http://www.asyura2.com/13/warb12/msg/576.html
Tweet |
http://rt.com/op-edge/russia-switches-to-brics-sanctions-357/
2014.03.18 RTオプエド記事
西側より(本格的な)対露経済制裁が始まれば、ロシアはBRICS各国との連携をより強化するかもしれない。特に中国との関係はより強くなる。結果、暫くすれば、経済制裁が(ラブロフ外相の言う)ブーメラン効果となってアメリカとEUに経済的打撃となって返ってくるかもしれない。
3月18日ロシア政府の報道官・ドミトリ・ペスコフはBBCとのインタビューの中で、アメリカとEUによる経済制裁が敷かれた場合、ロシアは新しいパートナーに切り替えるだろうと語った。彼は、西側諸国との良好な関係は維持したい、特に、その貿易額や進行中の合弁事業を考えるとEUとの関係は引き続き維持したい。が、現代の多極化する世界の経済情勢の中で、ロシアは欧米以外の国々とも強固な関係を構築してきたと強調した。
新しいパートナーといっても、実際は、13年間彼らと密に連携を続けてきた。いわゆるBRICSがそれである。BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国、そして南アフリカで構成される。BRICSは世界の人口の42%を占め、世界経済の25%を占め、この経済ブロックは世界の重要な役割を担っていることを意味している。
BRICSは国際法の原則、国連安全保障の中心的役割、そして、国際関係においての武力行使排除の原則を守るという共通の思想を持っている。この事が彼らが地域紛争の解決に大きな役割を担ってきた理由でもある。しかし、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの協力関係は政治的な一面に留まらず、活発な貿易や他の分野での多種多様な計画にも見ることができる。今日、BRICS全体で20以上の分野で協力関係が結ばれている。そして、それらの分野は強力に発展している。例を挙げると、2月にBRICSのメンバー各国は科学技術の協力において将来的に有望な11の分野において協定を結んだ。それらは、宇宙開発からバイオナノテクノロジーまで及ぶ。グローバル経済システムをより近代化する為に、アメリカとEUに(経済的に)対抗できる中心軸となるべく、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカは、BRICS通貨連合を創設した。そして今、巨大インフラ整備計画への資金調達の為に、彼ら独自の開発銀行を創設している最中である。概して、BRICSには組織として未来が無いという強烈は批判にもかかわらず、BRICSはお互いに協力関係を発展させている。事実、BRICSは目覚しい結果を獲得している。
G8へのロシアの参加停止や経済制裁強化の可能性と共に、専門家は、輸入品目の制限を含み、制裁のターゲットとなる幾つかの産業を指摘している。西側がロシアへの制裁を強化しようとする一方で、ロシアは他の市場への転換に備えているということに気づくことが重要である。他の市場とは、例えばBRICSである。そして、実際、ロシアはBRICSとの貿易取引量を、増やしつつある。
ロシアはNATO各国からかなりの量の製品を輸入している。例えば、フルーツとベリーはその50%をスペイン、オランダ、ポーランドから輸入している。にもかかわらず、ロシアは開発途上国との連携を深めている。2012年ロシアは、牛肉の41%をブラジルから輸入した。この数字は、最近20%まで減少したが、ロシアは、需要に応じて増加させるだろう。2013年2月ロシアとブラジルはロシアへ豚肉輸出にかかわる長年にわたる問題について合意に達した。同様にロシアの数百万トンもの小麦の年間輸入に適用される、衛生品質に関する要求のリストに関しても合意した。これは、良い結果をもたらした(欧米にかわる)代替パートナーシップの一例である。言い換えれば、ロシアにはBRICSとの長年の協力関係があるので、ロシア国民を品不足に苦しめようとするEUとアメリカの経済制裁は、十分克服できるのである。
<中国はBRICSの中でもっとも大きなパートナー>
BRICSで一番大きく強力なメンバーである中国の役割は無視できない。そして、明らかにロシアは中国政府との関係を以前より更に改善しようとするだろう。去年、ロシア‐中国の関係は、あらゆる面で高められ、活発に進展している。特に両国は2013年に21もの貿易契約を交わした。その契約には、SINOPEC(中国石油化工股份有限公司)との1億トンの中国への石油供給契約もある。2013年10月の新華社通信のレポートによると両政府は北京の東、天津に石油精製工場を合弁で建設する契約を交わした。
さらに、中国はロシア国内のプロジェクトに約2兆円の投資を約束した。その投資はロシアの高速道路、港湾、空港などの交通インフラに注がれる。そして、中国はその投資を2020年には4倍に増やしたいと希望している。2013年の両国の貿易額は8兆9千億円に達した。双方向の経済関係は、前向きな兆候を表し、将来の協力は増えるであろう。
両国のリーダーは2015年までに年間の2国間総貿易額を、実に10兆円まで拡大することを目指している。加えて、両国は、エネルギー分野、特に天然ガス産業の更なる協力を検討している。
現在、ロシアの天然ガスは中国へ供給されていない。しかし2013年にロシア最大の国営天然ガス生産企業のノバテックは、ロシアのヤマルLNGと中国のペトロ・チャイナ・インターナショナルとの間で少なくとも年間300万トンのLNGガスを販売するという準備覚書を、CNPC(中国石油天然ガス公司)と交わした。ロシア政府が75%の株式を保有するもう一つの国営の大手石油会社ロスネフチは、そのクライアントを多様化させるために、広範にLNGガスプロジェクトを広げようとしている。ロスネフチは、日本や中国のような、アジアマーケットに資本を集中的に投入することを模索してる。西側とロシアの対立は、中国とロシアの天然ガス契約をさらに前進させることになりうる。同時に、5月のプーチンの訪中の「お土産」として、おそらくロシア政府は、Su-35戦闘機の中国への販売契約にサインするであろう。
2014年は、ロシアと中国は互恵関係の全面的に促進する。それは、貿易に留まらず、エネルギー、航空機製造、エンジニアリング、軍事科学協力、観光などである。又同時に2国間は文化交流も深めている。2014年から2015年を交換留学の年としている。ロシアと中国は、また、ドイツファシズムと日本軍国主義に勝利したことを記念して2015年に戦勝70年祭の開催を予定している。
ロシア、中国、そしてインドの協力関係には、さらに別の重要な側面がある。それはアフガニスタン問題である。アフガニスタン問題への3国の参加は、2013年以降、活発化し、米軍撤退の重要な役割を担っている。アフガニスタン問題はロシア、中国、インドの地域安定にとって、死活問題であるということも重要である。
(中略)
<ロシアへの経済制裁は西側にとって高くつく三つの理由>
アメリカとEUがロシアと敵対し孤立させることは、実際、合理的でない。それには幾つかの理由がある。
第一にロシアは世界で最も大きな石油と天然ガスのサプライヤーで、その事は、簡単言えば、ロシアへの経済制裁は、世界のエネルギー市場(政策)を大きく変えることになり、引いては、世界経済全体を変えることになる。単にEUがロシアの天然ガスに依存しているというような事を言っているのではない。いまだに経済回復の途上であるにもかかわらず、世界経済を新しい危機にさらすのか? そんな「不合理」なことは、ありえない。
第二に、ロシアはアメリカの金融市場に莫大な投資をしている。とくに米国債だ。結局、もしロシアが西側の経済制裁に対抗して、投資を引き上げを決断したら、アメリカ経済に打撃となり、金融危機を引き起こすことになる。再び、金融危機である。
最後に、過去数年間ロシア市場は、EUの製品やサービスにとって世界で最も大きな市場の一つになった。また、EUはロシアへの投資を活発化させている。西側がロシアとの関係を悪化させた場合、EUは新しい市場を開拓せねばならず、ロシアとの共同事業の棚上げにより発生するであろう損害に悩まされることになるであろう。
だから、そんなお先真っ暗な将来に向かわせるロシアに対する経済制裁に何の意味があるのか?そんなことするぐらいならば、クリミアの示した意思を尊重して、ウクライナ全体の経済向上を目指すべきなのではないだろうか?
- ロシア外相 「G8を金科玉条の様に言ってるけど、ロシアは参加停止で別に構わんよ」 ロシア・トゥデイ 長間敏 2014/3/25 15:03:26
(0)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。