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「拉致問題をテコに日朝関係が動き出す(?)」(RFI・ロシアの声)
http://www.asyura2.com/14/asia15/msg/455.html
投稿者 無段活用 日時 2014 年 6 月 06 日 23:54:22: 2iUYbJALJ4TtU
 

(Japonais enlevés: Tokyo va envoyer des représentants en Corée du Nord : RFI)
http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20140601-japonais-enleves-tokyo-va-envoyer-representants-coree-nord/


北朝鮮日本


発表 2014年6月1日・更新 2014年6月2日01:45


日本人拉致者:日本政府、北朝鮮に代表団派遣へ


記者 RFI


2002年10月15日、奥土祐木子氏(左)と蓮池薫氏など、北朝鮮によって拉致された日本人が東京に到着した。
REUTERS/Kimimasa Mayama



1970年代と1980年代に北朝鮮政府によって誘拐された日本人の事件を追跡調査するために、日本政府は北朝鮮に代表団を派遣することになった。日本政府の官房長官がこの合意の詳細について発表した。

「この事件に巻き込まれた方々に会い、私たちが望む場合は帰国できるよう、私たちは求めてきた。それが受け入れられたということだ」と、日本政府の菅義偉官房長官が説明した。冷戦時代の70・80年代に北朝鮮によって拉致された日本人がいた。当時、北朝鮮はスパイたちに日本の言語・習慣を身に付けさせたいと考えていた。

北朝鮮は、13人が拉致されたがそのうち5人は日本に帰国しており、あとの8人も死亡したと強く主張した。日本の当局者たちはこの問題を解決済みと決して認めず、少なくとも17人の日本人が拉致されたと述べていた。2008年、交渉によって最初の合意が為されたが、その合意は日本の捜査官たちにとって余りにも限定的なものだった。

そして先週の木曜日、スウェーデンでの3日間に及ぶ2国間協議の後、新たな合意が発表された。日本は北朝鮮の共産主義体制に対するいくつかの制裁措置を解除することになった。それと引き換えに、日本政府は拉致者たちのことを解明するために、外交官と警察の捜査官を平壌に派遣することが可能となるだろう。まずは短期的な滞在となるが、日本は後に平壌に常設機関を開きたいと希望している。



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(ロシアの声)
http://japanese.ruvr.ru/2014_06_02/273080918/


6月 2 , 16:59


拉致被害者はいつ家に戻れるのか?


Collage: The Voice of Russia


5月29日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と日本の政府代表は、ストックホルムで、大分以前に袋小路に陥ってしまった日朝関係正常化に向けた合意書に調印した。合意書には特に、北朝鮮当局は、1970年代から80年代にかけて同国の特務工作員が行った日本人拉致問題について検討すると記されている。それに応えて日本側は、北朝鮮に対するいくつかの経済制裁を解除する事に同意した。

所謂「拉致問題」は、すでに長い間、日朝間の最も鋭く対立するテーマで、両国の交流を妨げてきた。問題が起きたのは1970年代で、当時北朝鮮の特務機関は、活発に活動し、日本人を実際拉致していた。その対象となった人達の大部分は、政治とも経済とも何の関係もない一般市民で、まさに偶然犠牲にされたといってよい。

北朝鮮は当初長い間、拉致に関する自らの責任を否定していたが、2002年9月、金正日氏が小泉首相とピョンヤンで会談した際、初めて「共和国の特務部隊が実際、そうした事をした」と認めた。金正日氏と彼の顧問達は「拉致を認めれば、善意のジェスチャーとして受け止められ、日本との関係正常化の助けになる」と期待していた。しかし発言は、彼らにとって思いもかけない反応を呼び起こした。それまで、拉致があったと必ずしも確信が持てなかった多くの日本人達が、北朝鮮当局の行為に憤激したのだ。そして世論は、拉致被害者すべての即時帰還を求め始めた。

日本政府が準備した拉致被害者のリストには、17人の名前がある。2002年北朝鮮当局は、そのうち13件についてのみ関与を認めた。同年5人が日本に帰還し、残った8人については、北朝鮮国内で亡くなったと発表された。しかし当時拉致被害者の大半は、50歳に満たなかったため、日本では、そうした北朝鮮の発表は信用できないものと受け止められた。

北朝鮮側が真実を述べている部分も恐らくあるに違いないが、拉致被害者の一部は今も生きていると推測する方が、よりあり得るように益々思われる。しかし彼らの帰還は、北朝鮮にとって多くの問題をさらに創り出す可能性があり、この事は北朝鮮当局もよく理解している。なぜなら、亡くなったとみなされている拉致被害者が、日本で活動する北朝鮮の諜報員を養成する仕事に関わっているとなれば、どれだけの非難を浴びるか推して知るべしだからだ。そして彼らが日本に帰還すれば、北朝鮮のスパイ網が明らかになってしまう。

その上、2002年の苦い経験を学んだ北朝鮮当局は、恐らく、同様の譲歩が善意のジェスチャーとしては受け入れられず、あべこべに、さらなる関係悪化をもたらすのではないかと懸念している。日本の人々が、北朝鮮スパイのここ数十年間における自国内での活動を知ったなら、日本の世論は黙っていないだろう。

その一方で北朝鮮は今、日本との関係改善を求めている。形成された状況は、日本の長期的な国益には奉仕しない。しかし現状から抜け出すためには、歩み寄るしか道はない。

おそらく今が、その歩み寄るチャンスだ。5月29日、その最初の一歩が記された。正確には、双方それぞれが、正常化に向け一歩前進したのである。


日本関連, 北朝鮮, アンドレイ ラニコフ, 政治



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(ロシアの声)
http://japanese.ruvr.ru/2014_06_04/273157563/


4 6月 2014, 15:08


秘密のベールを開ける


© Photo: Flickr.com/CSIS | Center for Strategic & International Studies


日本の岸田外相は、安倍首相が北朝鮮を訪問する可能性もあるとの考えを示した。これより先、日本と北朝鮮は、スウェーデンのストックホルムで北朝鮮による日本人拉致問題について協議した。両国は、協議は成功したとの見方を示した。

北朝鮮側は、拉致問題に関する委員会を立ち上げると約束した。これを受けて日本側は、北朝鮮への制裁を一部解除する可能性があると発表した。元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏は、日本と北朝鮮は国交を結んではいないが、このような歩み寄りは、安倍首相が北朝鮮を訪問するための好適な背景を作り出す可能性があると指摘し、次のように語っている。

「日本と北朝鮮の協議が今後も建設的に進めば、現実的に、安倍首相が北朝鮮を訪問する可能性はある。安倍首相は以前、拉致被害者の帰国を求める活動に積極的に参加し、そこで政治家として大きく出世した。北朝鮮への訪問は、安倍首相にとって、政治家として極めて有益な一歩となるだろう。そして安倍首相も、2002年に国交のない中で、日本の首相として初めて北朝鮮を訪れた小泉元首相のような成功を収めることができるかもしれない。小泉首相の北朝鮮訪問によって、北朝鮮側は初めて拉致を認め、突破口が開かれた。北朝鮮に何を期待できるかは、今の時点ではまだわからない。だが北朝鮮側は、拉致被害者の再調査で合意し、日本側に埋葬、あるいは生存者に関する何らかの情報を提供する可能性も示唆している。日本は、拉致問題が解決されなければ関係改善の方向に動くことは一切ないという原則的な立場を保っている。この問題に関する協議で前進できれば、日本は北朝鮮に対する態度を実際に和らげるだろう。」

韓国に関するロシア人専門家のコンスタンチン・アスモロフ氏は、北朝鮮との関係改善は、日本にとっても有益だと指摘し、次のように語っている。

「北朝鮮市場の開拓は、日本経済が不況から抜け出すための助けとなる可能性がある。もしかしたら、これは、現在行われている協議の重要な要素かもしれない。2002年に金正日総書記が小泉首相を招待した時、北朝鮮は非常に真剣に日本からの投資に期待した。だが当時、北朝鮮が拉致の事実を認めたことは、日本で否定的な反応を引き起こし、北朝鮮に対するネガティブな感情が形成された。もしかしたら今、新たな試みが行われている可能性がある。なぜなら、現在の北朝鮮のリーダーが、経済発展の問題に懸念を抱いているのは明白だからだ。そして彼にとって日本と友好な関係を築くことは、中国への経済的な依存度を軽減するために重要だ。」

12月に北朝鮮ナンバー2と呼ばれた張成沢(チャン・ソンテク)氏が処刑されたあと、日本では北朝鮮を巡る動きが活発化した。多くのアナリストたちは、張氏の処刑は、中国をモデルとした経済改革や、中国との緊密な関係を北朝鮮が拒否したことを意味しているとの考えを示している。なぜなら北朝鮮指導部でこの方向性を支持していた主要人物が、張氏だったからだ。

日本にとっては、北朝鮮市場へ進出する良い機会だ。日本側がこの機会を利用したいと考えているのは明らかだ。日本人拉致問題は、幅広い経済協力について話し合うためのきっかけとなる可能性がある。


日本関連, 北朝鮮, タチヤナ フロニ, 政治



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(投稿者より)

RFI・ロシアの声の両サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。

「2008年、交渉によって最初の合意が為されたが、その合意は日本の捜査官たちにとって余りにも限定的なものだった。」"Un premier accord a été négocié en 2008, mais il était trop restrictif pour les enquêteurs japonais."、「限定的」"restrictif"としましたが、何を言っているのかは分かりませんでした。2008年の合意では対象人数を北朝鮮側が絞ったという事実はありません。また、北朝鮮が難癖をつけて調査に制限を付けようとした事実もありません。あの時は、合意の翌月に福田首相が辞任したために、調査の対価だった制裁解除を日本がきちんと行うかについて、疑心暗鬼になった北朝鮮側が合意を取り消したのでした。

3本の記事を並べて見たとき、拉致問題が解決に向かって動き出したというよりは、拉致問題をテコに(ダシに?)日朝国交正常化が動き出した、といったニュアンスが浮かび上がるように思えました。海外にはそうした見方があるということかも知れません。

まず拉致調査を名目に平壌に人を送り込み、時間を置いてそれを常設の事務所に格上げし、いずれは大使館にまで育て上げる。並行して、話題はどうあれ対話を始め、対話を重ねて、政治・経済関係の確立にまで持ち込む。 その間、資金と物資は動きます。まずは賠償金(日朝間に交戦の事実はなく、北朝鮮は日本から独立したわけでもないので、「賠償」というのもおかしな話ですが)名目の資金供与と人道援助。ゆくゆくは北朝鮮の農産物・鉱産資源と日本の工業製品のバーターが始まるかも知れません。

国民感情を考えた時、私は「それでいこう」とはとても言えませんが、地域情勢の都合から、国民感情とは無関係にそのような方向に物事が動き始めたような感触もあります。

 

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コメント
 
01. 2014年6月07日 01:37:40 : BtgvWQnvd6
北朝鮮国内には日本の政府や企業が戦前期に作った施設も残っているので国交を結んで経済交流が活発になったとしても零からの交流のスタートというわけでもない。むしろ過去と現在を結ぶ点と点をつなぐ線が結ばれそれを両国の国民が自覚する機会になる。それは悪いことばかりではない。

http://blogs.yahoo.co.jp/teisitu_minamata/32740164.html


02. 2014年6月11日 12:18:35 : nJF6kGWndY

米国も関心は寄せているらしいな

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140610/266587/?ST=print

米国から見た、拉致問題を巡る日朝合意 「金正日路線」からの脱却に動いた金正恩に最大の関心

2014年6月11日(水)  高濱 賛

 「日本と北朝鮮が拉致問題の再調査で合意したことを、いちばん喜んでいるのはアメリカではないのか」。米国に駐在する、日本のある外交官が筆者にこう語った。「国家権力による人権侵害に最も敏感なのはアメリカだし、なによりもあの金正恩(総書記)が初めて歩み寄りを見せたことはアメリカにとっても重大な関心事だからだ――」(同)。

 むろん米国は、日本が対北朝鮮経済制裁を単独で解除しようとしていることに危惧の念を抱いている。経済制裁は、北朝鮮が核やミサイルを開発するのを阻止する最重要の「取引材料」だからだ。だが米国の姿勢は、韓国とは明らかに一線を画している。韓国は「日米韓の対北朝鮮戦線に不協和音を生じさせる。安倍首相の危険な独走」(東亜日報)などと警戒感を露わにしている。
("安倍首相の危険な独走、どこまで…"、東亜日報、6/5/2014)

拉致問題の重要性を熟知する米国

 米国が今回の日朝合意を、用心をしつつも、好感を持って受け止めているのはなぜか。

 一つには、「揺らぐことのない日米の絆」(米国務省関係筋)がある。両国は先進民主国家として民主主義と市場経済という価値観を共有している。2011年の東日本大震災の時に米軍将兵2万4000人を派遣した「トモダチ作戦」(捜索救難、災害救助、人道支援作戦)はそのことをシンボリックに示した。世論調査を見ても、米国人にとって日本は英国、カナダに次いで好感度が高い国である。

 拉致問題が日本政府及び日本国民にとって最優先議題であることを米国は十分理解している。2014年2月に公表された「米議会調査局報告」に次のような指摘がある。

「日本にとって拉致問題解決は最優先議題になっている。日本政府は拉致問題が解決しない限り北朝鮮に対する経済援助は一切行わないとしている。ブッシュ政権は08年、北朝鮮が核開発で譲歩した代わりに、北朝鮮をテロ支援国家リストから外した。この決定に日本政府当局者たちは北朝鮮のリスト除外は拉致問題とリンクすべきであるとして失望落胆した」
("Japan-U.S. Relations: Issues for Congress," Congressional Research Service, y Emma Chanlett-Avery, 3/11/2014)
日本人拉致家族に現職大統領2人が会った意義

 大袈裟な言い方かもしれないが、現職の米国大統領2人が外国の拉致被害者家族と会うなどというケースはあまりない。横田早紀江さんは、06年にジョージ・W・ブッシュ第43代大統領とホワイトハウスで、14年5月24日には来日中のバラク・オバマ第44代大統領と迎賓館で面会している。オバマ大統領は席上、「政治家としてではなく、一人の親として拉致は許せない。日本政府と協力して解決しなければならない」と大見得を切っている。

 オバマ大統領だけではない。来日したジョン・ケリー国務長官はじめデービース北朝鮮担当特別代表、ロバート・キング北朝鮮人権問題担当特使 、さらにはキャロライン・ケネディ駐日米大使らが拉致家族に会い、拉致問題解決に米国が全面協力することを確約してきた。「オバマ政権は口先だけでなく、拉致問題の解決を北朝鮮側に機会あるごとに訴えてきた」(前述の在米日本人外交官)。

 米国がこれほど日本の拉致問題に同情し、支持してきた理由。それは、かってマイク・マンスフィールド駐日大使(当時、故人)が口癖のように言っていたように、米国にとって日米関係が「Bar none(他に類を見ないほど重要な関係)」であるからだ。ただし、それだけではない。

人権尊重は米国の「国是」

 もう一つの理由は、米国が人権尊重主義を外交の場でも伝統的に貫いてきたことにある。国家権力が個人の自由を奪ったり、強制連行したり、人身売買したりすることについて、相手が同盟国であろうが、友好国であろうが、バシバシと主張してきた。人権侵害が目立つ中国、北朝鮮に対して、ここ数年、ことあるごとに激しい非難を浴びせている。

 日朝合意が発表された翌日、5月30日に米下院外交委員会(エド・ロイス委員長)が、「対北朝鮮経済制裁法」(H.R.1771)をさらに強化する修正案を可決した。このあと下院本会議、上院外交委員会、上院本会議で可決し、オバマ大統領が署名すれば法律となる。

 「これはなにも今回の日朝合意に水を差すものではない」と下院外交委員会スタッフは筆者にこうコメントしている。なぜか。

 「この法律は昨年可決、成立している。人権侵害に関与した(北朝鮮)当事者が米国内に保有する資産を凍結するという一項目を盛り込んだ。日朝合意による日本独自の制裁措置の一部解除とは次元の異なる制裁対象だ」
("Foreign Affairs Committee Passes Legislation to Strengthen Sactions against North Korea, Combat international Human Trafficking, Urge Transparent Afgan Election," Foreignaffairs.house.gov. 5/29/2014)

「脱・金正日路線」は米朝関係を変えうるのか

 米国が日朝合意に強い関心を示している三つ目の理由は、これが袋小路に入り込んでいる米朝関係を打破することにつながる可能性があるからだ。「ついに金正恩が新たな動きに出た」(米国務省関係筋)。

 米国は08年10月、北朝鮮が核開発を中止する見返りとして、「テロ支援国家」リストから北朝鮮を削除した。が、北朝鮮はこれを見事に裏切り、核開発を進めてきた。6カ国協議にしてもあくまでも無条件での参加に固執。6カ国協議が開かれなくなってから既に6年が経つ。その間、南北対話は暗礁に乗り上げ、同盟国である中国との関係も冷え切ったままの状態が続いている。

 『Disarming Strangers: Nuclear Diplomacy』の著者、レオン・シーガル社会科学研究評議会(SSRC)北東アジア協力安保プロジェクト責任者は、現在の米朝関係を一言でこう言い切る。「(米日韓という)他国に北朝鮮との関係改善を強いる北朝鮮の戦略も、米国の戦略的忍耐政策も完全に行き詰ってしまった。袋小路に入り込んでしまったのだ。交渉の場を失った今、北東アジアの安全保障は危機に瀕している。」
("A Nuclear North Korea vs. a Strategically patient U.S.: Who Wins?" Leon V. Sigal, The National Interest, 4/24/2014)

米朝関係にもリセットの可能性

 具体的に米国はどう動くべきか。レーガン第40代大統領の特別補佐官を務め、現在ケイトー研究所の上級研究員をしている、ダグ・バンドウ氏は、一つの具体策として「対北朝鮮包括政策」を提唱している。「核とミサイルをちらつかせる金正恩の瀬戸際外交をやめさせるために、米国は米朝平和条約、貿易、援助、人的交流といったポジティブな包括的北朝鮮政策を考えねばならない時にきている。むろん、その際には韓国と日本を加えることは言うまでもない」。
("How to Deal with North Korea," Doug Bandow, The National Interest, 3/11/2014)

 安倍首相が主導する対北朝鮮接近は、米朝関係が袋小路にはまっている真っ只中で起こったものと言える。米国の東アジア問題専門家が特に注目しているのは、今回発表された日朝合意文書の冒頭に書かれた、以下の文言だ。「双方は、日朝平壌宣言にのっとって、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現するために、真摯に協議を行った」。

 金正恩第1書記が、「拉致問題は解決済み」という金正日時代の基本姿勢を放棄して、拉致問題の解決に文書で合意したからだ。それを踏まえて日朝国交正常化を念頭に動き出した。同様の変化が米朝関係にも出てくる可能性がある。

 米主要シンクタンクの上級研究員の一人は、匿名を条件に、筆者に対して次のようにコメントした。「2001年に日朝平壌宣言 に署名した金正日がその後、『解決済み』として以来、拉致問題は動いていない。それを金正恩が再び取り上げるとし、日朝関係が改善に動き出した。この決定が今後、核・ミサイル開発、6カ国協議、そして米朝関係改善につながるものなのかどうか、米国はその成り行きを見守っている。拉致問題を軸とした対北朝鮮との外交交渉で安倍首相がどういった外交手腕を発揮するか、見物だ」。

 そのためにも、米国はありとあらゆるチャンネルを通じて日朝合意に至った北朝鮮の考えを知りたがっている。岸田文雄外相は6月4日、ケネディ駐日大使に対して合意内容について説明した。さらに日朝交渉の直接の責任者、伊原純一アジア大洋州局長が急遽訪米し、日本政府の今後の対応策、一部制裁解除に伴う影響などに関する分析を米側に説明した。

 これを受けて、米国政府は、対北朝鮮に対する新たな対応策、オプションの検討に入る。日朝合意で動き出したのは拉致問題だけではない。より大きなスペクトルでの米朝関係も動き出している。

このコラムについて
アメリカ現代政治研究所

米国の力が相対的に低下している。
2013年9月には、化学兵器を使用したシリアに対する軍事介入の方針を転換。
オバマ大統領は「米国は世界の警察官ではない」と自ら語るようになった 。
2013年10月には、APECへの出席を見送らざるを得なくなった 。
こうした事態を招いた背景には、財政赤字の拡大、財政赤字を巡る与野党間の攻防がある。

米国のこうした変化は、日本にとって重要な影響を及ぼす。
尖閣諸島や歴史認識を巡って対中関係が悪化している。
日本にとって、米国の後ろ盾は欠かせない。

現在は、これまでに増して米国政治の動向を注視する必要がある。
米国に拠点を置いて20年のベテラン・ジャーナリスト、高濱賛氏が米国政治の最新の動きを追う。


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