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ウクライナの危機を巡ってジュネーブで開かれたウクライナ、米国、ロシア、欧州連合(EU)による4者協議は17日、事態の沈静化に向けた合意を共同声明として発表した。ウクライナ東部で行政機関を占拠している親ロシア派住民らに明け渡しを求める一方、罪には問わない方針だ。
17日午前に始まった協議には米国のケリー国務長官、ロシアのラブロフ外相、EUのアシュトン外交安全保障上級代表、ウクライナのデシツァ外相代行が参加。予定の時間を大幅に超えて同日夜(日本時間18日未明)まで続いた。
協議後発表された「ジュネーブ声明」は、「事態の沈静化と市民の安全回復のための具体的な初期段階の取り組み」として、6項目の合意を列挙した。
すべての当事者が暴力を停止することのほか、▽非合法組織の武装解除と不法に占拠された建物や公共施設の明け渡し▽明け渡しに応じた者は罪に問わない▽欧州安保協力機構(OSCE)による合意の実施状況の査察▽すべての地域と政治勢力が参加した憲法改革▽ウクライナ経済を安定させることの重要性の確認――を盛り込んだ。
今回の合意は、ウクライナの情勢を巡って互いを非難してきた欧米とロシアが、混乱の収拾に向けた道筋を初めて示したといえ、事態の沈静化に向けた第一歩になりうるものだ。
ただ課題は、合意内容が実現できるかどうかだ。ケリー国務長官は17日の会見で、「大事なのは、(合意を)即座に実行に移せるかどうかだ」と語った。実際、ウクライナ東部で庁舎を占拠している親ロシア派は17日夜、占拠をやめるつもりはない考えを示しており、前途は多難だ。
オバマ米大統領は17日、ホワイトハウスでの会見で「現時点で、(合意内容が履行されることを)確信できるものがあるとは思わない」と指摘。「これから問われるのはロシア側が(合意の実現に向け)影響力を行使するのかどうかだ」と述べ、今後の動きを慎重に見極める構えだ。
実際、新政権の正統性を認めないロシアと他の3者の主張が正面から対立していることを反映し、声明にはあいまいな表現も多い。
ロシアのラブロフ外相は協議後の会見で、武装解除の対象となる「非合法組織」について、ヤヌコビッチ前政権を倒した右派勢力を指すという考えを示した。行政機関を占拠する親ロシア派を念頭に置く欧米とは全く異なる見解だ。
また声明は、5月25日に予定されているウクライナ大統領選に触れていない。憲法改革が先だと主張するロシアが反対したとみられる。逆に、ロシアが求めてきた地方の自治権の拡大やロシア語の公用語としての地位も盛り込まれず、今後に火種を残した。
最低限の共通認識を文書にまとめ、決裂という最悪の事態だけは回避したのが実態のようにもみえる。ウクライナのデシツァ氏は、協議後の記者会見で「今後数日が重要だ」「ロシアが本当に(ウクライナ東部の)安定化を支持するかどうかの試金石といえる」と強調した。ウクライナのヤツェニュク首相は17日夕、閣僚会議を開き、「ロシアも過激派を批判せざるを得なかった」と共同声明を評価。首相は親ロシア派に対し、「(庁舎から)退去せよ。あなた方の時は終わった」と呼びかけた。(ジュネーブ=駒木明義、松尾一郎、キエフ=喜田尚)
◇
■ジュネーブ声明の骨子
・緊張状態を緩和して治安を回復させる
・暴力や挑発行為をやめさせる
・武器の放棄と占拠された施設の返還を進める
・投降した者は訴追しない
・欧州安保協力機構の監視団を現地に派遣する
・すべての国内勢力による対話を進める
・ウクライナ経済の安定を重視し、支援も検討する
http://digital.asahi.com/articles/ASG4L0S7WG4KUHBI050.html?iref=comtop_6_03
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