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2014年3月18日
WORLD PEACE NOWは、ウクライナへのロシアの軍事介入と「住民投票」を通じたクリミアの「編入」を批判するプーチン大統領の要請文をロシア大使館に送った。同要請はロシア軍のクリミアからの撤退を求め、クリミア併合を行わないよう求めている。この立場を支持し、掲載する。(かけはし編集部)
ロシア連邦大統領 ウラジーミル・ウラジーミロヴィッチ・プーチン様
私たちWORLD PEACE NOWは、2003年のアメリカならびに多国籍軍によるイラクへの戦争・軍事占領に反対して作られた運動体です。私たちは「武力で平和はつくれない」という理念の下に戦争、戦争につながるあらゆる動きに反対し、人びと自身が平和を築き、世界の人々とつながっていく活動をつづけてきました。私たちは、日本政府がこの戦争に加担し、自衛隊を海外に派兵することにも反対してきました。
私たちは、今回のウクライナの政変を機に、ロシアがウクライナ領であるクリミアに軍事介入し、その圧力の下で、ロシア系住民を中心にしたクリミア自治共和国政府による「住民投票」という手段で、クリミアをロシアに編入・併合しようとしていることに強く抗議します。
紛争と「ロシア人保護」「クリミア自治共和国政府の支援要請」などを口実にしたウクライナ領クリミアへの軍事介入、そしてロシア軍の圧力下での「住民投票」と「住民の意思」を理由にした他国領土の自国への編入――これらはいずれも、国連憲章、国際法、ウクライナの憲法に違反する行為です。
ロシアの軍事力を背景にしたクリミアの住民投票に対しては、人口の24%のウクライナ人や、18%を占めるクリミア・タタール人の多くが反対し、とくに、かつて第二次大戦中に自らの意に反して中央アジアに強制移住させられたクリミア・タタール人は、自らの苦難の歴史的体験を思い起こし、ロシアへの強制編入に反対し、投票をボイコットしたと報じられています。
ウクライナの主権を侵害し、相対的な少数民族の意思や権利を侵害した今回の不法な行為は、地域と世界の平和を破壊し、緊張を作り出すものであると私たちは考えます。
私たちは、ロシアであろうとウクライナであろうと、民族的差別と敵対をあおるあらゆる排外主義に反対し、少数民族の権利の尊重の上に立って、民族間の平等にもとづく平和と共生の関係を築き上げていくことが必要であり、それは可能だと考えています。
私たちはプーチン大統領とロシア政府が、軍隊をクリミアから即時撤退させ、「住民投票」を理由にしたクリミアのロシアへの編入・併合を行わないことを強く求めます。
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