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株式日記と経済展望
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韓国の旅客船の沈没事故は、起こるべくして起きた事故であり、荷物のコンテナも
固定せず、重量配分もデタラメで、海流に流され舵を切ったら荷崩れで転覆した。
2014年4月24日 木曜日
◆<韓国旅客船沈没>航海士が証言「天気よければコンテナ固定せず…旅客船の入出港は問題だらけ」 4月23日 中央日報
http://japanese.joins.com/article/539/184539.html?servcode=400§code=430&cloc=jp|main|breakingnews
「(清海鎮海運の船舶は)ずっと前からコンテナ固縛装備(ラッシングバー、Lashing bar)をきちんと備えていなかった。ほとんどロープで縛ったり、天気がよければそのまま載せて目的地へ向かう」(1等航海士A)
「安全点検は形式的だ。船会社−運航管理室(海運組合)−港湾庁−海洋警察など関連機関すべてがそうだ」(1等航海士B)
元・現職の航海士が話す沿岸旅客船の「安全不感症」の実態だ。中央日報はセウォル号沈没事故を受け、元・現職の1等航海士2人、2等航海士1人、3等航海士1人の計4人から、沿岸旅客船の安全管理実態に関する証言を聞いた。
航海士は「沿岸旅客船は出港準備段階から入港のまで問題が多い」と話した。貨物からしてそうだ。セウォル号では甲板上のコンテナをきちんと固縛していなかった。コンテナの下の穴に「ラッシングバー」を掛けて甲板に固定するべきだが、船会社はこれを一部のみ確保している。下のコンテナと上のコンテナを固定する装備の「コーン(固定ピン)」もなかった。
昨年セウォル号に3カ月間乗った航海士Aは「波が高くない時は最初から固定せず出発した。全国の他の沿岸旅客船も状況は似ている」と話した。
荷物を積む順序と配置も問題だった。重量を区分せず船積みした。船舶は荷物の重さを計算し、左右の均衡を保たなければならない。そうしなければ片方に傾く。航海士は「貨物のため出港前に船が傾けば便法を動員した」と語った。貨物の船積み状態や安全を点検する1等航海士が平衡水をあらかじめ調節する方法を通じてだ。
平衡水は運航中に潮流などで船が傾く場合、均衡を保つために、船舶の下部左右のタンクにためておく水だ。この航海士は「平衡水をあらかじめ調節すれば、緊急時にきちんと対応できない」と述べた。
セウォル号に乗船した元1等航海士Bによると、昨年清海鎮(チョンヘジン)海運所属のオハマナ号が仁川を出て済州に向かう途中、こういうことが発生した。船は潮流のために傾き、航海士は右側の平衡水を少しずつ出して均衡を合わせていった。3、4度傾いた船を平衡にするためには平衡水50トンを加えるか捨てなければならない。しかし出港前から少なかった右側の平衡水はすぐになくなった。左側平衡水は一杯になっていた。船は数時間、傾いた状態で済州港に入港した。Bは「下手をすれば沈没しかねない危険な状況だった」と話した。2等航海士Cは「セウォル号の平衡水状態も同じだったと思う」と語った。
航海士らは「沿岸旅客船の安全点検も徹底していない」と話した。貨物の船積み状態、乗船人員は海運組合運航管理室が点検する。船舶の機能や安全設備などの点検機関は韓国船級だ。海洋警察は運航管理室を管理・監督する。
3等航海士Dは「海運組合運航管理室と韓国船級は徹底的に点検せず、海洋警察はこれに目をつぶる構造」と話した。セウォル号の1等航海士だったAは「実際には検査をせず、検査有効期間だけを変えて表記しておく点検項目もある」と語った。
(私のコメント)
東日本大震災にしても、韓国の大型旅客船沈没事故にしても、大事故には必ず大事故につながる原因がある。東日本大震災は天災ですが津波が多い地方であり、防災訓練が出来ていた小中学校では一人も犠牲者が出なかったが、大川小学校のような防災訓練が出来ていない所は逃げ遅れて多くの犠牲者が出た。
福島の原発災害でも、原子力安全保安院から津波対策を指摘されていたが、東京電力の勝俣会長は聞いていないととぼけていた。天災は防ぎようがないが被害を最小限に食い止める事が出来るはずだ。韓国の旅客船沈没事故は100%人災であり、今までこのような事故が起きなかったことが不思議なくらいだ。
中国や韓国やアジア諸国は、日本で建造されたフェリーや客船などの中古船を買い取って運用しているケースが多く、自動車や鉄道車両などもアジアではよく見かける。工場の製造設備なども中古品として売られて使われていることも多く、韓国の旅客船も日本の中古船だった。
問題は、改造されて上部の客室が二階建てから三階建てに増築されて重心が上がって不安定になっていたと思われる。さらには車両やコンテナなどの荷物が過積載で、車止めやロープなどでの固定がされておらず、出向ぎりぎりまで車やコンテナの搭載が続けられていた。これでは荷物の固定がされずに荷崩れが起こるのは想定できる。
何事も利益が最優先されて、船長から航海士まで半数以上が非正規雇用の船員たちで、不利な状況での業務が強いられて、過積載や荷物の固定などの安全対策も会社側が十分な指導をしていなかったと思われる。中央日報などの記事を読めばそれが裏付けられていますが、潮の流れに流されそうになって舵を切ったら船が傾いて荷崩れを起こして転覆したと思われる。
普通の傾きならバラスト水で調整してバランスを保つのですが、船に荷物を積み込む時も重量バランスを取る必要がありますが、それが適当で船が傾いたままバラストで調整していたのかもしれない。しかしそれで船が傾いたらバラストだけでは平衡が保てずに転覆したのかもしれない。
修学旅行中の高校生の犠牲が多かったのは、60度以上傾くと船外に出る事が難しく、90度に傾いた場合、船は浮かんでいても真上によじ登らねばならず出られなかったのだろう。傾きが浅いうちなら船外に脱出も出来たが、船室に居た場合は外に出る窓や扉も真上に上らなければ出られないから無理だったのだろう。
貨物船やタンカーは、船底に穴や亀裂でも開かない限りは波をかぶっても船体が密閉されて鉄の箱は沈むことはめったにない。客船の場合は上部構造は窓や扉が多いから、転覆すると船体に水が入ってきて沈んでしまう。一番の原因は荷物の過積載や荷物の固定がずさんで荷崩れから転覆したと思われます。
さらに船員たちの安全管理がずさんで、船長が真っ先に船から逃げ出してしまった事で、乗客も船室ではなく甲板上に集合して、万が一の事故に備えるように誘導すべきだったのだろう。救命ボートなども出された形跡が無く、コンテナなどが船の周りに浮いていたのは固定されていなかったからだ。
このように運用そのものが利益最優先であり、船長や船員も臨時雇いでは安全航行など出来るわけがない。日本企業もアルバイトや派遣などの非正規社員が増えてきて、企業のモラルが下がってきている。工場などの爆発災害が日本でも増えて来ていますが、ベテランの操作員が首になって、下請けの非正規社員が工場の設備を管理して、安全管理がずさんになって来ている。
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