【5月8日 AFP】ベトナム政府は7日、南シナ海（South China Sea）の係争海域で、中国の海底油田掘削装置を護衛する複数の中国船がベトナムの巡視船に放水砲での攻撃や意図的な衝突を繰り返し、6人が負傷したと発表した。

 中国当局は先週、中国とベトナムが領有権を争う南シナ海の西沙諸島（英語名：パラセル諸島、Paracel Islands）近海で石油掘削活動を行うとして、掘削装置の移動と航行警告を一方的に通告した。ベトナムは、中国側の決定は「違法」だと反発。掘削装置の撤去を要求するとともに現場海域に船舶を派遣し、両国間で緊張が高まっている。

 ベトナム海上警察の7日の発表によると、中国が3日に掘削を宣言して以降、中国船によるベトナム巡視船への体当たりは少なくとも3回行われた。また、中国機がベトナム巡視船の上空を飛行して威嚇してきたり、放水砲で積極的に攻撃してきたりしたという。

 一連の攻撃で、ベトナム巡視船の乗組員6人が割れたガラスにより負傷したという。ベトナム当局は、中国船に体当たりされた際の状況を撮影したとされる映像も公開した。

 西沙諸島は中国が実効支配しており、中国外務省は「掘削活動は中国の領海内で行われている」と主張。ベトナムの方が中国の主権を侵害していると非難している。

 南シナ海には膨大な石油と天然ガスが眠っているとされる。中国がほぼ全海域の主権を主張している一方、ベトナムのほか台湾、ブルネイ、マレーシア、フィリピンも一部海域について領有権を主張している。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3014365

［北京　８日　ロイター］ - 中国の程国平外務次官は８日、同国とベトナムの船舶が南シナ海で「衝突」したとするベトナム側の見解を否定した。また、双方は領有権をめぐる対立を平和的に解決できるとの見方を示した。

ベトナムは７日、中国の船舶がベトナム船２隻に意図的に衝突してきたと発表。衝突は中国が石油掘削を行っている海域で発生したとした。

◓http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DO0DR20140508?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29

http://www.47news.jp/47topics/e/253242.php

　【北京、ネピドー共同＝渡辺陽介、三宅和久】中国が南シナ海の西沙（英語名パラセル）諸島近くで行っている石油掘削作業をめぐり、現場海域に展開している中国船とベトナム艦船の衝突が２日から７日にかけて複数回発生した。ベトナム外務省や沿岸警備隊などが７日、記者会見で発表した。 　ベトナム側はいずれも中国船が意図的に体当たりし、放水もしたと主張。漁業監視船８隻が損傷を受けたほか、乗組員６人が負傷したという。死者はでていない。

　南シナ海をめぐる両国の紛争では、過去数年間で最も深刻。事態がさらにエスカレートする懸念が高まっている。

　ベトナムは中国側の掘削を阻止しようと沿岸警備隊の艦船などを現場海域に派遣。ベトナム側によると、中国は掘削設備を守るため、軍艦７隻を含む約８０隻の船や数十機の航空機を展開しているという。

　ベトナム側は平和的方法で解決を図ると強調。ただ、中国側が体当たりをやめない場合、報復もあり得るとしている。

　中国外務省の 華春瑩 （か・しゅんえい） 副報道局長は７日の記者会見で、衝突発生の確認は避けながらも「ベトナムは中国企業の正常な作業を邪魔している」と批判した。

　中国は今月２日に大規模な掘削設備を現場海域に搬入。これに対し、ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相が６日、中国の 楊潔〓（竹カンムリに后の一口が虎） （よう・けつち） 国務委員（副首相級）に「ベトナムの主権や管轄権を侵害している」と抗議、設備などの撤去を要求していた。

　米国務省も同日、「挑発的で地域の平和と安定を保つ上で役に立たない」と中国の掘削活動を批判した。

　西沙諸島は中国とベトナムが領有権を争うが、１９７４年に中国が当時の南ベトナムと交戦して以降、全域を実効支配している。

　【解説】背景に習指導部の強硬姿勢　「海洋強国」目指す中国

　【北京共同＝渡辺陽介】中国とベトナムの艦船が南シナ海の西沙（英語名パラセル）諸島近くで ７日までに複数回衝突した 背景には、南シナ海や東シナ海の海洋権益をめぐり、中国指導部が強硬姿勢を強めていることがある。

　 習近平 （しゅう・きんぺい） 国家主席はスローガンに掲げる「中国の夢」に向け「海洋強国」建設を柱の一つに据えた。昨年１１月の東シナ海上空の防空識別圏設定や、ことし１月、南シナ海南端のジェームズ礁（中国名・曽母暗礁）で中国海軍の艦艇などが「主権宣誓活動」と呼ばれる事実上の示威行動をしたのもこうした戦略の一環だ。

　これに対し、中国と領土紛争を抱える周辺国は警戒を高め、特にフィリピンのアキノ大統領は中国の強圧的な姿勢を第２次大戦時のナチス・ドイツに例えて非難したこともあった。

　中国と「新たな形の大国関係」をうたう米国も、領土問題では対中批判を隠さない。４月の日米首脳の共同声明は、米国による沖縄県・尖閣諸島の防衛義務を明記。フィリピンとは米軍派遣拡大を図る新軍事協定に署名した。

　一方、習主席は海洋権益の確保も念頭に「戦争に勝つ軍隊」の構築も表明。領土領海防衛のために実力行使を辞さない考えも明確にしている。

　フィリピン当局は６日南沙諸島のハーフムーン礁沖で中国漁船を 拿捕 （だほ） した。一方の強硬姿勢が他方の強硬対応を招いており、南シナ海を「海の火薬庫」とする例えは、現実に近づいている。

　（共同通信）
2014/05/08 10:40

　ベトナム政府は、中国などと領有権を争っている南シナ海で３日と４日、中国の艦船がベトナムの船舶に意図的に衝突してきたと発表、その瞬間とされる映像を公開した。

　ベトナム政府の発表によると、今月３日と４日、ベトナムの沿岸警備隊の艦船が中国が進める石油の採掘作業を阻止しようとしたところ、中国の艦船が体当たりし、放水してきたという。ベトナム政府は７日、沿岸警備隊が撮影した衝突の瞬間とされる映像を公開、６人がケガをしたとして対抗措置をとる可能性を示した。

　これに対し中国外務省の報道官は、衝突への言及を避けながらも、「ベトナムは、中国企業の正常な作業を妨害し、中国の主権を侵害している」と非難している。