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2014/02/01 かくも拙劣なる軍事戦略 安倍政権の外交・安全保障政策を徹底検証 〜岩上安身による軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/123074
IWJの記事です。是非視聴下さい。
<小さい象さんの纏>
(1)田母神は自衛隊では評判が悪い。田母神は自衛隊の恥晒しだ。彼は大手の軍事企業の幹部をM資金の嘘話を信じ込んで巻き込んだ。警察沙汰になった。田母神の話は聞きかじりを都合の良い処をつまみ食いしているだけ。彼の論文はゴミだ。他の有力候補が事故を起こした責任をとってやめたため、代わりに田母神が空幕長になれた。←田母神は飛行機の操縦ができない人間でパイロットではない。
(2)辺野古移転は日本側の都合だけ。普天間基地を空軍のキャンプに移せば良いが、空軍と海兵隊は別な役所なので、同居を双方が嫌がっているだけ。海兵隊の方が現地で問題を起こす率が高く空軍が嫌がっている。でも、管制や業務容量的には十分受け入れ可能。沖縄の利権集団や基地の借料で利益受けている人がこの話を邪魔している。沖縄の海兵隊は戦力ではなく、戦闘時の民間人や兵士の救助部隊として駐留している。海兵隊に対中抑止力なんか初めからない。尖閣などの防衛は空軍しか出来ない。
(3)日本版NSCは貧弱で、ほとんど何もできないのではないか。人畜無害でしかない。
(4)オバマ政権は安倍を危険人物と見なしている。安倍訪米をあれほど嫌がった。アーミテージ見たいなジャパン・ハンドラーと付き合うからおかしくなる。外務省が間違えている。
(5)米国は中国と喧嘩できいない。軍需産業も中国が輸出先です。防空識別圏の問題も直ぐに認めた。
(6)日中戦争やったら日本は完全に負ける。兵力が桁違い。アメリカも中国に手出しできない。全面核戦争ならアメリカだが、そんな事は双方出来ないだろう。
(7)遼寧のような空母は全く実戦では役立たない。カタパルトの技術は米国しか持っていない。14度の上向き滑走路は波が有る場合は危険で飛ばせない。稼働率が悪すぎる。
(8)戦争が起きる要因は今でも「石油」だ。その意味で原子力は必要と考えている。しかし、潮流発電のようなものが実用化されれば、話が違ってくる。
(9)、敵基地攻撃論は空論だ。衛星監視で北朝鮮や中国のミサイル発射準備など発見できる能力は今でもない。やったら全面戦争になる。
(10)集団的自衛権は相手国の米国がやるなと言っている話。出来ない代物だ。
(11)今の自衛隊は、現実、日本本土防衛が出来る程度の能力しかない。計画も内部でやっていないだろう。計画が有れば、装備や人員配置の動きが出てくるがない。
(12)NPT条約に入っている日本が、核武装など出来ない。
(13)日米合同演習『ヤマサクラ』は演習のためのシナリオで、現実ではなく「小説」だ。
(14)軍事専門家として言えることは中国と仲良くする事だ。自衛隊は基盤的防衛力で日本の防衛に専念する体制で十分。
(15)海上自衛隊は外征する能力は装備の質・規模のレベルで見て、その能力はない。
(16)中国によるレーダー照射は相互にいつもやっている日常的な時柄。小野寺防衛相が騒いだから問題になった。小野寺防衛相や元防衛大臣の森本敏は軍事に本当に無知。
(17)細川護煕候補は朝日新聞の私の先輩。彼の父親は、政界入りは反対した。『お前はすぐ投げ出すから』と。
(18)マハンの海洋戦略とレーニンの帝国主義論。市場の拡大のために軍事力が必要だという議論。マハンもレーニンも間違いだ。今は軍事力で経済を支配できない。
(19)今米国はもはや反共国家などではなく、右派の台頭を警戒してる。しかし日本の政治家は、そのことを理解できない。現実否認に陥っているのでしょう。
以下、岩上安身氏のツイートのコピーです。
2月1日(土)「岩上安身による軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏インタビュー」の模様を実況します。
朝日新聞の入社面接の時、軍事問題をやりたいと面接官に言って合格しました。当時の朝日には、旧日本軍の海軍にいた方が多くてですね。『軍事志望だ』と言ったら、非常に喜ばれた記憶があります。
岩上「防衛大学に入られていたら、田母神さんの同僚になられたかもしれませんね」。
いやっ、あんなのとは(笑)。田母神さんは空自には多少は評判がいいかもしれませんが。彼はM資金の話に首をつっこんだりと問題が多い方。あの論文もとんでもないもの。あの論文で100万円の懸賞をもらったということで、『やったやった』と喜んでいた。陸・海の将校からしたら、あれは本当にしょうもない、という評価です。
岩上「タイムリーな話題として、ソチ五輪があります。テロ対策の問題が指摘されています」。
あそこは非常に危険。北コーカサスの武装集団が既に攻撃の警告を発している。チェチェン人は1957年にスターリンが死んで解放されるのだけれど今も強い怨みが。
岩上「IWJの記者で、内戦下のシリアに密入国して取材した子がいます。アルカイダの武装集団とかも、iPhoneなどを使って、右傾化する日本の状況を知っています」。
かつてイスラム国は、日本は日露戦争に勝ったということで尊敬していた。オバマ大統領は、中東から手を退こうとしているのでは。シリアの化学兵器の国際管理は、ケリーの提案を受けてロシアが仲介したということになっていますが、あれはアサド大統領から持ち出した話。今回、シリア政府は非常にうまく立ちまわった。集団的自衛権で、日本が中東に行くことはないのではないか。第一次安倍政権の時、安倍さんがNATOの司令部に呼ばれて、解釈改憲でアフガニスタンに兵を出すと約束した。第一次政権の時は、病気で安倍さんが退陣してかないませんでしたが。第2次政権で、安倍総理は集団的自衛権を日米首脳会談の手土産にしようとしたが断られた。しかし、日本に集団的自衛権を求めていたのはブッシュ政権でオバマ政権ではない。オバマにしてみれば迷惑千万でした。日本版NSCが出来ましたが、あれはあほらしい。米国のNSCは、ホワイトハウスの思い込みを補完するだけにしかなっていない。日本版NSCは貧弱で、ほとんど何もできないのではないか。人畜無害でしかない。
岩上「安倍政権は国家戦略特区をやろうとしている。しかし、外国人は土地を買ってはいけない、ということをNSCの戦略に掲げていたりする」。
本当に支離滅裂ですね。外務省は北アイルランドのG8で日米首脳会談をセットしようとしましたが実現しなかった。米国は、日本と親密だと思われると中国の機嫌を損ねるので、日本と距離を取ろうとしている。しかし、日本の保守派はそういう現実から目をそらし、否認している。台湾の陳水扁が憲法を改正しようとして中台関係が緊迫した時、米国は台湾ではなく中国についた。馬英九はハーバード大卒で、米国のエージェントみたいなもの。ほとんど米国人。だから馬英九は中国とくっつく。親米と親中はセットなのです。安倍総理の靖国参拝に米国が失望声明を出しましたが、独ソ不可侵条約を思い出しました。当時の総理だった平沼騏一郎は、ナチスと共産主義がくっつくなんて『複雑怪奇』と言って辞任した。米国の声明は、中国に向けたサービスだったのでしょう。米国の軍需産業は、航空機がほとんど。中国は米国のボーイングを年間700機近くも買っています。防空識別圏の問題の時も、航空会社のことを考えれば、米国は中国と喧嘩できなかったのです。
岩上「防空識別圏の時、米軍はB52を飛ばしました」。
実は、あれは防空識別圏の問題と関係ないんですよ。防空識別圏は領空ではないので。軍の演習計画は年単位で決まるので、あれは防空識別圏への威嚇とかそういうものではない。米国は民間航空機に対し、中国に飛行計画を提出するよう言いました。しかし安倍総理は会見で『そういう事実はない』と言いましたね。おそらく外務省に吹き込まれて、それをそのまま喋っているのでしょうね。米中韓だけでなく、EU、ロシア、ベトナムです。中国包囲網を作ろうとしたら、日本が包囲されることになってしまった。防空識別圏問題で安倍総理はASEANに協力を求めましたが、相手にされませんでした。米国にしろロシアにしろ、とにかく中国とくっつきたい。その際、右傾化している日本はいいダシにされてしまっています。簡単なことです。親米=親中なんですから、中国と仲良くすればいい。現在の中国には、貧富の格差があると言われていますが、6億人の中産階級がいると言われています。少なくとも4億人は自動車を持てる。
岩上「中国のこの市場を失うきっかけになったのは、石原さんの尖閣購入発言です」
石原さんの発言が、どれだけ国益を損ねることになったか。兆単位での損失があったと言われます。しかもあれは、自治体の首長としては越権行為です。
岩上「石原さんが尖閣購入の講演をしたのがヘリテージ財団。そのヘリテージ財団のクリングナー情勢研究員が、昨年の衆院選の前に『日本のナショナリズムの高揚はワシントンにとって絶好の機会だ』と。安倍政権はアーミテージ報告の提言通りやっています」
安倍さんがハドソンなどで講演しているのは米国の野党と仲良くしているだけ。拉致問題の時から、安倍さんは米国政府にとって要注意人物でした。米国にとって、平壌宣言は非常に大きな成果でした。米国の見立てとしては、日本は北朝鮮に核武装を黙認し、それをきっかけに日本がNPT体制から脱退しようとしているのでは、と考えた。それでその裏取りのために、米国の要人が私の所に話しを聞きにきましたが。アーミテージなんてのは、もう古い人たち。ああいうジャパンハンドラーと付き合っているから駄目になるんです。彼らは米国の中のほんの一部。外務省は、その米国のほんの一部のジャパンハンドラーのことしか考えていない。
岩上「尖閣問題について。中国と戦争やったら勝てる、というような話が巷間で言われていますが」。
とんでもない、負けます。防衛省はシュミレーションをやっていますが、負けると言っている。戦闘機の数は、中国は320機で日本は那覇空港に20機だけ。戦争は防御が有利です。それは孫氏やクラウゼヴィッツの頃からずっとそう。しかし尖閣は日中の中間にあるわけだから、防御にならない。あと、遼寧のような空母はまったく戦力になりません。カタパルトがないですから。
岩上「日本は、『いせ』『ひゅうが』『いずも』といったヘリ護衛艦を備えていますが、あれは空母ではないですか」。
空母です。ハリアーどころか、F35だって飛べる。『いずも』は2万トンですから、戦中の帝国海軍の空母よりも大きい。
岩上「数的不利ということで、しかも空母もあまり意味がない。そこで辺野古ということになるんでしょうか」。
戦闘機を大量に置くためには広大な土地が必要。在日米軍と海兵隊に全部出て行ってもらって、そこを自衛隊で埋めれば数字的には補える。そもそも、尖閣をきっかけに中国が日本を戦争としようとしているとはとても思えない。中国が沖縄を取って、何の利益があるでしょうか。だから、中国と戦争をする必要がありますか。台湾と中国も非常に親密な関係で、近く首脳会談もあるかもしれない。
岩上「名護市長選で稲嶺さんが勝ちましたが」。
辺野古埋立が難しいとなると、普天間の固定化になるんじゃないか。米軍としては、海兵隊の中国上陸なんて考えていない。あそこに配備するのは800人程度の一個大隊。目的は戦争ではなく民間人の救出です。
岩上「尖閣で制限戦争があった場合、拡大しますか」。
もちろんです。イラク戦争で米軍がバグダットを占拠して勝ったとか言ってますが、そんなことはない。通常弾だけでなく、核ミサイルを撃ってきますよ。原発のコストが事故のことも含めて高いという議論がありますが、石油のコストには軍事費を含めなければなりません。石油依存が高まると、戦前の日本のように、戦争に追い込まれかねない。石油依存を減らせば、間違いなく戦争のリスクは減ります。石油依存こそが一番危険。それなら、原発のほうがまだましでしょう。
岩上「3.11以後、色んな方にインタビューしましたが、ここまで正面から脱原発に異を唱える方は初めてですね(笑)。新しい防衛大綱に、敵基地攻撃論の検討が含まれていますが。
いや、あれはできないと思います。北朝鮮のミサイルは山の中に隠れていて、しかも移動可能。偵察衛星でも見つかりません。1日1回北朝鮮の上空を飛ぶだけで、見つけようがない。
岩上「安倍総理や礒崎陽輔首相補佐官は集団的自衛権を今国会でやりたいと言っていますが」。
米国はやるなと言っているのですから、できないんじゃないですか。米国は中国のほうを重視しているわけですから。
岩上「今回の都知事選、どう見ていますか」。
分かりません。まったく関心がないから。私が関心があるのは米中関係であって、東京都のようなローカルな話題に関心はないし、誰がなっても関係ないでしょう。どうでもいい話です。
岩上「米国がプルトニウムを返せと言ってきました」。
NPTに入ってますし、日本が核武装するなんてのは無理ですよ。米国が経済制裁をして、爆撃もしてくるでしょうから、そんなことは出来ませんよ。安倍さんの米国頼みの核武装は矛盾している。
岩上「石破さんが攻撃的なことを言うのはなぜでしょう」。
自民党の中の人気取りじゃないですか。彼は実務的でよく分かっています。敵基地攻撃が不可能なんてことはよく分かっているはず。彼は安倍さんのようなイデオロギーの方は本当は大嫌いなはずです。日本のイージス艦はミサイルを8発しか持っていない。この程度の弾数では意味がない。ただの気休めの御札でしかないんです。あんなのにお金をかけてどうするのか。自衛隊を海兵隊化すると言いますが、尖閣奪還に必要なのは制空権なので、全く意味がない。
岩上「日米合同演習『ヤマサクラ』というのがありますね。3.11以後に若狭湾で中国軍が上陸しているというシュミレーションをしています」。
中国軍の上陸なんてありえない。自衛隊が都合よく描いている『小説』のようなものでしょう。
岩上「軍事の専門家として、日本の外交はどうあるべきでしょうか」。
米国が言うとおり、中国と仲良くすることです。尖閣はもちろん棚上げです。日本固有の領土と主張している外務省の官僚は、アーミテージの顔色をうかがっているだけです。
岩上「これからの自衛隊のあり方は。お話しを聞いていると武装中立論ですよね」。
小さくていいので、しっかりとしたものを作っておく。仮想敵を作らなくてもよい。基盤的防衛力で十分です。
岩上「陸・海・空、どれを重視すべきでしょう」。
サッカーのようにお互いに密接に結びついているので、一つに特化すべきではありません。
岩上「海上自衛隊は既に外征型に変質していると言われますが」。
いや、そんな能力はないでしょう。
岩上「日本のタカ派には、もう一回戦争をやって、ポツダム体制を覆そうという欲望があるのでは」。
今の日本が中国に勝てるわけがないですか。朝鮮戦争で、人民解放軍は米軍をも駆逐したんですよ。米国の側が講和を申し入れたんです。昨年、中国によるレーダー照射がありますね。あんなのは日常茶飯事。しかし小野寺防衛相が騒いだから問題になりました。緊張を煽ったというよりも、彼は単に無知なだけ。元防衛大臣の森本敏、彼も本当に無知。
岩上「海兵隊の前方展開が抑止力になると言っているが、そんなことはないでしょう」。
海兵隊にそんな能力がある訳がない。エネルギー問題に関しては、私は海流発電をすべきだと思っています。普通の船にプロペラをつけて、海流でごーごー回す。日本は目の前に黒潮があるのに、それを使わないのはどうかと思いますよ。ドイツは海がないので、仕方なく風力にしている。細川さんは朝日新聞の私の先輩です。防衛庁担当の引き継ぎは彼からしました。今回の出馬、これは私は無理な話だと思う。日本新党の時はよかったですけどね。『樋口レポート』についても私は賛成。彼が辞任したのは佐川問題。それですぐ投げ出しちゃった。細川さんは朝日新聞の私の先輩です。防衛庁担当の引き継ぎは彼からしました。今回の出馬、これは私は無理な話だと思う。日本新党の時はよかったですけどね。『樋口レポート』についても私は賛成。彼が辞任したのは佐川問題。それですぐ投げ出しちゃった。彼の父親は、政界入りは反対したんですよね。『お前はすぐ投げ出すから』と。そしたらその通りになってしまいました(笑)。
岩上「細川さんは脱原発だけでなく核武装にも反対だと言っているようですが」
NPTなんて知らないでしょう。自民党のタカ派の政治家なんか、誰もNPTなんか知らない。日本国憲法の話しかしないですから。
岩上「自民党はそんなに劣化してるんですか⁉」
岩上「(自衛隊幹部の劣化)これはどうしたらいいんですか?」。
防衛大学をやめて、一般大学で軍事の教育をする。昔の学徒出陣では東大とか慶応とか優秀な学生がたくさん行きました。そうしたら、士官学校上がりの将校よりもよく出来た、という話があります。
岩上「集団的自衛権で、アフリカに行かされる話はないですか」。
それはPKOでしょう。米国との集団的自衛権ではないのではないか。米軍は財政難で、戦争から手を引きたい状態。Pivot to Asiaと言っているのは、アジアの市場が大事だから。マハンの海洋戦略とレーニンの帝国主義論。市場の拡大のために軍事力が必要だという議論。マハンもレーニンも間違いですよ。
岩上「エアシーバトルはマハンの理論に基いていますよね。それはもう破綻していると」
特定秘密保護法について。僕はあれ賛成。これまで秘密の管理は各役所で非常に適当だった。
岩上「秘密保護法の9条で、米国に情報をつつ抜けになるのでは」。
情報を渡せるというだけで、すべて渡さなければならないということではないのでは。
岩上「小野寺防衛相は『米国の盗聴なんて信じたくない』と言いました」。
現実否認に陥っているのでしょう。米国はもはや反共国家などではなく、右派の台頭を警戒しています。しかし日本の政治家は、そのことを理解できない。
以上で実況を終了します。長時間にわたりご視聴いただきましてありがとうございました。動画アーカイブは準備が整い次第IWJのホームページにアップします。http://iwj.co.jp
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