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1996年には台湾危機を救った米空母「ニミッツ」。今度は尖閣危機に出動するのか〔PHOTO〕gettyimages
そのとき、米軍の空母は中国の戦闘機を撃ち落とす スクープレポート すわ、米中開戦か
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37749
2013年12月10日(火)週刊現代 :現代ビジネス
■戦略爆撃機が出動
「11月26日に、アメリカはB52戦略爆撃機を2機、尖閣付近の上空に飛ばしました。尖閣付近には、赤尾礁と黄尾礁という2ヵ所の射爆撃場があるため、アメリカ軍としても看過できないのです。もちろん日米安保の第5条に、尖閣は含まれるという認識です」
こう語るのは、軍事評論家の世良光弘氏だ。
中国が23日に防空識別圏を設置したことは、「今後10年は中東海域の防衛から東アジア海域の防衛にシフトする」と宣言している米オバマ政権をも大いに刺激した。
ヘーゲル国防長官は同日、「アメリカの軍事行動は今後とも一切変えることはない」との声明を発表した。そしてわずか3日後に、「現状変更」を求める中国を挑発するかのように、戦略爆撃機2機を、中国が主張する防空識別圏に送り込んだのだ。
世良氏が続ける。
「アメリカはこれまで、日中間の争いを、いわば静観の構えだった。もっと言うなら、日本の領土である尖閣防衛のためにアメリカ兵の血を流す必要はないと考えていました。
ところが今回、第2次世界大戦後にアメリカが線引きした防空識別圏を、中国が勝手に書き換えたわけです。このことでアメリカは、第三者から当事者に変わりました。今回の中国暴挙を、アメリカとしては絶対に許せないのです」
ニューヨークタイムズ紙のマーティン・ファクラー東京支局長も語る。
「戦略爆撃機の投入は、アメリカは中国の防空識別圏を認めないという明確なサインです。
思い出すのは、いまからちょうど3年前の'10年11月に、北朝鮮軍が韓国の延坪島を砲撃した時のことです。その時、中国が北朝鮮の暴挙を容認したことに立腹したアメリカは、わざわざ中国が自国の領海と主張する海域に空母を派遣し、中国の無責任な行為を牽制したのです。
これは、中国が国際的に無責任な行動を取るなら、北朝鮮と同じ無頼国家とみなすというシグナルでした。今回も同様のシグナルを中国に送り、中国側の出方を見ているのです」
つまり、アメリカはもはや黙っていないということである。
今後のアメリカの展開について、ファクラー支局長が続ける。
「12月2日からバイデン副大統領が、日本、中国、韓国を訪れるので、これがポイントになるでしょう。その時、バイデン副大統領は習近平主席と直接会って、今回の真意を質すと述べています」
バイデン副大統領は、「習近平を最もよく理解するワシントンの大物」と自他共に認める人物だ。
バイデン副大統領は'11年8月に、6日間も訪中し、当時の習近平副主席と行動を共にし、二人で四川省へも旅している。また昨年2月には、習近平副主席が訪米し、ワシントンからアイオワ州の農場、ロサンゼルスのハリウッド見学まで、5日間のすべての日程に同行し、親密ぶりを見せつけている。
そんなバイデン副大統領自ら北京へ乗り込んで、習近平主席が起こしている暴挙≠牽制するというわけだ。
一方、キャロライン・ケネディ新大使就任に盛り上がる東京のアメリカ大使館では、早くも「打倒中国」の気運が盛り上がっているという。アメリカ大使館の外交官が語る。
「実はケネディ大使は、11月下旬に非公式に岸田文雄外相と会談し、日本側の意向を聞いています。その時、『今回の中国の一方的な行動は、地域の緊張を高めるだけだ』という日本側の考えに完全に同意し、オバマ大統領にその旨、報告しているのです。
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折しも、空母ジョージ・ワシントンが沖縄周辺で、自衛隊と合同訓練を行っている最中です。『'96年の再現』となる可能性が出てきました」
'96年3月に、台湾で初めて総統直接選挙が行われた。その時、台湾独立派で現職の李登輝総統が再選されそうになったことで、人民解放軍は台湾海峡で、ミサイル演習などの威嚇を繰り返した。
そのあげく、当時の熊光楷副総参謀長が、「アメリカがちょっかい出したら、ロサンゼルスへICBM(大陸間弾道弾)を飛ばして火の海にしてやる」と挑発した。
これに対しアメリカ軍は、迷わず空母ニミッツとインディペンデンスを台湾海峡に派遣。中国海軍を蹴散らしてしまったのだ。アメリカは今回も、東シナ海海域に空母を出して、中国を威嚇することが考えられる。
だが中国は、「'96年の反省」として、空母の建造を始め、今回ついに空母『遼寧』を南シナ海に繰り出している。最新鋭の戦闘機も、約500機保有している。つまり、中国軍は当時より格段にパワーアップしているのだ。
実際、中国外交部の秦剛報道局長は11月27日、「わが国は現在、脅威の程度を見極めているところであり、相応の対応をする」と、強気の発言を繰り返している。
■日本は巻き込まれる
こうした米中の緊張が高まれば、この先、東シナ海で何が起こるのか。前出の世良氏が続ける。
「アメリカ軍は自衛隊と違って、中国機が自国の飛行機にロックオンをかけるような事態になれば、即座に中国機を撃墜します。そもそもアメリカとしては、公空上を飛んでいるところへ中国機が『準戦闘行為』に出たという解釈なので、撃墜は当たり前です。これはオバマ政権の威信にかけてもやります」
オバマ政権は、9月にシリア空爆を巡って、オバマ大統領自ら「空爆する」と宣言しておいて実行に移せないという失態を演じた。その後、対イラン外交では一転して、11月下旬に穏健派のロウハニ新政権と核問題で妥結に至った。ようやく外交上で巻き返しを図ったところで、「アメリカ最大の権益」である東アジアにおいて、失態を犯すわけにはいかないのだ。
前出の日本政府の外交関係者が語る。
「12月4日に日本版NSC(国家安全保障会議)ができることで、ようやく日米の連携が新たな時代を迎えます。仮に今後、米中激突となれば、自衛隊が後方支援をするのは当然で、このことは10月3日の2+2(日米安全保障協議委員会)でも確認済みです」
どちらが挑発に乗って引き金を引くのか。米中2大国によるチキンレースが始まった。
「週刊現代」2013年12月14日号より
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