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現在のウクライナ暫定政府は、ウクライナ国民から直接選挙で選ばれた政権ではなく、クーデター行為によって生まれた政権であり、その政権に正当性はないことは明らかである。そもそもウクライナの政変は「右派セクター」をはじめとする極右組織が仕掛けた「戦争」に、旧ウクライナ政権がまんまと引っかかって流血の惨事に発展し、大統領が逃亡したことで政権が倒れた。「右派セクター」は1月の時点で「これは戦争だ」と明言していた。こいつらがいなければ、よくある反政府大衆運動に過ぎず、旧政権が倒れることはなかったのだ。
クリミアのロシア編入は、住民投票で住民の多数が他国への編入に賛成すれば、それが認められるのだという滅茶苦茶な主張であり、民主主義の観点からは到底容認することはできない。だからクリミアのロシア編入に賛成する国はロシア・中国・北朝鮮などの11か国しかいないのだ。クリミアの憲法のどこにそうした規定が書かれているというのか。その上に、クリミアの事態はロシア軍がクリミアに侵攻して武力で威嚇した中で実施された住民投票であって、ロシア軍がクリミアに侵攻しなければ住民投票など実施できなかったのだ。そのような武力による威嚇の下での住民投票に一片の正当性もないことは自明のこと。このクリミアの出来事で明らかになったことはロシア軍による実質的なクーデター行為である。
ロシア軍によるクリミア編入の後に、今度はウクライナ東部をロシア領にしようとするロシアの策動が続いている。ロシア軍はウクライナ東部の国境に4万人近い大軍を終結させている。
4月12日にウクライナ東部の各都市の行政庁舎を一斉に迷彩服を着た武装部隊が襲撃し武力で占拠し、警察署などから大量の武器を奪い、一部の親ロシア派住民に配布して武装させたうえで占拠させた。これらの武装部隊はクリミアに侵攻したロシア軍と同じ服装をしており、同じく記章を外して身元が分からないようにしている。これらの武装部隊は一体どこから湧いて出てきたのか。これらの武装部隊はロシア軍である可能性が極めて高い。
ウクライナ東部の武装蜂起に何の正当性があるというのか。何もありはしない。住民の4割を占めるロシア系住民の中の過激な部分が、ロシア軍とみられる武装部隊から武器を譲り受けて勝手に武装蜂起したのだ。行政庁舎を占拠している過激なロシア系住民はウクライナ政府から何か弾圧を受けたのか? 自衛のために武装蜂起したのか? そうではない。何もない。何の正当性もないのだ。自治権拡大や独立の主張が武装蜂起の正当な理由にはならないことは誰の目にも明らかだ。彼らは単なる違法に武器を所持し行政庁舎を占拠している「犯罪者」に過ぎない。
ロシアはウクライナ東部の住民を武装させ、ウクライナ政権側が住民排除に乗り出した混乱に乗じてウクライナ東部を支配下に置くことを狙っている。ロシア外務省は「ウクライナの内戦を防ぐ責任は欧米にある」と発表した。自分で火をつけておいていぬけぬけとよく言えたものである。
ロシアは帝国主義国家なのである。その利害が世界各地で米帝国主義と衝突するのは当然のことである。米帝国主義は「ネオコン」だが、ロシアはそうでないからロシアを支持する、などという者がいるが、ネオコンだろうがなかろうが、両国とも帝国主義国家であることには変わりはない。いかなる帝国主義の策動にも反対しなければダブルスタンダードであるというそしりは免れない。
米帝国主義と同様に、ロシア帝国主義の野望も容認してはならない。米帝国主義は悪で、ロシア帝国主義は善、などといった「陣営主義」の主張するダブルスタンダードは許されない。どちらも悪でしかないのだ。
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