権」と「本当の意味での人々の和解」に対する深い憂慮からこの研究テーマに身をささげている。 私もこうした憂慮から本を書いた。この本を出すことで、こうした女性の苦しみに対する理解が世界的に広まることを希望する。「慰安婦」に起こったことを理解するために、私たちは国民国家という境界を乗り越える必要がある。「慰安婦」の悲劇に立ち向かうことは政治や国益のためではなく、人間のためだということを私は示したい。 関連記事 • 慰安婦問題、失われた正義―日本だけの問題か • 河野談話検証に反発、日韓どこまで冷え込むか • 日韓関係の改善、時の流れに任せるべき=米専門家
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