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アフリカ中部の南スーダンで民族対立に伴う戦闘が激化している。衝突からの10日間で1000人を超す死者が出ており、国連安全保障理事会が国連平和維持活動(PKO)部隊の大幅増強を決めるなど、国際社会も介入に動き始めた。日本も自衛隊員を派遣している南スーダンで何が起きているのか。ポイントをまとめた。
Q 南スーダンはどんな国なのか。
A 2011年に誕生したばかりの国で、人口は約820万人に上る。アラブ系イスラム教徒が中心のスーダン中央政府に反発する南部の黒人キリスト教徒が長年の内戦を経て、住民投票で分離・独立を決めた。ところが、今度はその黒人キリスト教徒の間で民族対立が激しくなった。
今回の戦闘は多数派ディンカ族のキール大統領が今年7月、ヌエル族のマシャール前副大統領を解任したのがきっかけだ。政争から民族対立に火が付き、今月15日に政府軍と反大統領派の部隊が衝突。戦闘が全土に拡大している。
Q 戦闘拡大でどんな影響があるのか。
A 南スーダンの原油の確認埋蔵量は35億バレルに達するとされ、アフリカ大陸では6番目となる。すでに原油の生産量は落ち込んでおり、油田地帯を巡る戦闘も激しさを増している。南スーダンの油田に多額の投資を続けてきた中国では投資資金の回収や原油調達への懸念が出ており、中国外務省は政府と反大統領派に自制と対話を求める声明を発表した。戦闘が長引けば原油の国際価格にも影響が及ぶほか、地域の安定が揺らぐ懸念がある。
Q 国際社会はどう対応しているのか。
A 国連安保理は24日、現地のPKO部隊に約6000人を派遣する決議案を採択した。4万5000人もの避難民がPKO拠点に逃げ込んでいるうえ、PKO要員が殺害されるなど混乱が広がっているためだ。
ただPKO部隊の増派は本格的な問題解決にはならない。スーダンとは違って親欧米の南スーダンを支援してきた米国は経済援助の凍結を示唆するなど圧力を強化。そのうえでケリー米国務長官はキール大統領・マシャール氏とそれぞれ電話で会談し、即時停戦と政治対話を促している。現地では虐殺が起きている疑いもあり、米国務省は「国際法違反の可能性がある」(サキ報道官)と指摘している。
Q 日本の対応はどうなっているのか。
A 日本政府は南スーダン独立直後の12年1月から自衛隊の施設部隊を派遣し、インフラ整備を支援してきた。現在は約400人が活動している。首都ジュバで銃撃戦が起きてからは宿営地外での活動を自粛。避難民らへの給水や医療支援をしている。
外務省によると、南スーダンのPKOに参加するのは68カ国。ルワンダやケニアといった周辺国に加え、中国や韓国などからも派遣されている。(カイロ=押野真也)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2503Z_V21C13A2FF2000/?dg=1
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