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日韓関係の改善、時の流れに任せるべき=米専門家
By JONATHAN CHENG 2014年4月14日 ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303433504579501140831552898?tesla=y
新藤義孝総務相が12日に靖国神社を参拝した。16日には旧日本軍の従軍慰安婦問題を話し合うため、日韓両国の局長級協議がソウルで開催される。
オバマ米大統領の訪問を控え、米国にとってアジア太平洋地域で最も親密な友好国である日韓両国の緊張緩和を図る最善策はあるだろうか。
ワシントンにあるジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)エドウィン・ライシャワー東アジア研究センターのケント・カルダー所長は、単純に時の流れに任せればいいと話す。
カルダー氏は14日に立ち寄ったソウルで、現在の日韓両国の手詰まり感は悪いように感じるものの、過去にはもっと悪い状況もあったと指摘。歴史を鑑みれば、関係は再び改善する可能性が高いと述べた。
カルダー氏は「向こう2年の間に、関係は悪化の一途をたどるというより、どんどん改善されていくだろう」との見通しを示した。カルダー氏はプリンストン大学で長年、教授を務めているほか、ソウル大学で教えたこともある日本に詳しい専門家だ。
向こう2年で何が変わるのだろうか。まず五輪がある、とカルダー氏は言う。2018年の冬季五輪は韓国の平昌(ピョンチャン)で開催される。その2年後に夏季五輪を控えた日本ではその準備が本格化している頃だ。
カルダー氏は「楽観的な見方だと分かっている」と言う(ロシアのソチ冬季五輪が今年、ウクライナで緊張が高まっている最中に開催されたことには言及しなかった)が、彼の論旨は、現在の緊張の原因――歴史認識や領有権をめぐる問題――は日韓両国の間に長年くすぶっている問題と何ら変わりがないということだ。
歴史の教科書問題をめぐる議論は長年、一進一退を繰り返してきた。そして1995年11月には、地域的な緊張が最も悪化した。中国の江沢民国家主席と韓国の金泳三(キム・ヨンサム)大統領(いずれも当時)がともに第2次世界大戦中の日本の行為を非難したためだ。
仮に以前よりも状況が悪化していると感じるなら、それはインターネットが日韓両国の政治中枢の周辺にいる政治家たちの言動を増幅させ、非主流の少数意見が目立ってしまうためだとカルダー氏は指摘する。
だが、それもやがて過ぎ去っていくという。カルダー氏は「日韓関係は周期的に繰り返している。何度もぐるぐる回っている」と述べた。
ただ、カルダー氏は楽観的になりすぎないよう慎重だ。米国は日韓両国を同じテーブルにつかせ続ける必要がある。先月、オランダのハーグで安倍晋三首相と韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が、オバマ大統領を交えた日米韓の首脳会談で顔をそろえたようにだ。
さらに、日韓両国の関係は改善される前に悪化することもあり得る、とカルダー氏は言う。日本の政府高官による靖国神社の参拝がさらに続くとみられることや、日韓が領有権を主張するリアンクール岩礁(日本名:竹島、韓国名:独島)を朴大統領が訪問する可能性もあるからだ。
カルダー氏は「関係を悪化させかねない、たくさんの要素が日韓両国にある」と述べた。
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