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北のパワーエリートが住むマンションも崩壊の恐れ[朝鮮日報]
金正恩第1書記が「速度戦」を指示
2012年に完成、すでに10センチ陥没
分譲価格10万ドル、住民らは自宅を売却し引っ越し準備
今月初めに北朝鮮の首都・平壌で23階建ての高層マンションが崩壊したことを受け、現地ではマンションはもちろん、それ以外の建物でも手抜き工事の痕跡が各所で表面化し、平壌市民の間に「手抜き恐怖症」が広まっていることが分かった。とりわけ北朝鮮の最高エリートたちが住む平壌市内の万寿台地区にあるマンション周辺でも、手抜き工事が原因とみられる崩壊の危険性が高まっているとの指摘が出始めており、影響はさらに拡大しそうだ。
北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋は27日「平壌市中心部の万寿台地区にあるマンションが10センチほど陥没しており、外壁には多くのひびが入っている。住民たちも不安におびえているという話が聞こえてくる」「マンションの住民らは『いつ崩壊するか分からない』として、先を争ってマンションを売却し、他の地域への引っ越しを準備している」などと伝えた。
万寿台地区のマンションは、北朝鮮の国会議事堂に当たる万寿台議事堂から直線距離で620メートル、平壌のシンボルとされる故・金日成(キム・イルソン)主席と故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の銅像から1.1キロ離れた万寿台の高台にあり、北朝鮮の政府高官らが主に居住しているという。上記の消息筋は「先日崩壊したアンサン1洞のマンションは中間幹部が主に住んでいるが、万寿台地区のマンションは平壌市内の中心部に位置し、また大同江の川沿いでもあるため、朝鮮労働党や政府、朝鮮人民軍の幹部らが住んでいる」「2012年9月に完成した時の分譲価格は10万ドル(現在のレートで約1000万円)を上回っていた」と説明した。
このマンションは金日成主席の100回目の誕生日(2012年4月)に合わせて建設された。当時、金正恩氏は数回にわたり現場を直接視察して「速度戦」つまり短期間で完成させるよう指示し、その後労働新聞には「87日で45階建てマンションの骨組みを完成した」などと大きく報じられていた。上記の消息筋は「万寿台地区のマンション団地では、工事の段階から一部の建物が傾き、『ピサの斜塔』のように見えた」「これを隠すため建物の周りにシートを張り、補修工事が行われることもあった」などと述べた。鉄筋の太さや壁の厚さもバラバラで、すでに崩壊の恐れが高まっているという。
また昨年8月に完成した平壌市内の銀河科学者通りのマンションでも、手抜き工事の影響で上下水道が詰まり、タイルが剥がれるなどの問題が相次いでおり、現在検査が行われているという。また平壌市内の富裕層らがよく利用する「ヘダン会館」でも建物内部の壁の一部が破損し、鉄筋が露出している状態のようだ。
別の平壌市内の消息筋は「ヘダン会館を建設した技術者たちは『工事が冬に行われたため、コンクリート下地が十分に乾燥せず、建物全体が崩壊する恐れがある』などと語り合っている」と明らかにした。金正恩氏は今年の初めに「建設の大繁栄期が始まった」と宣言しており、また今回のマンション崩壊事故直後も金策工業大学関係者用のマンション建設現場を視察し、大規模建設工事を引き続き行う考えを示している。
韓国のある国立シンクタンクの関係者は「金正恩氏は世襲で権力を握った後、よく『建設』だとか『速度戦』などと強調している」と前置きした上で「自らの若さと経験不足を補うため、短期間で何か目に付く成果を示そうとしているようだが、そのほとんどが手抜き工事となっている」と指摘した。
黄大振(ファン・デジン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/05/28/2014052801155.html
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