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ウォン高を放置すれば韓国経済に致命的
2014年06月25日 中央日報日本語版
http://japanese.joins.com/article/967/186967.html
伝統的に主要先進国の政策当局は、自国通貨の安定化または通貨高を目標に為替政策を展開してきた。しかしグローバル金融危機後はむしろ自国通貨安を積極的に誘導する政策に転換した。これは2010年にブラジルのギド・マンテガ財務相が主張したように、先進国がグローバル市場で新興国のマーケットシェアを奪おうとする通貨戦争(currency war)の一環と見ることができる。しかし別の側面では、物価上昇率が低くデフレ圧力が強まった状況で、自国通貨高がデフレをさらにあおり、実質負債負担の加重による消費委縮など、負債レベルが高い経済に致命的な悪影響を与える恐れがあるという懸念も考慮されている。
主要先進国が自国通貨安のために動員している手段には次のようなものがある。一つ目は、流入する外貨を中央銀行が無制限に買い取って為替レートを目標水準に固定させる方法であり、2011年9月にスイスが1ユーロを1.2スイスフランに固定させる政策を施行している。二つ目は米国・英国・日本などで見られる量的緩和だ。量的緩和を通じた自国通貨の供給増大は、自国通貨の価値を下落させる。三つ目は、銀行が中央銀行に預けておく資金や一般預金に対してマイナス金利を適用する方法だが、これは1970年代末のスイスと過去2年間のデンマークで使われた。欧州中央銀行が6月11日、銀行の中央銀行預金に対してマイナス金利を導入した背景も、ユーロ高を阻止するという意図がある。
では、韓国経済の状況はどうか。韓国経済は物価上昇率が過去に比べて大きく低下した中、経常黒字が続いている。しかし経常黒字には輸出増加より内需不振による輸入減少がより大きな要因として作用している。内需不振の裏には過度な家計負債負担による消費の低迷がある。こうした状況で韓国ウォンは過去1年間、米ドルに対して10%近く値上がりした。過去1年間に英ポンドが米ドルに対して6%値上がりしたが、日本円は5%、ユーロは6%、中国人民元は1.5%値下がりした。急激なウォン高は輸出企業の価格競争力悪化を通じて長期的な成長基盤を損なうだけでなく、物価をさらに下落させ、家計の実質負債負担を加重させることで、内需をよりいっそう委縮させる要因として作用するなど、韓国経済に致命的な毒薬となるおそれがある。
したがって政策当局はウォン高を阻止するために多角的な政策代案を模索しなければならない時期だ。現状況で為替市場への直接介入は効果が制限的で、対外通商摩擦を引き起こすのなら、為替に間接的に影響を与えることができる多角的な政策代案を講じなければならない。より具体的には、韓国の政策当局が資本の流出入変動性緩和のために導入した先物為替ポジション限度規制および外国為替健全性負担金制度を強化し、投機資本の流入を抑制する一方、政策金利の引き下げなど内需浮揚策を積極的に動員する必要がある。
キム・ソンミンKAIST(韓国科学技術院)金融専門大学院教授
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