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<中国・軍事技術の不法コピー>ウクライナ政権崩壊が中国への軍事技術供与を加速させる
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140301-00010002-jindepth-cn
Japan In-Depth 3月1日(土)12時18分配信
ウクライナのヤヌコビッチ政権が崩壊し、同国は今後混迷が続きそうだ。
ウクライナの今回の政変は我が国の安全保障に少なからず影響を与えることになるだろう。ウクライナはイスラエルと並び、中国に対する主要技術移転国である。
ソ連崩壊後、ロシア、ウクライナは中国に対して積極的な武器技術の移転を行ってきた。ロシアは中国による技術の不法なコピーと、技術向上によってロシアのアフリカや中東などので「商売敵」となった中国に対する警戒感から中国に対し、技術移転や兵器の輸出に極めて慎重になってきている。ところがウクライナは中国に技術供与を続けている。
中国の空母“遼寧”はウクライナが中国に売却した未完成のヴァリャーグを改造したものだが、ウクライナはその建造のノウハウを供与し、また建造のための技術者も中国に派遣している。更にロシア軍が艦載機として開発したスホーイSu-33戦闘機の試作機や設計図も渡し、中国はこれを元にJ-15を開発した。
中国はロシアと軍事技術を不法にコピーしないという覚書を交わしたが、このSu-33のコピーはそれを反故したことになる。このためロシアの対中兵器輸出は更に硬化した。
またウクライナは中国へ空母による艦載機の運用のためのノウハウも中国に供与してきた。遼寧はウクライナの支援がなければ、曲がりなりにも空母として完成させ、これを運用することはできなかっただろう。
ロシアは特に中国が自国のジェット戦闘機用のエンジン技術を「盗用」することを警戒しているが、ウクライナには旧ソ連時代の戦闘機用エンジンの整備工場があり、ウクライナはエンジン技術を中国に供与してきた。更に中国の輸送機開発にもウクライナは大きく関与してきた。
だが、2010年に親露派のヤヌコビッチ政権が誕生して以来、ロシアに配慮してウクライナの対中軍事技術供与はペースが落ちてきていた。また同時にロシアとウクライナの軍事技術面での「復縁」も始まって、交流も増えてきていた。
ヤヌコビッチ政権崩壊にともなって、経済状態も悪化してウクライナの対中武器技術供与に再びドライブがかかる可能性は否定できない。それは中国の軍事技術の近代化に拍車がかかることを意味し、我が国の安全保障環境にも少なからず影響を与える可能性がある。
ただ新政権は親EUとなる可能性が強い。かつては対中武器技術供与に積極的だったEUも、中国の軍需産業を輸出市場におけるライバルと見なしており、軍事見本市などでも中国企業を締め出す方向に向かっている。
我が国はEUと協力して、ウクライナに対して対中武器技術の自粛を促すべきだ。そのためには経済援助や投資などの「アメ」を用意することも必要だ。これは日欧双方、更にはロシアにとっても中国軍需産業の躍進を快く思っていないロシアの理解も得られるだろう。
清谷信一(軍事ジャーナリスト)
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