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シリアの数百万の人びとの惨状に終止符を打つため、世界はただちに行動を起こす必要がある。現在、住民の多くが飢餓に陥る危険にあり、医療や避難所の不足に直面している。
危機的な状況にあるシリアに対する世界の対応はあまりにお粗末だ。国連は2013年6月、44億ドルという国連史上最大規模の援助要請を発表したが、2013年末時点で各国から集まった拠出額は、目標額の70%止まりだった。そのため、支援が必要な人全員には物資が届かず、これからの数カ月、過酷な冬を限られた物資で過ごさなければならない。
多額の支援を行った国々がある一方で、中東湾岸諸国でも特に資金が豊富なアラブ首長国連邦などは、約束に反して十分な支援を行わなかった。シリアに強い政治的関心を抱くロシアですら、人道支援への貢献はわずかであった。
紛争が続くシリアは、近年で最大級の人道危機である。
国内避難民650万人を含めて国内に留まっている人びとが置かれている状況は、特に深刻だ。政府軍が封鎖した地域内で身動きが取れない人びとも多い。深刻な食糧不足に陥り、餓死する人びともいる。近隣諸国に逃れることができた人びとも、難民キャンプの中で深刻な物資不足に直面している。
アムネスティは世界各国には人道支援を求めてきた一方、シリア政府には居住地域の封鎖を解くことを訴えている。政府と反体制勢力の両者は、人道支援団体や機関が住民へ直接支援ができるようにするべきである。
また各国は、難民の再定住に向けた支援努力を分かち合うべきである。
これまで再定住支援は、非常にお粗末なものであった。EU諸国全体が約束したのは、国外避難民230万人のわずか0.5%の受け入れにすぎない。
現時点では、シリア紛争により自宅を追われ国内外への非難を余儀なくされた人びとの多くが、必要な支援を受けることがまったくできていない。国際社会は、あらゆる面での取り組みを強化し、「シリア難民のことを忘れてはいない」ことを態度で示さなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2014年1月13日
http://www.amnesty.or.jp/news/2014/0123_4433.html
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