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日韓関係改善に向けて米国が強力な布陣
ピーター・エニス :東洋経済特約記者(在ニューヨーク) 2014年05月08日
http://toyokeizai.net/articles/-/37149
5月1日、オバマ米大統領は次期駐韓米大使に側近中の側近であるマーク・リッパート氏(41歳)を指名した。この人事は米政府が安倍晋三首相に対して日韓首脳会談を促すための圧力をかける狙いがあるとみられている。
同氏は現在、チャック・ヘーゲル国防長官の首席補佐官を務めているが、オバマ上院議員が大統領候補として出馬する以前の2005年から外交政策顧問としてオバマ氏に仕えている。スタンフォード大学卒業後、北京大学に留学。米民主党のベテラン外交政策顧問としてオバマ上院議員と個人的に急接近。オバマ大統領は同氏をしばしば“兄弟”と紹介している。
● ライス補佐官と大学院の同期
オバマ大統領との個人的な関係に加えて、スーザン・ライス補佐官(国家安全保障担当)とはスタンフォード大学院の同期卒だ。そのライス氏はクリントン政権時代に要職にあって、オバマ氏の大統領選出馬時には外交政策の専門家として選挙戦に参画した。リッパート氏とはその選挙戦中に協力し合った仲だ。
この人事に対し、日本や中国に比べ、韓国を軽視しているのではないかと見る向きもある。駐日大使には有名なケネディ家からキャロライン・ケネディ氏、駐北京大使には老練な上院議員のマックス・ボーガス氏が選ばれたが、それに比べてリッパート氏は一般に名が通っていないからだ。
しかし、それは誤解だ。リッパート氏は大統領と個人的な関係が深く、国家安全保障会議(NSC)や国防総省の内情に精通している。今後の東アジアをめぐる米国の外交政策に影響力を与える存在であり続ける人物だ。
同氏はヘーゲル国防長官の首席補佐官として長官が携わるすべての問題に関わってきたが、とくに米韓関係については、朝鮮半島危機に際しての新しい米韓共同作戦の立案などに携わってきた。韓国駐在の米軍司令官のカーティス・M・スカッパロティ将軍とも緊密だ。また、大統領府と国防総省との連携にも重要な役割を担っている。ヘーゲル長官の右腕になる前には国防総省のアジア太平洋安全保障問題担当次官補を務めていたこともある。
さらに、オバマ氏の外交政策ブレーンとしてイラク問題にも関与している。2008年7月、当時、大統領候補だったオバマ氏はヘーゲル氏(当時は上院議員)とともにイラクを訪問したが、リッパート氏も同行した。その時、彼は米海軍特殊部隊(SEAL)の情報将校として1年間務め上げた直後だった。イラクには2007年と2008年の数カ月駐在している。
オバマ氏が大統領選に勝利した2008年にリッパート氏は政権交代期の外交政策チームの副部長を務めたあとNSCの首席補佐官となった。その1年後に米海軍特殊部隊に戻った。NSCの後任には親友のデニス・マクドノーが任命され、現在もそのまま首席補佐官を務めている。
● 期待される異例の役割
在外米大使が政府の外交政策に影響力を行使するのは異例だが、リッパート氏にはその異例な役割が期待されている。オバマ大統領は韓国の朴槿恵大統領と良好な関係にある。彼の親友を駐韓米大使に任命することによって両首脳関係をさらに強化し、同時に日本に対しては、慰安婦問題などの解決に努力するよう圧力をかけるシグナルにもなる。
米政府はこれまで日韓関係の緊張に神経をとがらせてきた。その緊張は北東アジア地域の安全保障に有害であり、北朝鮮に対抗するための米日韓3カ国の協力関係を損なうからだ。いずれにしろ、リッパート氏が北朝鮮問題への対応や日韓関係改善に向けたキーパーソンになることは間違いない。
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韓国政府「強力な次期米国大使」 リッパート氏に期待
2014/05/02 綜合ニュース
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2014/05/02/0900000000AJP20140502001600882.HTML
【ソウル聯合ニュース】韓国政府はリッパート米国防長官首席補佐官の次期駐韓大使内定について、韓米同盟をより一層強化するきっかけになるとして歓迎する雰囲気だ。
韓国政府内ではオバマ大統領の上院議員時代に外交安保担当補佐官を務めたリッパート氏が、オバマ氏の最側近であるという点に注目している。
韓国政府筋は2日、「リッパート氏は必要であれば、大統領に直接電話をかけられる人物だという評価が多い」と述べた。また、北東アジア情勢が緊迫する中、リッパート氏は韓米間で積極的な役割を果たせる人物だと期待を示した。
米政府はこれまで副次官補級の人物を駐韓大使に起用してきた。今回、次官補を務めたリッパート氏の内定が決まったことで以前よりも高位の人物が指名されたことを評価する声も聞かれる。
リッパート氏は韓米同盟に対する理解が深く、韓国政府内では同盟発展に寄与したいとする意志が強いのではないかという見解も出ている。
国防長官首席補佐官であるリッパート氏は、朴槿恵(パク・クネ)政権で外交安保を担当する高官らが訪米するたびに面会を重ねているという。先月のオバマ大統領来韓にも大きく貢献したとされる。
リッパート氏と面会したことがある韓国政府関係者は「韓国に関する問題を正確かつ具体的に把握しており、韓国への愛情も深いのが印象的だった」と話した。
一方、オバマ政権のアジア重視政策を支える立場から駐韓大使として韓米日の3カ国協調にのみ集中する場合、日本との間で歴史認識問題を抱える韓国との協力に問題が生じる可能性もある。
リッパート氏は今年41歳。年齢が若いという点が韓国国民の感覚に合わないのではないかという指摘もある。
これについて韓国政府関係者は「年齢を問題にするのは韓国的な観点。この10〜20年で最も強力な次期米国大使ではないかと思う」と話した。
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