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2月28日(ブルームバーグ):ロシア軍が直接クリミアに関与していると、ウクライナのトゥルチノフ大統領代行が発言した。ウクライナの新政府はデフォルト(債務不履行)回避に向けて国際金融支援の獲得を急いでいる。
アバコフ内相代行のフェイスブックでの記載によると、制服姿の武装集団がクリミア自治共和国の首都シンフェロポリの空港に到着した。また、ロシアの黒海艦隊が基地としているセバストポリでも同艦隊の兵士がベルベク空港を封鎖したという。インタファクス通信は当局者を引用し、艦隊が関与を否定したと報じた。
ウクライナの通貨フリブナは27日に5%急落。クリミア半島の緊張とロシアの軍事演習が投資家をおじけづかせた。ウクライナからの分離を求める声が強まっているクリミアの混乱はウクライナの政治危機を深めるほか、ロシアに介入の口実を与えかねない。
27日に新政権の首班として承認されたヤツェニュク首相は同日の採決前に議会で、「今や国の結束問題になっている。分裂を求める者はウクライナとその国民に害をなすことになる」と訴えていた。「ウクライナは途方もなく厳しい経済的苦難に直面している」とも指摘した。
ヤツェニュク政権は発足第1日に、最大150億ドル(約1兆5300億円)相当の救済支援について協議するため国際通貨基金(IMF)の使節団をキエフに招いた。解任されたヤヌコビッチ前大統領は自身が正当なウクライナ大統領だと主張。逃亡先のロシアで28日記者会見するとしている。
クリミアにロシア国旗
ロシア寄りだったヤヌコビッチ政権の崩壊は東部や南部のロシア系住民を不安がらせ、先住民のタタール人との衝突を引き起こし、親ロシア派はクリミア議会と政府の建物を占拠しロシア国旗を掲げていた。
ロシアのプーチン大統領はクリミアへの人道支援の検討を政府に命じた。ウクライナ救済についてIMFや欧米諸国との協議に加わることも命じたと、国営ロシア通信(RIA)が報じた。
IMFはウクライナ財政が直ちに破綻することがないよう支援する意向を示唆している。ラガルド専務理事は声明で、ウクライナの要請に「応じる用意がある」と表明した。
アバコフ内相によれば、シンフェロポリの空港は機能している。ウクライナ軍の増強部隊が建物を取り囲んでおり、緊張は高まっているが衝突は起きていない。ロシアによる空港支配は主権国家の領土に対する「武力をちらつかせた不法占拠」だと同内相は非難している。ロシア国防省の報道官は直ちにコメントできないと述べた。インタファクス・ウクライナはセバストポリの空港を占拠している武装勢力はクリミアの自衛部隊でロシア軍ではないと報じている。
ロシアの黒海艦隊はセバストポリで基地用地を借用している。ロシア軍は26日にウクライナ国境近くで始めた軍事演習について、ウクライナでの政変とは関係ないと説明。しかし、トゥルチノフ大統領代行はロシア軍が基地外に出ることは侵略と見なすと述べ、外務省は駐キエフのロシア外交官を「緊急」協議に呼びつけた。
ヤツェニュク首相は27日、議会での承認前のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、ロシアが「友好国であり決してウクライナに軍事介入しない」と信じていると語っていた。
原題:Gunmen Occupy Crimea Airports as Ukraine Seeks IMFFinancial Aid(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N1PA956JIJUZ01.html
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