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セウォル号事故をきっかけに、安全軽視の規制緩和に突き進む韓国経済の闇が浮き彫りとなった(AP)
【断末魔の中韓経済】沈没事故で見えた韓国の重大欠陥 規制緩和の果てに「安全」より「利益」
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140625/frn1406251140001-n1.htm
2014.06.25 夕刊フジ
★(1)
朴槿惠(パク・クネ)大統領率いる韓国の混迷が続いている。超ウォン高が輸出企業に打撃を与えているだけでなく、規制緩和が行き過ぎて、国民の生命や安全を守る職務までが、「利益優先」で動いていたのだ。旅客船「セウォル号」沈没事故で明らかになった、隣国が抱える重大欠陥とは。経済評論家の三橋貴明氏が迫った。
300人を超す死者・行方不明者を出したセウォル号事故から、2カ月が経過した。この事故は、日本人の想像以上に韓国社会に衝撃を与えた。現在に至っても朴政権の責任を追及するデモが相次ぎ、4月16日の事故以降、およそ300人が警察に連行される事態になっている。
韓国で最近、流行っている言葉は「官僚マフィア」だ。特に批判されているのは、事故対応の遅れが目立ち、救助・捜索活動を民間企業「オンディン社」に主導させていた韓国海洋警察だ。同社には海洋警察出身のOBが多数天下っていた。追い詰められた朴大統領は先月19日、海洋警察を解体する法律を国会に提出することを、涙ながらに明らかにした。
韓国は1997年のアジア通貨危機をきっかけに、IMF(国際通貨基金)管理下で「構造改革」「労働規制の緩和」が断行された。船舶の船長や飛行機の機長、災難救助隊に至るまで、「非正規雇用」が蔓延(はびこ)る国家に成り果てた。
2008年に発足した李明博(イ・ミョンバク)政権は、セウォル号の悲劇につながったと考えられている、船舶の「規制緩和」を実施した。
信じがたい話だが、セウォル号の船長は、賃金が低い1年任期の短期契約職員で、クルーも大半が非正規社員だった。一般的に、非正規雇用の船長やクルーが、転覆・沈没といった非常事態に際し、最後まで責任を持って行動するだろうか。「しない」と断言する気はないが、少なくともセウォル号のクルーたちは乗客を放置し、自らの命を優先した。
李明博政権は「船舶の寿命」に関する規制についても緩和した。通常、船舶の寿命は20年程度と考えられているが、09年に「30年使用可能」な形にしてしまったのだ。結果、日本で廃船寸前だった船舶が韓国に輸出され、セウォル号と船名を改めて現役の旅客業務に就いた。
労働規制緩和にせよ、船舶の寿命に関する規制緩和にせよ、確かに企業の利益を増やす。とはいえ、反対側で「安全」が軽視されてしまったのは否めない。安全性の強化と、企業の利益拡大は、残念ながら多くのケースでトレードオフ(=一方を得れば、他方を失う)の関係にあるのだ。
しかも、今回は救助・捜索活動においてまで、「利益」を出す企業の「ビジネス」が優先されてしまった。
中央日報(6月18日付)によると、セウォル号の救助・捜索活動をした民間ダイバーに対し、1日あたり98万ウォン(約10万円)が支払われるという。最も長時間働いたオンディン社の総監督の場合、43日間の日当総額が、何と5478万2000ウォン(約550万円)になった。そして、先述の通りオンディン社と韓国海洋警察の結びつきは太かった。
別に、利益を重視することが悪とは言わない。とはいえ「非常事態」発生時には、国民が互いの生命や安全を守るために、国民意識(ナショナリズム)に基づき、助け合うのが「国家」というものではないのか。
セウォル号の事故は、「グローバリズムの優等生」たる韓国が、「利益」を価値観の中心に置く「国もどき」に成り果ててしまったことを、象徴しているように思えてならない。
■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。経済評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は「経世論研究所」所長。著書に「いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由」(ワック)、「愚韓新論」(飛鳥新社)、「G0・5の世界」(日本文芸社)など多数。
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