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2014年06月02日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「完全レイム・ダック」朴槿恵大統領(2013年2月25日就任、任期1期5年)が、6月4日投票の韓国統一地方選で与党・セヌリ党が大惨敗して、任期5年のうち残り3年7か月もの間、何もできなくなるのではないかと憂慮されている。
朴槿恵大統領は「セウォル号」沈没事件で支持率が急降下したことから、沈没事件の責任を鄭烘原(チョン・ホンウォン)首相(4月27日、辞意表明)に押し付けて、スケープゴートにし、そのうえで、最高裁(大法院)元裁判官の安大煕(アンデヒ)弁護士(59)を新首相候補に指名したところ、安大煕弁護士が5月28日、候補辞退を表明したため失敗。元裁判官の経歴を利用し弁護士として不透明な収入を得ていた疑惑が発覚したためだ。こんなことでは、支持率回復どころの話ではない。朴槿恵大統領にとっては、文字通り「弱り目に祟り目」である。
◆それにしても、朴槿恵大統領は、何とも姑息にも卑劣な手段に打って出た。5月22日午後6時過ぎ、韓国軍の哨戒艦を延坪島付近の海の軍事境界線から超えさせて、北朝鮮軍艦艇に向けて、砲弾5発を撃たせた。北朝鮮軍艦艇は、砲弾2発を撃ちかえして応戦した。
ところが、韓国国防省は、真逆の発表をした。産経新聞msn産経ニュースは5月22日午後8時51分、「北朝鮮が韓国軍艦付近に砲撃 韓国軍も反撃」という見出しをつけて、次のように配信した。
「北朝鮮は22日夕方、韓国との海の軍事境界線を越えて、韓国側の海域に砲撃を行った。砲弾は近くを航行していた韓国軍の艦船近くに落ち、韓国側も対抗砲撃を行った。韓国軍の関係者によると、午後6時過ぎ、海の軍事境界線に近い韓国の延坪島付近を航行していた韓国軍の哨戒艦から約150メートルの地点に北朝鮮軍の砲弾2発が落ちた。韓国軍もこれに対抗し、北朝鮮軍の艦艇近くに砲弾5発を撃ち返した。韓国側に被害はなかった。韓国軍は20日、北朝鮮の艦艇が韓国側の海域を侵犯したとして警告射撃を実施。北朝鮮は反発し『韓国軍の艦艇は攻撃対象になる』と宣言していた」
朴槿恵大統領は、韓国軍哨戒艦から手を出させて、「あわや戦争寸前」を演出して、韓国民の意識を「セウォル号」沈没事件から逸らそうとしたのである。だが、北朝鮮軍艦艇の方が慎重だった。反撃の砲弾2発は、韓国軍哨戒艦から離れた海に落とし、「その手」に乗らなかったのである。このため、朴槿恵大統領の挑発は、不発に終わり、「女の浅はかさ」のみが残った。
◆そればかりでなく、安倍晋三首相と北朝鮮の金正恩第1書記=元帥(背後に女帝)が、拉致解決から日朝国交正常化・国交樹立に向けて、電撃的に動き始めていたことに気づかなかった。安倍晋三首相は5月29日午後6時26分、日本人拉致被害者を再調査することで北朝鮮と合意したと発表した。「反日姿勢」を崩さない朴槿恵大統領を尻目に、安倍晋三首相は、韓国を事実上無視して、金正恩第1書記=元帥北朝鮮との関係を築き、早々に訪朝するつもりであるという。
【参考引用】産経新聞msn産経ニュースが5月31日午前0時55分、「韓国統一地方選、与党苦戦続く 沈没事故の批判響く」という見出しで、以下のように配信した。
「6月4日投票の韓国統一地方選前の最後の世論調査が出そろった。与党候補が安泰と見られていた選挙区で軒並み苦戦しており、旅客船セウォル号の沈没事故に対する政府批判が大きく響いている。朴槿恵(パククネ)政権の今後の運営にも影響しかねず、与党は巻き返しに必死だ。30日までに世論調査の結果が相次いで公表された。ソウル市長選は与党・セヌリ党の鄭夢準(チョンモンジュン)候補が最大野党・新政治民主連合の現職、朴元淳(パクウォンスン)氏に10ポイント以上の差をつけられている。鄭氏は国会議員7選の重鎮。次男がセウォル号の乗客の家族を侮辱するような書き込みをフェイスブックにしたことも響いているとみられる。与党側が最も神経をとがらせているのが釜山市長選だ。釜山は伝統的に保守が強く、候補者は朴大統領の側近で与党の大物だが、無所属候補にリードを許す。首都圏の京畿道知事選でも安全圏と見られていた与党候補が野党候補と競り合い、仁川市長選でも、野党の現職がリードしている。(ソウル=貝瀬秋彦)」
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