04. 2014年5月08日 15:57:44
: tbWAWaiEJo
アングル:プーチン大統領、当面の成果達成で和らぐ強硬姿勢 2014年 05月 8日 11:59 JST ◓http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0DO02Z20140508&channelName=topNews#a=1 1 of 1[Full Size][モスクワ 7日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派勢力に対して、独立の是非を問う住民投票の実施を延期するよう呼び掛けた。これは大統領が、ロシア軍を送り込むという破局につながりかねない手段を講じない範囲で最大限可能な成果を既に達成したことを物語っている。 プーチン氏は、ロシア軍がウクライナ国境から引き揚げたと主張している。米ホワイトハウスは引き揚げた形跡はないとの見方をしているが、プーチン氏が冷戦以降で最も高まったロシアと欧米の対立を和らげたいと考えているサインであるのは明白だ。 またこうしたプーチン氏の姿勢は、西側諸国が発動した制裁が景気後退の瀬戸際にあるロシア経済に痛みを与えていることの表れであるかもしれない。 11日に住民投票を予定していたウクライナ東部の親ロシア派は、プーチン氏の要請を受け入れると予想されている。 西側諸国と金融市場が最も恐れていたのは、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)の見積もりで4万人という規模の軍部隊をウクライナ東部に突入させ、クリミアに続き編入してしまうという事態だった。 プーチン氏にとってそれは当面の選択肢には入っていないもようで、ロシア株は同氏の発言を好感して上昇した。モスクワのある欧米系銀行のトレーダーは「プーチン氏は沈静化を模索しているようで、西側の条件を受け入れるだろう」と述べた。 しかしプーチン氏は弱気になったのだろうか。 彼が挙げた得点としては、ウクライナ東部のドネツク州で「人民共和国」を名乗っている親ロシア派が自らの地位に関してウクライナ政府とほぼ確実に交渉できる態勢になった点が挙げられる。 モスクワの外交政策アナリスト、ウラジミール・フロロフ氏は「(プーチン氏は)住民投票の代わりにウクライナ政府が『ドネツク人民共和国』と対等の立場で交渉を始める可能性を手に入れた」と指摘する。 プーチン氏としては、軍事侵攻をせずに自らウクライナの将来図を描ける可能性が最も大きいのは、ウクライナ政府に東部の親ロシア派と交渉するよう譲歩を迫ることだと考えるかもしれない。 またプーチン氏は、25日のウクライナ大統領選についても比較的融和ムードの発言で妥協を望む姿勢を見せている。 <デートン合意再現狙う> もっともプーチン氏は、ウクライナ大統領選ではすべての国民の権利が守られる保証がない限り、何も決まらない恐れがあるとくぎを刺し、ロシアが投票結果を受け入れない余地も残している。 フロロフ氏は、プーチン氏がウクライナ政府と親ロシア派の交渉の行き着く先として望んでいるのは、1995年に締結されたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の和平の枠組みを定めた「デートン合意」の再現だと指摘。デートン合意でボスニア・ヘルツェゴビナが2つに分かれたように、フロロフ氏によるとウクライナも最終的に2つに分裂してしまう可能性もあるという。 一方でプーチン氏にとって今回の事態が招いたマイナス面は、ウクライナ政府と親ロシア派の交渉がどのように進むかについては何の確実性も得ていないことだ。またロシアのメディアによってウクライナ東部で平和的なロシア系住民がウクライナ政府の侵略に対して自衛手段を講じているという図式を散々聞かされていたプーチン氏の支持者が離れてしまう危険もある。 一部のアナリストは、ロシアの大統領側近個々人や彼らの関与する企業に制裁が発動されたことで、プーチン氏が妥協を余儀なくされたとの見方をしている。 西側諸国はロシアの重要な経済セクターを直撃するようなずっと包括的な追加制裁もちらつかせており、ロシア戦略研究所のシニアアナリスト、オレグ・ネメンスキー氏はロシア経済や同国の欧州との政治的な結びつきが一段と打撃を受けてしまうとの見通しがプーチン氏の動きの背景にあると示唆した。 ネメンスキー氏は「追加制裁はロシア経済を手ひどく痛めつけるだろう。賢明な政策とは、自らの力の限界を考慮に入れることだ」と述べた。 (Nigel Stephenson記者) ◓http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DO02Z20140508?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true |