http://www.asyura2.com/13/warb12/msg/386.html
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シリア内戦の終結をめざす和平会議「ジュネーブ2」の参加国は、同国で約1万1000人の被拘禁者が殺害されたという疑惑を徹底調査し、拘禁状況の査察を強く求めなければならない。
過日、元戦争犯罪捜査官と法医学専門家が、報告書「シリア政権が投獄した人びとへの拷問と処刑の証拠写真の信憑性報告」を作成した。被拘禁者の遺体らしき数千枚の画像と記録文書をもとにしたものだ。画像は離反した元軍警察のカメラマンによって撮影され、国外に秘かに持ち出された。
シリア和平会議はこの虐殺疑惑を最優先の課題として取り上げるべきである。拘禁施設や国内全域の悲惨な人権状況には、何らかの具体的な措置が必要だ。
また、各国首脳は、調査委員会や人権団体が、同国すべての拘禁施設に立ち入ることができるように、要求しなければならない。
アムネスティはシリア政府による拷問と強制失踪を独自に調査したが、報告書が投げかけている疑惑は独自調査内容と符合しており、信憑性は高い。
筆者のひとりは、英国のガーディアン紙に「大規模な殺戮があったことを示す証拠だ」と語った。虐殺が事実ならば、驚くべき規模で行われた非人道的犯罪である。なぜ国連安保理がシリアの状況を国際刑事裁判所の検察官に付託しないのだ、という疑問があらためて出てくる。
画像データを国外に持ち出したのは、離反した元軍警察のカメラマンだった。死亡証明書の作成と処刑が行われたという事実の記録のために、多いときは1日50の遺体を撮影したという。撮影期間は、民衆デモが始まった2011年から2013年8月までで、およそ1万1000体、約5万5000枚を撮った。
この報告書が明らかにした事態は、国営の拘禁施設に拘束されている活動家や強制失踪者など何千もの人びとの安否に重大な懸念を投げかける。
ジュネーブ和平会議で参加国は、シリアに対して強制失踪、秘密裏の拘禁・拉致の被害者の所在と安否を明らかにするよう求めなければならない。
シリア政府は、被拘禁者を人道的に処遇し、単に、表現、集会、結社の自由の権利を行使しただけで投獄されている活動家を即時無条件に釈放するべきだ。自由を奪われた人は誰でも、直ちに家族や弁護士と接触でき、また必要な医療を受けられるようにしなければならない。
同時に、「ジュネーブ2」参加国は、武装反政府グループによる拷問と裁判なしの殺害についても何らかの対応をしなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2014年1月21日
http://www.amnesty.or.jp/news/2014/0123_4439.html
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