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南スーダンのナシル(Nasir)での集会に参加する反政府の民兵組織「白い軍隊(White Army)」のメンバーら(2014年4月14日撮影)。(c)AFP/ZACHARIAS ABUBEKER
【4月22日 AFP】南スーダンの反乱軍を率いるリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領は、同国北部の油田地帯を掌握する策略を練っていないときは、政治・経済の歴史を解説した「国家はなぜ衰退するのか(Why Nations Fail)」を読んで過ごしている。
そんな話を聞いたら、マシャール氏には、反乱兵や少年兵を多数含む民兵が政府軍への攻撃に備える反乱軍拠点を見回っているほうが似合っていると、皮肉る人もいるだろう。南スーダンで約4か月前に始まった紛争では、すでに数千人もの人々が犠牲になっている。
「私はもう戦いたくなかった」。マシャール氏は最近にAFPが反乱軍の拠点で行ったインタビューで、こう語った。人々は、彼がゲリラ軍の指揮官として戦ったスーダン内戦によって、もう戦いはこりごりだと思っているという。
20年以上続いたこの内戦により、南スーダンは2011年に分離独立を実現した。しかし、この世界一若い国は、誕生してから3年もたたないうちに崩壊への道をたどっている。停戦合意が破られた今、国連(UN)は100万人以上が飢餓に瀕していると警告し、専門家たちはこの紛争が周辺国も巻き込んでいると指摘する。
反乱軍の攻撃が再開し、複数の民兵勢力による報復が発生して暴力が悪化するなか、これまでに100万人以上が家を追われた。
エチオピアの高級ホテルで開催された和平交渉は成果をほとんど出しておらず、専門家らは、紛争の解決には紙の上の合意以上の大きな変革が必要だと警鐘を鳴らしている。
政治的対立が市民虐殺に発展
ベルギー・ブリュッセル(Brussels)に本部を置くシンクタンク「国際危機グループ(International Crisis Group、ICG)」は、昨年12月15日に紛争が勃発したときは、マシャール氏とサルバ・キール(Salva Kiir)大統領による政治的な対立が主な要因だったと指摘する。しかし以来、戦闘はエスカレートし、石油資源が豊富ながらも貧困にさいなまれる同国の各州にまで広まっている。
ICGによると、「民族を標的とした攻撃や、共同体の動員、連鎖する暴力が、市民に対する残虐行為へと発展した」という。
残虐行為は、北部の石油が豊かな町ベンティウ(Bentiu)でも横行。政府軍は今月16日、町が反乱軍に掌握されたことを認めた。国連は、特定の民族を標的にした虐殺によって、ベンティウで数百人が殺害されたと発表した。
紛争の根底にあるのは、内戦後に政治的指導者になった元ゲリラ兵の間で数十年にわたりくすぶる不満と、長い内戦で南スーダンに残された傷跡だ。
現在の紛争は、キール大統領に忠誠を誓う兵士たちと、マシャール氏側に寝返った兵士たちの戦いだが、同時にキール氏が所属するディンカ(Dinka)人とマシャール氏のヌエル(Nuer)人の間での民族紛争の様相も呈している。
周辺国も巻き込む「地域紛争」に
ICGは、周辺国が国連平和維持軍とは別に軍隊を送ろうとしていることを指摘し、「この紛争は、南スーダンをさらなる分断の危機に陥らせ、周辺国も巻き込んでいる」と警告している。
隣国ウガンダは、南スーダン政府を支援するために兵士と戦闘機を派遣した。 一方、南スーダン政府のマイケル・マクエイ(Michael Makuei)情報放送相は、「スーダンからの部隊」がマシャール派を支援していると非難したが、スーダン政府が介入しているとまでは言わなかった。
「これは地域的な紛争になるだろう」。マシャール氏はAFPとのインタビューで、重々しくもこう予測した。
スーダンの紛争地域ダルフール(Darfur)で対立する勢力もまた、南スーダンでそれぞれ政府軍と反乱軍の側について戦闘に加わっていると非難されている。
「最悪な事態はこれからだ」。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)の南スーダン担当責任者、ジョナサン・ビーチ(Jonathan Veitch)氏は先週こう語り、紛争が終わらないかぎり「子どもたちの間で、この地がいまだかつて経験したことがない規模の栄養失調が起きる」と警告した。(c)AFP/Jenny VAUGHAN
http://www.afpbb.com/articles/-/3013204?pid=13522988&page=1
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