07. 2014年4月14日 22:20:02
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ウクライナ「対テロ作戦」を宣言 対話路線から転換 2014年4月14日21時41分 ウクライナ東部での親ロシア派による庁舎の占拠問題で、ウクライナ政府は13日、「大規模な対テロ作戦を行う」と宣言した。武装勢力による組織的な占拠が12日以降に頻発し、ロシアが併合宣言したクリミア半島のような状況になりかねないためだ。14日から制圧作戦が本格化する可能性がある。対話路線から転換した形で、事態は緊迫している。「ロシアの関与」を巡り、米国とロシアの対立も激化している。 ウクライナ東部では不安定な状況が続いている。武装勢力が警察署などを占拠したドネツク州スラビャンスクでは13日、ウクライナ側が一部の制圧行動をスタート。ウクライナ側の特殊部隊員1人が銃撃で死亡した。トゥルチノフ大統領代行は演説で「ロシアが続ける戦争で血が流された」と語り、「東部では、クリミアのシナリオを繰り返させない」と断言した。 トゥルチノフ氏は同日、武装勢力が武器を捨てて投降すれば罪に問わないとする大統領令に署名。投降の期限を14日午前9時(日本時間同日午後3時)としたが、同時刻を過ぎても、東部ドネツクで占拠された州政府庁舎から、親ロシア派が退去する動きはない。治安部隊の制圧作戦を前に現地では緊張が高まっている。 スラビャンスクでは、自動小銃で武装した親ロシア派が街の入り口に検問所を設けており、地元報道によると治安部隊との銃撃戦はその付近で起きた。治安部隊は市内には入れていない模様だ。街から1・5キロほど離れた場所にあるホテルでは、従業員が電話取材に「周囲を(親ロシア派の地元住民による)自警団が警戒している」と緊迫した様子を伝えた。 ウクライナ政府が、事態を武力で鎮圧する方向にカジを切ったのは、12日に武装兵による組織的な占拠が、ドネツク州のスラビャンスクなどの各都市で相次いだためだ。内務省によると、スラビャンスクに近い、クラマトルスクとクラスヌイリマンの2都市でも治安機関の建物などが親ロシア派に占拠された。地元メディアはほかにも3都市で占拠が起きたと伝えている。占拠に際しては銃撃戦も起きた。 14日、クラマトルスクに記者が入った。幹線道路では、親ロシア派が古タイヤを積み上げ、2日前よりも検問所を増やそうとしていた。ウクライナの治安部隊との対決姿勢を強めているものとみられる。 ウクライナでは2月にヤヌコビッチ前政権が倒れ、親欧米の新政府ができた。すると、これを認めないロシア軍とみられる武装兵が2月末から、クリミア半島に展開。ロシアは3月下旬、クリミア半島の併合を宣言した。ただ、その過程では、本格的な武力衝突はなかった。ウクライナが軍事行動に出れば、ロシアのさらなる介入を招く危険があったためだ。 ただ、今回、12日にウクライナ東部で相次いだ占拠は、最初から統一された迷彩服姿の武装グループが主導。東部ドネツク州の交通の要衝を占拠し、一帯を支配する意図もうかがえる。ウクライナ政府は、鎮圧に乗り出さないと、東部地域を支配できなくなり、「第2のクリミア」化することを強く懸念しているものとみられる。(キエフ=喜田尚、クラマトルスク=石田博士、ドネツク=玉川透) ■米ロ、安保理で非難応酬 ロシアのラブロフ外相は12日、ケリー米国務長官、ウクライナのデシツァ外相代行と相次いで電話で協議した。 米国務省によるとケリー氏は、武装勢力がロシア軍の武器を持ちクリミアに展開した勢力と同じ服装だった点を指摘し、ロシアの関与を示唆。ロシアが緊張緩和に向けた行動を取らなければ「追加的な重大な結果を招く」と警告した。デシツァ氏も、ラブロフ氏に「ロシアの工作員が活動しており、何人かが逮捕されている」と伝えた。 一方、ロシア外務省によると、ラブロフ氏は証拠が示されていないとして襲撃へのロシアの関与を否定。ウクライナ現政権が武力による鎮圧をすれば、米ロとウクライナ、欧州連合(EU)の4者協議開催に悪影響が出ると警告した。 ロシアは13日、自ら国連安全保障理事会の緊急会合を要求。ウクライナ東部の武装勢力はテロリストではないと主張し、ロシアの関与を指摘する欧米理事国と、非難の応酬になった。 欧米側は、ウクライナとの国境付近に集まるロシア軍の撤収を要請したが、ロシアのチュルキン国連大使は「ウクライナが内戦を避けられるかは欧米の判断にかかっている」と訴えた。(ワシントン=奥寺淳、モスクワ=駒木明義、ニューヨーク=春日芳晃) http://www.asahi.com/articles/ASG4G5W43G4GUHBI02C.html |