01. 2014年6月05日 13:40:36
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(朝鮮日報日本語版) 統一地方選:有権者は与野双方にイエローカード 朝鮮日報日本語版 6月5日(木)10時40分配信 「旅客船『セウォル号』沈没事故審判論」と「朴槿恵(パク・クンヘ)大統領救済」が対決した6月4日の統一地方選挙で、国民はどこか一つの党を支持するのではなく、絶妙なバランス能力を見せた。そして無能な政府と無気力な与党、勝たなければならない選挙で勝てなかった野党の双方に対しイエローカードを突き付けた。こうした結論を下すまで、国民の心情は何度も揺らいだ。 ■「セウォル号審判論」と「朴槿恵救済」が選挙で対立 4月16日のセウォル号沈没事故発生前、統一地方選挙は与党側に有利な流れだった。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の支持率は60%台と安定し、野党は基礎自治体(市町村)選挙非公認撤回以降、右往左往していた。 しかし、セウォル号の惨事で全てが急変した。事故収拾の過程で政府のずさんな対応や無能力ぶりが明らかになり、国民は大きく動揺した。事故後に実施された世論調査で、与党の市長・道知事候補者の支持率は急落した。与野党の選挙関連スケジュールは全面的に中断され、党内の候補者を絞るための予備選の選挙日も次々と先送りされた。投票日が近づくと、野党は「セウォル号審判論」を選挙運動の前面に押し出し、与党を批判することで野党が支持を得ようという意図が見えた。与党にとってこれ以上ないという悪材料と、それに激怒する国民の心情を考えれば、与党の選挙惨敗は間違いなしと思われた。 だが、国民は再び揺れ動いた。朴大統領の「涙の談話」と国家改造の約束があったからだ。朴大統領は人事刷新のため元大法院(最高裁)判事の安大煕(アン・デヒ)氏を新首相候補に指名したが、判事退官後も多額の報酬を得ていたことが判明、辞退するという事態に至った。 与党の危機感はこれ以上ないほど膨らんだ。それを受けてセウォル号事故で様子を見ていた保守層が結集する可能性もあるとの見方が目立つようになった。セヌリ党は「朴槿恵マーケティング」を選挙戦で前面に押し出した。各地の遊説で「朴大統領を助けてほしい」「大統領の涙を拭ってほしい」と泣き落としが続いた。結局、終盤になると今回の選挙の性格は「朴大統領に対する評価」と規定されるようになり、与野党は国民の審判の場に立った。 ■与野党双方に強く警告 しかし、国民はどちらの肩も持たなかった。政府与党には厳しい審判を下したが、かといって野党に票を与えることもなかった。京畿道・仁川などの首都圏をはじめ、江原道・忠清道などで与野党候補の接戦が繰り広げられたのは、冷静な国民の心情の表れだった。 明知大学のキム・ヒョンジュン教授は「国民は朴大統領に責任を問いながらも、チャンスをもう一度与えたとみるべきだ。野党にも『(与党批判で野党が支持される)反射利益だけ得ようとするなら、今後厳しい審判を下すという警告を与えた」と述べた。今回の選挙は朴槿恵政権2年目に実施されたということで、中間選挙的な意味合いも持っている。このため、選挙結果は朴大統領の今後の国政運営において方向性を決定付ける「転換点」になるものとみられる。しかし、セウォル号事故という荒波の中、今回の選挙結果はある程度、与野党のバランスが取れており、国民が朴大統領の国政運営にいくらかの裁量権を与えたとの声がある。 調査会社「リサーチ・アンド・リサーチ」のペ・ジョンチャン本部長は「2012年の大統領選挙で朴大統領に入れた保守票が、1年6カ月ぶりの今回の地方選挙でそっぽを向くのは難しかったのだろう」「朴大統領が提示した国家改造という課題は、与党が選挙に負ければ埋もれてしまうかもしれないという懸念も働いたようだ」述べた。 勝つしかない選挙で圧倒的な勝利を収められなかった野党指導部に対し、党内外から批判が巻き起こる可能性もある。政治評論家のパク・サンホン氏は「今回の選挙は野党が圧倒的に勝つとしか考えられない状況だった。ところが、結果的に『引き分け』となり、野党のリーダーシップのなさを露呈した」と述べた。もちろん今回の選挙結果は、「朴槿恵マーケティング」頼りという無気力さを見せた与党に対する強い警告も含まれている。「今回の選挙は与野党共に問題点を露呈し、審判を受けた」と関係者は口をそろえている。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140605-00001196-chosun-kr |