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「軍クーデター認めぬ」 タイ、出頭拒否の前閣僚連行[日経新聞]
2014/5/27 23:31
【バンコク=高橋徹】軍事クーデターが起きたタイでチャトロン前教育相(58)が27日、記者会見した直後、乗り込んできた兵士に連行された。前教育相はタイで全権を握った「国家平和秩序評議会(NCPO)」による出頭命令を拒んでいた。
「分かった。君たちと一緒に行く。記者諸君が写真を撮れるよう、ゆっくり歩いてくれ」
27日午後3時半(日本時間同5時半)すぎ。バンコク中心部の17階建てビルの最上階にあるタイ外国特派員協会に迷彩服を着た兵士6人が現れると、チャトロン氏は予想していたように応じ、笑みを浮かべて車に乗り込んだ。
チャトロン氏は、インラック前首相の兄であるタクシン元首相派の重要人物。タクシン政権で副首相を務め、反タクシン派からも一目置かれる存在だった。
連行される直前の記者会見では「タイ社会がどんな深刻な問題に直面していても、クーデターは解決策ではない」と軍を強く批判していた。
22日にタクシン派の政権を転覆させ、タイの全権を握ったNCPO。プラユット議長(陸軍司令官)はインラック氏ら閣僚に出頭を命じ、一時身柄を拘束した。大半が応じたが、チャトロン氏はジャルポン前内相とともに出頭を拒んだ。
「私は教師に報告する生徒ではない。私は閣僚で、プラユット氏はただの陸軍司令官だ」。クーデターは違法だと訴えるチャトロン氏は、出頭拒否の理由をこう説明。「身の安全を考えるなら、隠れて国外脱出すればよかった。だが私に落ち度はない。どうやって国家に尽くすかを考え、ここにやってきた」と会見に臨んだ心境を明かした。
クーデターについて同氏は「(国内対立という)問題を一層深刻にし、事態収拾に失敗すれば、暴力行為とより大きな損失を招く」と非難。国民の大半は選挙と民主主義を支持しているとして「(前回のクーデターが起きた)2006年とは状況が違う」と語った。
タクシン派はクーデターに猛反発し、軍は治安維持に神経をとがらせている。チャトロン氏は「軍が反対派を締め付ければ、彼らは地下に潜って戦い、事態が悪化するだけ」と警告。NCPOが進めるとする今後の改革プロセスに反対派も参加させるべきだと強調した。
タクシン氏が国外で亡命政権の樹立を計画しているとの情報については「知らない」と話した。
クーデターの呼び水となった昨秋以降の大規模な反政府デモは、チャトロン氏も所属する与党・タイ貢献党が元首相の帰国を狙って強行採決した「恩赦法案」がきっかけだった。同氏は「(元首相ら)政治指導者の追加には反対だった」と釈明し「タイ貢献党の戦略ミスだった」と認めた。
チャトロン氏は07年にタクシン派政党が解党処分を受けた際、5年間の公民権停止処分を受けた。12年5月に政治活動が解禁されると、インラック前政権に教育相として入閣していた。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2702X_X20C14A5FF2000/?n_cid=TPRN0005
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