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【カイロ秋山信一】イラク西部ファルージャを国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力が制圧してから18日で2週間。マリキ首相は、軍の特殊部隊を派遣し、地元部族に武装勢力への協力をやめるよう呼びかけている。だがファルージャにはイスラム教スンニ派が多く、シーア派主導のマリキ政権への不信感が根強い。マリキ首相が4月の国民議会選挙に向けて、「テロと戦う指導者」をアピールするために混乱を利用しているとの批判も出ている。
「イラクの指導者には根本的な問題解決を求めたい。政治的な団結が必要だ」。今月13日にバグダッドを訪問した国連の潘基文(バンキムン)事務総長はマリキ首相との共同記者会見でそう述べ、宗派対立が問題の原因だとの見方を示唆した。だがマリキ首相は「ファルージャで起きていることはイラクの問題とは関係ない。アルカイダとは交渉しない」と反論した。
バグダッド西方にあるアンバル県では昨年末、マリキ政権がスンニ派中心の反政権デモを強制排除した。スンニ派の国会議員らの反発を受けて、政権は主要都市のラマディとファルージャから軍部隊を撤退させたが、混乱に乗じてスンニ派のアルカイダ系組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」が攻撃を開始。今月4日までにファルージャとラマディの一部を制圧した。
軍は「首相直轄」とも言われるシーア派主体の特殊部隊を派遣し、空爆も行っているが、戦闘は一進一退が続く。マリキ首相は地元部族に軍への協力を呼びかけたものの、一部の部族は拒否している。首相は15日、「沈黙を続ければ悪魔の国が出来上がり、地域や世界の治安に大惨事を招く」と述べ、外国にも支援を求めた。
スンニ派からは、マリキ首相が一連の混乱を自身の支持拡大に利用しているとの批判も出ている。イラクではアルカイダなどのテロで治安が悪化、電力供給にも支障が出ており、シーア派からもマリキ政権への批判が高まっていた。だが国営メディアが連日、軍事作戦を大々的に報道し、シーア派の間ではマリキ首相の人気が高まっている。
イラク人ジャーナリストのアンジャド・タレエ氏は「アンバル県はマリキ首相に批判的なスンニ派が多く、混乱で首相が失うものは少ない。メディアを通じて自身を英雄視させ、不満をそらし、選挙に利用しようという意図もみられる。だがこれ以上混乱が長引けば、支持の低下を招く可能性もある」と指摘している。
http://mainichi.jp/select/news/20140118k0000e030234000c.html
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