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シリア政府軍が反体制派地域の多くに包囲網をかけ、25万人もの市民は今、過酷な試練に置かれている。この状況を打破するためには、国連安全保障理事会が、シリアに対して人道的支援を制約なく実施できるように強く要求することが不可欠である。
首都ダマスカス南部にあるパレスチナ難民のためのヤムークキャンプには、シリアの人びとも住んでいる。反体制派武装勢力との交戦を受けてシリア軍は昨年7月、このキャンプを包囲したため、これまでに100人以上の男女と子どもが亡くなったことが、アムネスティの調べでわかった。
飢餓、医療不足、狙撃による殺害が多数の犠牲を出した主な原因である。シリア国内の複数の場所において、最低限必要な食べ物や医薬品も不足しているか底をついた状態で、包囲され身動きが取れなくなった市民にとって死活問題となっている。
国連安保理は昨年10月2日、人道的支援を行うための議長声明を採択した。法的拘束力を持たなくとも一歩は前進したかに見られたが、有名無実化していた。
そしてこの2月22日、ロシアと中国を含む国連安保理は、ようやく人道支援決議を採択した。しかし決議の実効性を確保するには、今後も注視が必要である。現在シリアで包囲網にある市民には、なんとしても救いの手が必要なのだ。
ヤムークキャンプの包囲解除交渉が行われる中、一部の包囲地域への人道的支援状況は限定的であるが改善し、数百人がダマスカスの他の地域の病院に避難した。
しかし、深刻な事態は依然続いている。
ホムス旧市街から市民を避難させるための短期停戦ですら破られ、2月半ばには支援物資を運ぶ国連の車両が攻撃された。
シリア政府軍がモアダミヤ、東グータなどの地域を包囲したことで、市民もまた閉じ込められ、食料ならびに医薬品が極度に不足するという最悪の状況にある。
一方、シ−ア派が大半を占めるアレッポ行政区域にある2つの街、ザワラとヌブルはここ数カ月、反体制に包囲されている。
一部の地域では人道的支援が進んでいるものの、シリア全体からみればごくわずかな改善でしかない。市民は戦闘に巻き込まれ、長期にわたって人道的支援の手が届いていない
ジュネーブでのシリア政府と反体制派との対話が行き詰まっている中、国連安保理は過酷な状況にあるすべての市民に適切な人道的支援が届く環境を一刻も早く整える必要がある。
またシリア政府は、国連のシリア調査委員会が、紛争当事者が犯した人道に対する犯罪および戦争犯罪などあらゆる人権侵害を調査することを認めなければならない。
さらに、アムネスティなどの人権団体にも現地に入る許可を与えるべきである。
またアムネスティは、政府には拘束する平和的な活動家の釈放を、反体制派には人質にとる市民の解放を、今後も求めていく。
アムネスティ国際ニュース
2014年2月13日
http://www.amnesty.or.jp/news/2014/0225_4480.html
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