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インド政権交代、外資規制緩和など期待高まる[日経新聞]
2014/5/17 0:24
【ニューデリー=岩城聡】インドで10年ぶりに政権交代が実現する。西部グジャラート州首相として、同州の経済再生で実績を上げたインド人民党(BJP)のナレンドラ・モディ氏が近く新首相に就任。12億の人口を抱え「アジアの巨象」と呼ばれるインドの経済改革に取り組む。市場では外資規制緩和などに期待が高まるが、高成長への回帰には課題も多い。
16日、総選挙の開票が進むとインドの金融市場は株高、通貨高、債券高のトリプル高となった。BJPの地滑り的大勝の見通しが伝わり、モディ新首相による経済改革への期待が強まった。
代表的な株価指数SENSEXは一時、前日比6%上昇。通貨ルピーにも買いが集まり、ロイター通信によると、インド中央銀行はドル買い・ルピー売りの為替介入でルピー高を抑えた。
市場が政権交代を好感するのは、新興国の雄であるインドの成長鈍化に今のシン政権が有効な手立てを打ち出せないでいたためだ。
2004年から続いた国民会議派政権で、インド経済は一時9%台の高成長を記録した。だがインフラ整備の遅れなどから成長は鈍化。12年度は4.5%成長に落ち込み、13年度見通しも4.9%成長にとどまっていた。都市部での大卒者の失業率は26%、農村部では36%にも上る。
「世界的な競争を踏まえ、製造業を育成する」――。BJPで次期首相候補に決まった後、日本経済新聞の取材に応じたモディ氏はハイテクや医療分野に外資を導入し、経済を再生すると強調した。外国企業が注目するのはモディ氏のグジャラート州での実績だ。
インド全域で停電が相次ぐなか、電力供給網を整備。米ゼネラル・モーターズ(GM)、米フォード・モーター、マルチ・スズキなど自動車大手を相次ぎ誘致し、地域の雇用創出につなげた。
「モディノミクス」とも呼ばれるモディ氏の経済政策。期待が大きいのは外資規制の緩和だ。インドは昨年、通信分野で外資による出資上限を74%から100%に引き上げた。電子機器の国内生産を推進しており、韓国サムスン電子などが関心を寄せる。成長が見込まれる保険分野でも外資の出資上限(49%)引き上げがささやかれる。
パナソニックは今年4月から副社長をインドに駐在させ、新興国事業の旗振り役を担
わせている。自動車では現地シェア首位のスズキを筆頭に、日本メーカーでインドの乗用車市場の5割強を占める。足元では停滞感のある同国市場だが、政権交代を機に経済が活性化すれば日本勢に恩恵が広がる可能性がある。
課題は煩雑な税制や規制、不透明な取引慣行の見直しだ。最近では第一三共やNTTドコモが実質的にインド事業からの撤退方針を決めた。モディ氏が国政レベルでビジネス重視の政策を展開できるかは未知数だ。
外交面では対米関係の改善が急務だ。米国はモディ氏がヒンズー・イスラム両教徒の衝突を放置したとして、同氏へのビザ(査証)の発給を拒否している。対中国では選挙期間中、モディ氏は「領土拡張主義的な政策をやめるべきだ」と中国を厳しく批判した。新政権が強硬姿勢を取れば、中印関係は不安定になるおそれもある。
日本の外交筋は「日印関係は心配していない」と指摘。すでにモディ氏の初の外遊先を日本にするように働きかけを始めた。原子力協定交渉や海上自衛隊の救難飛行艇「US―2」の輸出に向け、政府間協議の進展に期待が集まる。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC1600C_W4A510C1EA2000/?dg=1
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