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2014年06月11日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆韓国の大型旅客船「セウォル号」沈没事件(4月16日、乗客乗員476人。6月9日現在、事故の犠牲者は292人、行方不明者は12人)のイ・ジュンソク船長ら乗組員15人に対する刑事裁判が6月10日、南部クァンジュの地方裁判所で始まった。
被告15人に共通している罪状は、過失や船員法違反罪だが、このうちイ・ジュンソク船長ら4人は、乗客を客室にとどまらせて適切な避難誘導を行わないまま船から脱出したとして、殺人などの罪に問われている。起訴状によると、「4人には乗客を救護する義務があったとしたうえで、船内放送で避難を命令することが可能であり、避難させなければ死亡することを明確に認識しながら救護措置を一切取らなかったと未必の故意が認められる」としている。
◆罪状認否でイ・ジュンソク船長ら乗組員15人は、「現場から逃げるつもりはなかったが、助けに来た海洋警察に早く船に乗れと言われて、止むを得ずセウォル号を離れた」と船員に有るまじき言葉を述べているという。船長以下、船員は「シーマンシップ」に基づき、乗船客がすべて退船したのを確かめた後に、船を離れるのが、モラルというものである。船長は、最後まで残り、場合によっては、船と運命しなくてはならない。船員法に明文規定があろうとなかろうと、それが船乗りの掟というものである。にもかかわらず、イ・ジュンソク船長ら乗組員15人は、検察側の主張を全面的に否定、争う構えだというから情けない。
また船会社が安全管理を怠った背景などについて捜査を進めているインチョン地方検察庁は、船会社の前会長で実質的なオーナーのユ・ビョンオン容疑者を横領などの疑いで指名手配して行方を追っている。ユ・ビョンオン容疑者は、駐韓フランス大使館に「亡命による保護」を要請したが、「これは刑事事件だ」として拒否されたという。
ユ・ビョンオン容疑者の世話になったり、賄賂をもらったりしていた政財官界の実力者は少なくないといい、警察、検察情報が、洩れているフシがある。警察、検察の大物が逃がしているのではないかとも伝えられている。韓国社会の闇は、深いのである。
◆しかし、「セウォル号」で犠牲になった修学旅行の教師や生徒たちは、お互いを気遣ったり、助け合ったりしていたという。救命具を友人たちに配って、他の友人を助けに向かって亡くなった生徒たちもいたという。イ・ジュンソク船長ら乗組員15人やユ・ビョンオン容疑者と比べると、よほど人格高潔であり、モラルが高い。このことが、モラルが地に落ちている韓国社会のせめてもの救いだ。
遺族が、法廷内でイ・ジュンソク船長ら乗組員15人に向かって、「それでも人間か。ケダモノ」「なぜ逃げろと放送しなかったのか」などと罵声を浴びせていた。法廷秩序を守らなくてはならない裁判長まで、遺族に同情していたという。
この刑事裁判が始まった6月10日付けの朝日新聞が「11面=国際面」で「韓国船沈没 日本語教員見つかる」という見出しをつけて、以下のように「涙なくしては読めない記事」を掲載している。
韓国南西部・珍島(チンド)沖で起きた旅客船沈没事故で、京畿道安山市の檀園(タンウォン)高校の日本語教員、ユ・ニナさん(27)の遺体が8日、見つかった。左手につけていた指輪が交際していた男性とのペアリングだったため、父チンスさん(57)と兄コンウさん(30)は本人に間違いないと判断した。ニナさんは幼いころから日本が好きで、九州に留学したこともあった。今年は日本語を教える傍ら、2年生の担任もしていた。遺体は8日午前、船の3階の中央食堂で見つかった。ニナさんは事故当時、最上階で逃げやすい5階にいたが、生徒を助けるために下の階に向かい、そのまま犠牲になったとみられている。チンスさんは9日、朝日新聞の取材に対し、「遺体が見つかって少し気が楽になった。ほかの行方不明者たちも早く家族のもとへ戻ってほしい」と話した。コンウさんによると、事故がなければ、ニナさんは今年5月にも友人と日本を旅行する予定だったという。事故は16日で発生から2カ月を迎える。9日現在、事故の犠牲者は292人、行方不明者は12人。引き続き、捜索活動が行われている。
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