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2014年02月08日
(バンギ)−中央アフリカ共和国政府は、イスラム教系武装勢力連合「セレカ」戦闘員と疑われた男性たちが、軍服姿の兵士たちに公の場でリンチにより殺害された事件を速やかに捜査し、加害者を訴追すべきだ、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。この超法規的殺害と遺体の切断は2014年2月5日、カトリーヌ・サンバパンザ暫定大統領が式典で何千もの軍関係者を前に、政府軍の再編成を誇りに思うと演説した直後に起きた。
式典の数分後、軍服姿の兵士たちが平服姿のある男性をセレカの元戦闘員だと非難した。兵士たちは、なたで男性を切りつけて頭部を大きな石で砕いたうえ、片足をくるぶしの下から、もう片足は全体を切断。その後男性の体を路上に置いてタイヤを積み上げると、火を放った。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ緊急対応部門ディレクターのピーター・ブッカーは、「中央アフリカ共和国の治安の希望であるべき瞬間が、おぞましい流血事件に一転してしまった」と述べる。「サンバパンザ暫定大統領がこの事態を強く非難し、加害者を訴追することが不可欠だ。」
約30分以上の間、子どもを含む群衆が死体が燃えるのを携帯電話で撮影しながらみていた。その後フランス平和維持軍が現場に到着すると、群衆に解散を促した。若者が犠牲者のひどく傷んだ足を持ってフランス軍に近づき、それを火の中に放り投げたとき、兵士たちの顔は恐怖にゆがんだ。
こうした残虐なリンチ事件は、首都バンギでの暴力沙汰が制御不能状態に陥るなかで日常茶飯事となっている。 過去2週間にヒューマン・ライツ・ウォッチの調査員たちは、暴徒による2件のリンチ事件と、平和維持軍が阻止した3件の未遂事件を目撃した。ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査チームが、標的となった男性を守るために暴徒との間に車で入り、被害者をルワンダ平和維持軍の駐屯地付近まで避難させたこともある。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは1月29日にもリンチ事件を目撃している。キリスト教系民兵組織「アンチバラカ」戦闘員が、バンギ空港近くでイスラム教徒の店主2人を殺害して手を切断。犠牲者の1人は性器も切断されたうえ、それを口に入れられていた。フランス平和維持軍が現場に40分以上いあわせたにもかかわらず、遺体切断を止めることはなかった。ヒューマン・ライツ・ウォッチがこれに対する懸念を表すと、指揮官が直ちに捜査を指示。実際に2月5日に起きたリンチ事件では、フランス軍が被害者の遺体切断を途中で阻止している。
イスラム教徒が主体のセレカは2013年3月に権力を掌握し、10カ月にわたって人権・人道的侵害の恐怖政治を行った。暴力は多くの場合、その座を追われたフランソワ・ボジゼ大統領(当時)に忠誠を誓ったと疑われた人びとに向けられており、多くの政府軍兵士も逃走した。サンバパンザ暫定大統領が演説した式典には政府高官や外交官、フランス平和維持軍とアフリカ連合平和維持軍の指揮官たちが出席しており、中央アフリカ共和国の新政府軍任命を目的としていた。
前出のブッカー緊急対応部門ディレクターは、「中央アフリカ共和国当局は兵士や市民に、私たちが水曜日に目撃したような残虐行為をやめるよう、声高かつ頻繁に訴える必要がある」と指摘する。「多くの残虐行為に耐え忍んできたこの国の人びとが政府に望んでいるのは、平和と法の裁きへの先導役であり、暴力へのそれではない。」
http://www.hrw.org/ja/news/2014/02/08-0
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