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4月27日、台北の総統府周辺で行われた反原発パレードには最大野党、民主進歩党の蔡英文前主席(前列右から2人目)も参加した(写真:産経新聞)
「日の丸」原発問題に揺れる台湾
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140503-00000562-san-cn
産経新聞 5月3日(土)20時51分配信
建設中の台湾電力第4原子力発電所をめぐり、台湾社会が揺れている。日本企業が主要部品を供給する“日の丸原発”だが、着工から15年目となる今年も完成していない。建設過程でトラブルが多発したのが原因の一端で、東京電力福島第1原発事故の発生により一般市民にも懸念が広がった。11月の統一地方選や2016年の次期総統選を控え、逆風を避けたい馬英九政権の建設推進の姿勢に変化が生じつつある。(台北 吉村剛史、写真も)
「失礼ですが、東電福島第1原発に比べて津波防波堤をはじめ、より手厚い7つの防災施設が設計されています」
4月26日、台湾北部・新北市貢寮の第4原発建設地。台電は有馬朗人元東京大総長や細田博之自民党幹事長代行など、日本から迎えた識者や国会議員計16人を前に安全性を強調した。
西に約40キロ離れた台北市内ではこの日、反原発の市民団体が総統府前で抗議の座り込みを行った。翌27日には約3万人(警察発表)規模の反原発デモがあり、原発の即時建設中止を求める最大野党、民主進歩党の蔡英文前主席らも参加した。民放テレビの世論調査では約6割の市民が建設に反対しているという。
地下資源に乏しい台湾はエネルギーの9割以上を輸入に頼っている。しかし、民進党の広報担当者は「台湾は面積が小さく地震も多い。第4原発の半径30キロの人口は600万。米露に続いて日本で事故が起きた以上、危険性は明白だ」と指摘し、LED(発光ダイオード)電球の普及推進などで電力不足は回避できると主張する。
一方、第4原発に詳しい輔仁大学の謝牧謙教授は、「原発はすでに完成直前。試運転は行うべきだ。順調に進んでも稼働は16年以降になる」と主張する。
米国企業中心の第1〜3原発とは違い、第4原発では初めて台電が事業主体となった。主要部品は日本が供給したが、細かい部品を担当する日本企業は一本化されず、建屋や配管工事も地元に分割発注された。
謝教授は、モザイクのような寄せ集めになったため建設中にトラブルが多発したと指摘。資金は当初予定の倍近い3千億台湾元(約1兆円)まで膨らんだ。
こうした中、馬英九政権は4月27日、第4原発1号機は安全検査後に作業を全面停止し、2号機は施工を即時停止すると決めた。馬政権は第4原発の商業運転を14〜16年に始め、第1〜3原発は寿命を延長せずに順次停止する漸減政策を掲げてきたが、野党や市民の反発でさらなる後退を余儀なくされている。
民放の世論調査では、馬政権の支持率は10%前後に低迷している。不人気な政策を押し通す支持基盤に欠けており、与党の中国国民党の幹部は「主要選挙前にこの問題に触れるのは不利だ」とし、馬総統の任期内の決着を事実上見送る姿勢をにじませた。
■台湾電力第4原発 改良型沸騰水型軽水炉(ABWR、出力135万キロワット)2基で構成。正式名は「龍門」。1980年計画開始。99年着工。日立製作所が1号機、東芝が2号機の原子炉圧力容器を供給。2基ともタービン発電機は三菱重工業が担う。
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