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株式日記と経済展望
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新冷戦体制は始まっている。一つは中露の親密化。ヨーロッパで拒否された
エネルギーが新しいパイプラインなどで中国に流れることで実現する。
2014年4月4日 金曜日
◆ウクライナ危機が世界に及ぼす10の変化 4月2日 ポール・テイラー 地政学を英国で学んだ
http://geopoli.exblog.jp/22375804/
@ロシアの影響力低下:一時的にせよ、少なくともロシアの国際政治における影響力は低下する。G8から外され、OECDとIEAへの参加は凍結される。モスクワ開催のサミットも未定になった。
プーチン大統領はBRICSの新興国を使って西側による孤立化を防ごうとしたが、中国とインドが「クリミアはチベットとカシミールでの前例になってしまうのではないか」と恐れているために態度を明確にできていない。BRICS諸国は西側の経済制裁にたいして共同声明を発表したが、クリミアやウクライナのことについては何も触れていない。
ANATOの復活:アフガニスタンのおかげで忘れ去られていたが、航空警戒と軍事演習、そしてポーランドやバルト三国への支援などのおかげで復活している。ポーランドはミサイル防衛システムの配備を急いでほしいと表明。
アメリカからの圧力によって、ヨーロッパ諸国は国防費の増加を再検討することになるかもしれない。中立のフィンランドとスウェーデンは新たにロシアを潜在的な脅威と感じはじめており、NATOと安全保障面で協力しはじめる可能性あり。
Bエネルギーの多角化:ロシアへの依存を減らそうとしてヨーロッパではエネルギーの勢力図の変化が加速しそうだ。EU諸国はLNGのターミナルやパイプライン網の更新、それにグルジアやトルコを通るガスパイプラインをさらに南欧や中欧に拡大しそうだ。
EUは3分の1の石油とガスをロシアから調達しており、そのガスの40%はウクライナ産だ。ヨーロッパは自分たちのシェールガスを採掘しようとする可能性があり、環境面で問題があることを承知で原発建設を推進するかもしれない。
C中国という要素:安保理でよく同じ投票を行うロシアと中国の同盟関係だが、これは今後、二つのうちのどちらかの方向に行く可能性がある。
一つは中露の親密化。ヨーロッパで拒否されたエネルギーが新しいパイプラインなどで中国に流れることで実現する。
もう一つは、中露関係の危機。中国が経済的に弱体化して孤立化を強めるロシアと同盟を組む意味を見いだせなくなった場合に距離を置くことになる。実際に習近平は公式の場でどちらの立場をとるかを表明していない。
Dアメリカのリーダーシップの強化:オバマ大統領の元で弱体化していた世界政治におけるアメリカのリーダーシップが、部分的にせよ復活する。イラク・アフガニスタンやアジアの「軸足移動」からの撤退も、東欧での危機のおかげで「自由主義陣営のアメリカ」というブランドの復活につながる。この危機によってヨーロッパにあったアメリカの盗聴への懸念は吹っ飛び、協力関係が復活する。
先週EUはオバマ大統領に対してシェールガスを売るように求めており、大西洋間の自由貿易交渉を加速化することを合意している。
ところがアメリカの戦略家たちは中国の台頭のほうが重要なので、アジア方面の優先順位が高いと言っている。そうなるとヨーロッパはさらなる自助努力を求められることに。
Eドイツのリーダーシップ:ウクライナ危機はヨーロッパにおけるドイツのリーダーシップを強化することになった。すでにドイツの経済力は圧倒的だが、今回の危機でメルケル首相がプーチンのヨーロッパ側の対話相手となっている。
彼女の態度は当初は不明確であったが段々と硬化している。ドイツがどこまでロシアとのエネルギー依存状態を減らせるかが今後の動きを見る上で参考になるだろう。メルケル首相はティモシェンコ女史との関係を管理することによって彼女の大統領選の動きまで左右することになる。
FEUの団結強化:EUは一時的かもしれないが共通の外敵のおかげでまとまりを見せており、これによって長期化したいくつかの問題を解決できるかもしれない。レベッカ・ハルムズ欧州議会議員は、EUに共通の戦略を与えてくれたという意味で、今年のヨーロッパ統合に貢献した人物に与えられる「カール大帝賞」の受賞者にプーチン大統領をノミネートしてはどうか、と冗談を言ったほどだ。
EU関係者の中には歩みの遅かったポーランドのユーロ参加が加速するかもしれないと分析している。
G中央アジアをめぐる争いの激化:プーチンと西洋諸国は、共にエネルギーの豊富な中央アジアの独裁国に歩み寄っている。アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタン、そしてウズベキスタンがその国々であるが、彼らの人権侵害については目をつぶっている。
もしロシアが経済的に弱まると、彼らは少なくとも西側陣営に擦り寄ることになる。
Hアメリカとロシアの協力:ロシアは極度な孤立化を避けたいと思うため、いくつかのグローバルな安全保障の分野では引き続きアメリカに協力することになる。
ところがシリア、イラン、アフガニスタン、そして北朝鮮などについては緊張が高まることも予測される。また、シリアやイランにS300対空ミサイルを供給するという契約をすることも懸念材料だ。
Iプーチンの未来:現時点ではクリミア併合によって国民の人気が頂点になっているプーチン大統領だが、ロシア人のビジネスの価値が低下し、海外からの投資が止まり、海外渡航に制限が出て、西側諸国におけるロシア人の資産の凍結などがに直面して不満が高まれば、彼の人気が半年後にはどうなっているかわからない。
(私のコメント)
ソ連崩壊によってロシアは民主的な国家に生まれ変わったかのように思われていましたが、プーチン大統領が就任して以来、強権的な政治姿勢を取るようになり、形式的には複数政党の議会運営で民主国家の体裁は整えていますが、やはりロシアは独裁国家的な手法でないと一つに纏まれないのだろう。
日本では一年ごとに首相が交代しても国家としては何の問題も起きませんが、ロシアや中国は10年以上の長期政権となり、独裁的な政治手法が取られる。日本は官僚組織がしっかりしているから首相が居なくても問題は起きない。日本では政治主導が無い事が問題になっていますが、ロシアや中国は独裁者的な最高指導者がいないと纏まらない。
もしロシアがプーチン大統領でなかったらクリミアはウクライナの領地だったはずだ。プーチンや習近平なら政敵を抹殺することなど朝飯前ですが、不都合な人物は国外に逃げても殺し屋によって始末される。日本ならスキャンダルがマスコミにリークされて政敵は失脚するので殺し屋は必要が無い。
猪瀬都知事の5000万円も、渡辺よしみ代表の8億円も党首クラスなら誰でもやっていることなのでしょうが、CIAから東京地検やマスコミにリークされ失脚する。田名角栄もそれでやられた。独裁国家ではスキャンダルはスキャンダルではなく、司法も行政も立法も一体だから大統領はやりたい放題だ。韓国でも大統領一族は利権を独り占めするのが当たり前だ。
今回のウクライナ問題は、ヨーロッパは安定したと思われていたことが、そうではなかったという事であり、ウクライナはEUに加盟したりNATOに加盟するのは時代の流れだと思われていた。いずれなロシアもEUやNATOなどに参加する事も考えられていたのでしょうが、今回の事件で東西対立が復活したような状況が生まれている。
G7からロシアを加えてG8になったのも、ロシアが洗練された民主国家となった事とされたからですが、ロシアも中国も民主政治の歴史が無い。エリティンの時代はロシアが乱れに乱れた国家の時代であり、ロシアは民主政治ではダメだとロシア人も気が付いたのだろう。プーチンのような独裁的大統領が選ばれるのもロシアだからだ。
中国にしても経済は開放しても政治は独裁政治であり、司法も行政も立法も独立していない。ロシアも政治を自由化してみたら国家はガタガタになり経済もハイパーインフレになり軍人の給与も支払われないような状態になった。このようになった結果アメリカは単独覇権国家となり石油の宝庫である中東を制圧に乗り出した。
アメリカが単独覇権国家となったからには、同盟国はお荷物でしかなく日本に対しても牙をむき出してきた。アメリカはロシアを骨抜きにして中国は経済で連携すれば恐れるべき敵はいなくなり、日本はジャパンバッシングからジャパンパッシングになりジャパンナッシングになってしまった。
しかし中東は帝国の墓場であり、アメリカは中東の泥沼にはまっている間にロシアと中国は領土の拡大に乗り出し始めた。中ロの親密化はアメリカにとっては脅威となり、クリミアをロシアが領有しても中国が南シナ海を内海化してもアメリカは黙認するしかなかった。アメリカには頼りになる同盟国は無くなり、ウクライナ問題でもアメリカとEU諸国と日本との間の溝は埋まらない。
アメリカにとってリーマンショックとウクライナショックは、アメリカの衰退の象徴となり、経済的にも軍事的にも弱点をさらけ出した。アメリカ一国では力をつけてきたロシアと中国には対抗が出来ないのであり、同盟国の存在が不可欠だ。特にドイツと日本の協力が無ければヨーロッパでもアジアでも何も出来ない。だからオバマも4月の日本訪問が公式訪問になったのは、その辺の事情があるからだろう。
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