http://www.asyura2.com/13/warb12/msg/729.html
Tweet |
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されている陸上自衛隊の派遣隊長が今年1月上旬、首都ジュバの宿営地付近で銃撃戦が起きた際、全隊員に武器と銃弾を携行させ、「正当防衛や緊急避難に該当する場合は命を守るために撃て」と命じていたことがわかった。PKO施設内には多数の避難民がおり、彼らが狙われた場合、自衛隊員に流れ弾が当たる恐れがあった。実際に発砲には至らなかったものの、射撃許可が出された経緯が明らかになるのは異例だ。
日本が派遣しているのは施設部隊で、通常は武器を携行していない。現行のPKO協力法などは正当防衛や緊急避難などの場合に限り、必要最小限度の武器使用を認めている。一方、避難民など文民保護を目的とした武器使用は憲法が禁じる「海外での武力行使」につながりかねないとして認めていない。
経緯は、陸上自衛隊の井川賢一・南スーダン派遣隊長(45)が朝日新聞の単独インタビューで明らかにした。井川氏によると、宿営地付近で銃撃戦が起きたのは1月5日。当時、中部ボルは反政府勢力が占拠しており、部隊には「首都の西側約200キロにいる反政府勢力が首都に向かって前進中」「南方からも反政府勢力が北上している」との情報が寄せられていた。
銃撃戦が始まったのは同日夕方。当時、PKO施設内には1万人以上の避難民がいた。武装兵が宿営地南側にある土塁の上から発砲するといった事態が想定され、約400人の自衛隊員も流れ弾にさらされる可能性があったという。
約2週間前にも同国内の別のPKO施設で似たような銃撃戦があり、避難民を狙った武装勢力の流れ弾でPKOに参加していたインド兵が死亡したとされていた。このため、井川氏は「隊員を死なせるわけにはいかない」と全隊員に武器と弾薬の携行を命令。その上で「各自あるいは部隊の判断で、正当防衛や緊急避難に該当する場合には撃て」と命じたという。
約2時間後、銃撃戦は政府軍の脱走兵がPKO施設に逃げ込もうとした際、撃ち合いになったものだと判明。政府軍と反政府軍の戦闘に巻き込まれる恐れはないと判断し、命令を解いたという。井川氏は「(巻き込まれるかもしれないという)私の見通し通りになっていた場合は、撃っていたかもしれない」と話す。
南スーダンは昨年12月中旬から事実上の内戦状態にある。今月17日にも中部ボルで武装勢力がPKO施設内に乱入して銃を乱射、国連部隊と銃撃戦になり、避難民ら約60人が死亡。緊張した状況が続いている。(ジュバ=三浦英之)
http://digital.asahi.com/articles/ASG497TNYG49UHBI024.html?ref=reca
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。