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http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2013/1207.html
日中戦争から太平洋戦争の時代、作家・火野葦平が戦場で克明に記した20冊に及ぶ従軍手帳の全貌が明らかになった。
北九州市若松の石炭荷役労働者・組頭の家に生まれた火野は、庶民への眼差しを生涯手放さなかった作家であった。出征前に発表した「糞尿譚」で芥川賞を受賞し、前代未聞の戦場での授賞式に望んだ火野。陸軍報道部員に抜擢され、戦場で書いた「兵隊三部作」は、大ベストセラーとなり、一躍国民的作家となる。
日中戦争では、杭州湾上陸作戦から、南京、徐州へ。太平洋戦争では、バターン(フィリピン)、インパール・・・激戦地に従軍。フィリピンでは宣撫工作に携わり、大東亜共栄圏の理念をフィリピン人捕虜に説き、南京で開かれた大東亜文学者大会の主要メンバーともなった。
一方で、陸軍の検閲が火野のペンに加えた制限は、大きなものであった。近年公開された父親宛書簡には戦時中公表できなかった中国兵殺害の事実がつづられていた。インパールでは、補給を無視した作戦で多くの兵士が餓死。火野は軍の作戦に疑問をふくらませていった。
敗戦後火野は、戦争協力者として公職追放となる。その後、中国を訪れた火野は、おのれの戦争責任を見つめ、『革命前後』を執筆。昭和35年、53歳でみずから命を絶った。
残された従軍手帳をもとに火野葦平の軌跡を見つめ、作家と戦争の関わりを考える。
出演:浅田次郎(作家、日本ペンクラブ会長)、中村哲(医師、火野葦平の甥)ほか
語り:西島秀俊 朗読 古舘寛治
(内容時間 89分)
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