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ウクライナ情勢を巡り、米国、ロシア、欧州連合(EU)、ウクライナによる4者協議が17日、ジュネーブであった。ウクライナとロシアの外相が直接会うのは危機後初めて。解決の糸口を見つけられるかが焦点で、4者は予定時間を延長して協議を続け、合意文書をとりまとめた。▼1面参照
協議に参加したのは、ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相、EUのアシュトン外交安全保障上級代表、ウクライナのデシツァ外相代行。今年2月に親ロシアのヤヌコビッチ政権が崩壊して以降、4者の外相が直接協議するのも初めてだ。
4者は予定時間を大幅に延長し、6時間以上協議を続けた。結局、事態の沈静化に向けた対策を取ることで合意した。
もともと、ロシアとウクライナの主張は真っ向から対立している。
ロシアのプーチン大統領は17日、市民と直接対話するテレビの生番組に出演した。ウクライナ東部で始まった親ロシア派の制圧戦について「クーデターで生まれた現政権が深刻な犯罪行為を繰り返している」と厳しく批判。親ロシア派をロシアが後押ししているのではないかという疑念を「ばかげたことだ」と一蹴した。
一方、16日夜にジュネーブ入りしたデシツァ氏は記者会見で「ロシアに対してウクライナ東部国境から軍を撤退し、東部でのテロ活動を支持しないように求める」と強調した。さらに「クリミアがウクライナの一部であることを確認したい」と、ロシア側にクリミア返還を求め続ける姿勢を鮮明にしていた。
ロシアもウクライナも、話し合いを通じて危機を脱することの重要性では一致している。
しかし、プーチン氏は4者協議を機に「ウクライナ現政権は東部の住民との直接対話を始めなくてはいけない」と主張。東部住民に大きな自治権を認める「ウクライナの連邦化」を検討するよう求める立場だ。一方、デシツァ氏はこうしたロシア側の働きかけを内政干渉だと批判。「協議の議題ではない」と予防線をはった。(ジュネーブ=駒木明義、松尾一郎)
■経済減速、ロ警戒
ロシアのラブロフ外相は当初「新政権が武力を行使すれば協議のチャンスは失われる」と主張していたが、結局は17日の話し合いのテーブルに着いた。
ロシアが重い腰を上げたのは、「経済」が一因だ。
ウクライナ軍が親ロシア派の強制排除に乗り出した15日、ロシアの株価と通貨ルーブルは急落した。ロシアの株価指数は前日比3・1%超の下落。ルーブルも売られ、対ドルで0・8%安となった。
ウクライナによる強制排除は、ロシアに介入の口実を与えるだけに、軍事的にはロシアに有利に働く面がある。だが、経済は違う。金融市場では「ロシア軍がウクライナ東部に侵攻するおそれがあり、欧米側が追加制裁に踏み切るとの懸念が強まった」(銀行アナリスト)という。ロシアが軍事介入を強めれば、ロシア経済にはマイナスとみて、投資家たちはお金を引き揚げているのだ。
経済制裁の強化や、ウクライナ危機の悪化や長期化への懸念が、先行きに影を落とす。経済への打撃を食い止めるため、ロシアは今回、ウクライナとの直接対話に応じざるを得なかった面がある。
(ジュネーブ=駒木明義、ロンドン=星野真三雄)
■軍発砲、親ロ派3人死亡
ロシアとウクライナの初の本格的な直接対話となった4者協議の当日、ウクライナ東部ではさらに混乱が広がった。親ロシア派の政府関連庁舎占拠が続くドネツク州のマリウポリで親ロシア派が軍の基地を襲撃し、軍側の発砲で親ロシア派側に3人の死者が出た。
今月6日から始まった東部各地の占拠事件で、ウクライナ政府が親ロシア派側の死者を認めたのは初めて。ウクライナ軍は、2月末にロシア軍とみられる武装部隊がクミリアを掌握して以来、ロシアの介入拡大を恐れて武力行使を最小限に抑えてきた。しかし、足元で広がる混乱を抑えきれなくなっている。
協議でロシアが強く反発するのは必至だ。
目撃者によると、マリウポリでは16日夜、親ロシア派の地元住民ら約300人が内務省軍の基地前で集会を開いたが、そこに覆面、迷彩服姿で銃を持った集団が現れ、基地内へ火炎ビンやガス弾を投げ始めた。内務省は「警告射撃後も攻撃はやまず、銃撃に踏み切った」としている。
(マリウポリ=玉川透、キエフ=喜田尚)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11090498.html
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