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米国やアジア諸国、対中批判で足並みそろえる―アジア安全保障会議
ウォール・ストリート・ジャーナル
【シンガポール】当地で開催されているアジア安全保障会議(シャングリラ対話)では、アジア諸国や米国の軍関係者から中国への批判が相次いだ。領有権問題をめぐる中国の強硬姿勢が緊張を煽っているとの見方で各国が足並みをそろえる形となった。
しかし、中国政府関係者は米国などの批判にすぐさま反論。会議に出席した安全保障の専門家の間からは、批判だけでは中国の進路は変えられないとの指摘も聞かれた。
米国のヘーゲル米国防長官は演説の中で、中国が南シナ海で「不安定化を招く、一方的な行動」を取っていると批判。中国がベトナムと領有権を争っている海域に石油掘削施設を設置したことについても、法の支配を損ねているとの認識を示した。
ヘーゲル長官の講演後、米太平洋軍のサミュエル・J・ロックリア司令官はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、領有権をめぐる衝突が今後さらに頻繁に起きる可能性があるとの見通しを示した上で、中国は紛争への対処を変える必要があると述べた。
ロックリア司令官は中国の指導部が「どのように(アジア太平洋)地域を支援するのか、地域がこうした問題をどのように乗り越えていくのかを判断しなければならない」と指摘。さらに、現在の中国の対応は「地域にとって生産的ではない」との見方を示した。
オーストラリアのジョンストン国防相は、南シナ海での最近の動きが「地域の緊張を高めている」として、「深刻な懸念」を共有すると述べた。しかし、中国を名指しすることはなかった。
一方、中国がベトナムと領有権を争う海域で石油掘削を行っていることについて、ベトナムのフン・クアン・タイン国防相は中国の行動は国際法違反と厳しく非難した。
タイン国防相はベトナムが「最大限に自制している」と述べ、主張の相違を解決するために中国政府と「ハイレベル」協議の開催を求めていることを明らかにした。また、平和的な対話で成果が出ない場合は、中国に対して国際的な場で法的措置を取る可能性があるとの考えを示した。
中国は最高レベルの軍関係者を会議に派遣していない。しかし、中国人民解放軍の将校ら会議に参加した中国政府関係者は批判に対して批判で応じた。
中国国防大学教授の朱成虎少将はWSJに対し、中国が不安定化を招く行動を取っているとの主張は「事実無根」であり、「米国は今、(中国への対応で)非常に重大な戦略的な過ちを犯している」と反論。
また、朱少将はヘーゲル長官が「中国がすることは何でも違法で、米国がすることは何でも正しい」と考えていると指摘、アジア太平洋地域の安全保障情勢を評価する上で偽善に陥っていると非難した。
朱少将は、米国が中国との協力を望んでいるとか、米国の同盟国が関わる領有権問題で米国が中立を貫くというのを信じるほど「中国人はばかではない」と指摘。「中国を敵と見なせば、中国は確実に米国の敵になるだろう」と警告した。
ヘーゲル長官の演説のあとに行われた質疑応答で、人民解放軍の姚雲竹少将は領有権問題をめぐる米国の立場について質問。米国は尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象と認めているにもかかわらず、領有権問題についてはどちらか一方を支持することはないというのはあり得るのかと詰め寄った。
姚少将は領有権問題が各国との安全保障条約の適用対象となるとする米国の主張について、「軍事的圧力や強制、脅し」に当たると批判した。
これに対し、ヘーゲル長官は姚少将の主張を否定、中国は武力という間違った方法で紛争を解決しようとしていると指摘した。
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