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黒海へ入った米軍ミサイル駆逐艦 「トラクステン」
http://rt.com/op-edge/us-nato-ukraine-russia-062/
フランス人外交評論家 コン・ハリナン氏のRTへの寄稿
アメリカとNATOは、キエフに彼らの傀儡政権を樹立するために、ウクライナの反政府組織を支える思想、反ユダヤ主義、極右国粋主義を見て、見ぬフリをしている、と外交評論家のコン・ハリナン氏はロシア・トゥデイに語った。
ネオコンの描く世界の見取り図が、ウクライナに対するアメリカと欧州の外交政策を推し進めている。この外交政策は、計画的に立案された非常に侵略的外交政策で、その中に、NATOがウクライナーロシア国境にプレゼンスを築くことも含まれる、とハリナン氏は解説した。
「非常に時代錯誤も甚だしい見取り図を描いている政治エリート、経済エリートの集団がアメリカにはいる。実際それは、冷戦時代のような景色である。アメリカ国務次官補ビクトリア・ヌーランドが駐ウクライナのアメリカ大使との電話会話が明らかになり、それは、クーデターの計画、クーデター後の新首相を誰にするかという内容のものであった。」とハリナン氏は語る。
「私は、彼らが軍事的にも経済的にも非常に侵略的な絵を描いていると思います。もし、現実にNATOの軍隊がロシアとの国境線まで進軍できるとしたら、ロシアにシリアやイランで行ったような建設的な(平和)外交を進めることに二の足を踏ませることができるでしょう。」
ロシアは国際舞台で素晴らしい役割を果たしてきました。最近では特にイラン(やシリア)との対話など多くの成果を残しています。ハリナン氏は、そんなロシア外交による実のある成果が、アメリカやEUの連中にとって、不愉快なのだと主張します。
「イランの核開発問題の交渉は真剣に進められていますが、彼らを交渉のテーブルに着かせたのはロシアです。シリア問題でも同様にロシアがイニシアチブを取って解決への方法を模索されています。そんな(ロシア主導の)世界の見取り図にしたくないと考えている連中がアメリカにはいる。アメリカだけではなく、フランスやイギリスにも、冷戦時代のような見取り図にしたいと考えている連中がいると私は思います。『シリアやイランを軍事攻撃のターゲットにしたい。ロシアを悪の帝国に仕立てて、かれらに対抗して、国際外交の輪の中から閉め出したい。」と考えている連中です。」
また、この外交評論家は、ウクライナの(悲惨な)経済状況の解決にロシアを巻き込み、財政救済案を提案してもらうことが大事だと語る。
「ウクライナの経済危機は待ったなしのところに追い込まれています。EUやIMFの支援では到底危機を救うことができません。ひるがえって、ロシアはウクライナの最も大きな貿易相手国です。だから、ロシアをウクライナの財政支援に巻き込むのは経済的に非常に重要です。」
さらに、アメリカもIMFもEUもウクライナに十分な資金を提供する余裕はありません。「彼らは支援について話はするが、それをできません。支援は、ロシアとウクライナの緊密で大きな経済関係に頼らざるを得なくなるでしょう。プーチンが去年10月に提案したように、ロシアをテーブルに着かせて、欧米、ウクライナ、ロシアの三者で解決への対話をするべきなのです。それが我々にとってやるべきことですが、ここで重要なのは、ウクライナより(地勢的に)手を引くべきはアメリカとNATOであって、ロシアではないということです。私たち欧州勢力はそうしなければなりません。」
(ウクライナの)経済問題で、ウクライナの再建をどのように進めるかと言うことで、アメリカとEUの間で多くの点で足並みが揃っていません。
「オバマが制裁について語れば、EUは「ちょっと待った。」と言っている。ケリー国務長官がG8からロシアを外すと言えば、メルケルが、「駄目です。そんなことしません」と言う。我々は1939年の第二次世界大戦のときのような、(アメリカが表明した制裁などという)敵対的な話はやめて、冷静に政治的解決を目指すべきなのです。ウクライナの全ての地域に支持される政府の樹立を目指さなければならない。そして、ロシアの国境線に軍を配備するなどということはできないという事実に向き合うべきなのです。」
ウクライナの革命の中心的なメンバーは表舞台には出ていません。反ユダヤと極右国粋主義の思想を持った中心的人物もそうです。
「ウクライナのいわゆる革命と呼ばれているものには、スボボダ党のような反ユダヤ主義者達(ネオナチ)が主導したという側面もあります。彼らはウクライナでナチス親衛隊の編成を祝っています。心配なのは欧米メディアではこのような事に全くといっていいほど報道されていません。ウクライナに関する報道にはバイアスがかかっている。」とハリナン氏は説明します。
「私が興味深いと思うことの一つに、もしあなたが、アメリカの新聞でライトセクターやスボボダ党の記事をさがしても、ほとんど、触れられていませんし、それらの歴史は全くわからない。去年、スボボダ党は、ナチス親衛隊のガルシア(西ウクライナ)支部の設立を祝っています。ナチス親衛隊とはナチス党直属のナチス軍の組織でした。ナチス親衛隊は主にユダヤ人殺戮部隊でした。多数のユダヤ人がウクライナで第二次世界大戦で殺されました。そんなこと何一つメディアは伝えていません。
もしこのような情報が遮断されている状況では、アメリカ人が見る景色は、東の独裁的なロシア人に対峙する穏健な民主主義を重んじるヨーロッパの人々という構図が全てです。「そういうカラクリでほとんどのアメリカ人は決まった筋書きだけを信じて、それ以外をみてません。この点でアメリカのメディアは人々に多種多様な見方を与える用意があるのか私には分からない。だが、言えることは、アメリカのメディアは極少数の複合企業体に取り込まれ、管理されており、人々が見る世界の見取り図は、FOXテレビや新聞紙上でのみ見ることができる景色であるということです。それはつまらない単調なオーケストラを聴くようなものです。」とハリナン氏は語った。
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