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習近平は本気で日本の航空機を撃墜する スクープレポート すわ、米中開戦か
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37748
2013年12月09日(月) 週刊現代 :現代ビジネス
日本が尖閣諸島を国有化してから1年余り、ついに中国が「防空識別圏設定」というカードを切った。対日強硬策をエスカレートさせていく習近平の野望≠ノ日本はどう立ち向かってゆけばよいのか。
■報復がついに始まった
11月24日、習近平主席は極秘裏に、山東省青島の北海艦隊基地に降り立った。青島基地は、浙江省寧波の東海艦隊基地、広東省湛江の南海艦隊基地と並ぶ中国海軍の要衝だ。
人民解放軍を統轄する中央軍事委員会主席でもある習近平主席は、すでに氷点下近い寒さの中、翌朝に初の遠洋航海訓練を控えた空母『遼寧』の乗組員たちを整列させて、舌鋒鋭く訓示を飛ばした。
「能打勝仗、打赢戦争!」(戦闘能力を高め、戦争に勝て!)
『遼寧』は、人民解放軍が保有する唯一の空母である。「海洋強国」を国是に掲げている習近平主席は現在、アメリカ軍に対抗できる空母増強を急ぐよう軍に厳命している。
『遼寧』は、ウクライナの空母『ワリャーグ』を大幅に改修し、昨年9月25日に海軍に引き渡された。習近平主席は、今年8月28日に、大連軍港に停泊していた『遼寧』に搭乗。「今日初めて空母に乗って、人民解放軍の偉大な能力に感動した」と勇ましげに述べている。
今回はその『遼寧』が、いよいよ遠洋に航海することになり、わざわざ北京から密かに激励に来たのだ。
26日朝、『遼寧』は、ミサイル駆逐艦『瀋陽』『石家荘』、ミサイル護衛艦『煙台』『濰坊』など、多くの艦艇を伴って、南シナ海へ向けて出港した。中国国防部の発表によれば、「南シナ海で通常の訓練を予定している」という。
この急転直下の中国空母の動きに、日本を始めとする東アジア諸国は、警戒態勢を取った。
その3日前の11月23日午前10時、中国国防部は、東アジア諸国・地域を震撼させる「もう一つの発表」を行った。
「本日、午前10時をもって、釣魚島(尖閣諸島)海域一帯に、防空識別圏を設定する。今後、この空域をわが国に許可なく通行することを禁じ、指示に従わない航空機に対しては防御的緊急措置を講じる」
日本政府の外交関係者が明かす。
「まさに青天の霹靂でした。
まず発表時間と、措置を取る時間が同時というのは、非常識も甚だしい。
思えば昨年9月に、日本は尖閣諸島を国有化しました。それに対する中国からの本格的な報復措置が、ついに始まったと受け止めています。
そのため政府としては、外務省トップの齋木昭隆次官が、中国大使館の程永華大使を呼びつけ、厳重抗議しました」
25日午後4時過ぎ、予定より2時間近く遅れて、程永華大使が堅い表情で外務省へ入った。
この時、齋木次官と程大使は、激しい応酬を交わしたが、途中で程大使は言葉に詰まってしまったという。前出の外交関係者が続ける。
「防空識別圏の設定に関して、中国国防部の解釈では『民間航空機も対象にする』ということでした。そこで齋木次官が、『このような非常識な設定をするのは世界広しといえども中国だけだ』と非難したのです。防空識別圏というのは通常、軍用機に対して設定するものだからです。また、尖閣諸島の上空だけ『識別圏外の領空』としていたことにも抗議しました。
すると程大使は、叱られた子供のように押し黙ってしまいました。おそらく程大使は、外務省を訪れる直前まで、防空識別圏という概念すら知らなかったものと思われます。特命全権大使という肩書ながら、何の権限も持たないメッセンジャーに過ぎないことが露呈してしまった。換言すれば、いつものように中国外交部を無視して習近平と人民解放軍が暴走したということでしょう」
軍事評論家の世良光弘氏も、中国の非礼ぶりを指摘する。
「不法侵入した他国の航空機を撃ち落としてもよいというのは、海岸線から12海里(約22km)までの領空に限るというのが国際常識です。それを中国は今回、広大な東アジアの海域を、いわば準領空≠セと主張したのですから、非常識も甚だしい。そもそも防空識別圏というのは、周辺国と相談して決めるというのが国際常識です」
今回、「非常識な中国」は、全日空と日本航空に対しても、防空識別圏の設定を通告してきた。両航空会社の広報担当者が、当惑気味に語る。
「11月23日に突然、防空識別圏を設置したので、今後はすべての旅客機に関する飛行計画書を一つひとつ提出するようにという通知が、中国の航空当局より来ました。われわれは乗客と乗員の命を預かっているわけで、無視できません。そこで、翌日までの香港便と台湾便に関する16便分を、慌てて提出したのです」(全日空広報担当者)
「23日正午頃、突然ノータム(NOTAM)が発表されました。ノータムというのは、国土交通省の航空情報センターを通じて知らされる世界の航空情報のことです。ノータムに従うのが民間航空会社の国際ルールとなっているので、以後の指定区域を通る便に関する飛行計画書を、中国当局に通知したのです」(日航広報担当者)
たしかに一般人の命を預かる全日空と日本航空にしてみれば、致し方のない措置だったのだろう。
■現在の戦局を読む
だが、こうした行為に誰よりも激昂したのが、安倍晋三首相だった。「尖閣諸島は日本の固有の領土であり、その領空を通る日本の民間航空機が、なぜ中国の許可を得なければならないのか」というわけだ。
官邸関係者が明かす。
「中国が防空識別圏の設定を発表した翌24日朝に開かれた閣議で、安倍首相は、航空行政を管轄する太田昭宏国交相に対して、『全日空と日本航空の行為を直ちに止めさせるように』と強い口調で迫りました。すると太田国交相は、『総理、それって一体、何のことでしょうか?』と聞き返したのです」
つまり、安倍首相に指摘された時点で、担当大臣が事態をまったく把握していなかったのである。外交関係者が続ける。
「この回答に、いよいよ怒りが沸騰した安倍首相は、『もういい、官邸主導でやる!』とブチ切れて、菅義偉官房長官に解決を命じました。そこで菅長官は、米村敏朗内閣危機管理監を通じて、同日午後、全日空と日航の幹部を直接、官邸に呼びつけ、中国当局への計画書提出をストップさせたのです」
この官邸関係者によれば、その後、菅官房長官は国交省幹部から事情聴取したという。
「その結果、国交省幹部は、『中国関係の重要案件を大臣に上げると、すぐにアチラへ筒抜けになるリスクがあります』と説明したというのです。アチラとは、東京・六本木にある中国大使館のことです。
程永華大使は、創価大学の第1期中国人留学生三人のうちの一人で、非公式の場で『池田大作先生が私を育ててくれた』と漏らすような人物です。当然ながら、太田大臣とは、心置きなく話せるポン友です」
周知のように安倍政権は、自民党と公明党の連立政権である。すなわち、中国共産党の友党である公明党が与党内にいることで、そのデメリットが出始めているというのだ。
ともあれ安倍首相は、25日に開かれた参議院の決算委員会でも、改めて怒りを露にした。
「わが国固有の領土である尖閣諸島の領空が、あたかも中国の領空であるかのごとき表示をしており、まったく受け入れることはできない。中国による力を背景とした現状変更の試みには、わが国の領海領空を断固として守り抜く決意で対応する」
だが、感情をエスカレートさせているのは日本側だけではない。中国側もまったく同様なのだ。
防空識別圏の設定を宣言した翌々日の11月25日、中国中央テレビのニュースに、人民解放軍の羅援少将が、解説者として登場した。
「今回の防空識別圏の設定は、これから行うことの序の口に過ぎない。今後は南シナ海や黄海にも同様の措置を取っていく。自国の海域を防衛するのは当然で、これは他国でもやっていることなのだ」
この羅少将は、今年1月にテレビに登場した際、「日本との開戦が迫っている。わが軍は日本との戦争などまったく恐れていない!」とまくし立てた軍の代弁者だ。
『産経新聞』北京特派員の矢板明夫氏が解説する。
「今回の中国側の措置は、1978年の日中平和友好条約の締結時にケ小平が述べた尖閣諸島問題の解決の『棚上げ論』を、完全に終結させるという習近平政権の強い意思表示です。
つまり、これからの日中関係はまったく違う展開になるということです。まず、中国空軍の東シナ海における活動範囲が、これまでの12倍に拡大します。そのため、戦闘機や哨戒機などを大量生産し、防空ミサイルも続々配備する。当然ながら軍事予算は大幅アップです。
逆に日本は、民間航空機が撃墜されるリスクも出てきた。日本側の覚悟が問われます」
習近平は本当に、日本の航空機を撃墜してもかまわないと考えているのか。そうだとすれば、許しがたい指導者だ。
ともあれこうした事態に、日本の2大航空会社は不安の色を隠せない。と同時に、対策を取り始めている。
「中国への出張客や観光客が激減していることで、この11月から中国便を減便させました。それでも中国便はガラガラの状態です。
今後もし、東シナ海の上空も危険だということになれば、香港便や台湾便の減便や路線廃止も視野に入れざるを得ません」(日本航空関係者)
「ほんの一昔前までは、中国便と言えば最大のドル箱路線だったのに、いまや隔世の感があります。一方で、昨年10月に就航した成田-ミャンマー便が絶好調で、週3便だったのを、この9月から毎日運航に切り替えました。今後は中国圏から東南アジア圏への運航の大幅シフトを考えることになるかもしれません」(全日空関係者)
■サイは投げられた
さて、そんな諸悪の根源である習近平主席は、空母を見送った後、同じ山東省にある山東如意科技集団という会社を視察した。従業員3万人、昨年の売上高341億元(1元16・1円)の巨大紡績会社だ。
習主席は、勢揃いした同社社員たちを前に、誇らしげに述べた。
「君たちの会社は、日本の大手企業の買収を成功させた素晴らしい会社だ。今後、君たちのような会社が続いてくれることを期待している」
この会社に買収された日本企業とは、レナウンである。レナウンは、'10年5月に買収された。習主席は、他の企業もどんどん日本を食い物にせよと、檄を飛ばしたのだ。
同日には、習主席は山東省沂蒙にある抗日戦争記念館を訪問。尊敬する毛沢東主席が揮毫した高さ45mの「革命烈士記念塔」をバックに、再び激しい訓示を垂れたのだった。
「ここには革命の栄光の伝統が息づいていて素晴らしい。この地でかつて21万のわが軍が参戦し、10万もの烈士が犠牲となったことを忘れてはならない。革命の勝利はたやすいものではないのだ」
習近平主席はそう言って、満足げに抗日戦争記念館を視察した。
習主席は、なぜこれほど日本に対して過激になっているのか。前出の矢板特派員が語る。
「習近平のパフォーマンスは、半分は日本向けですが、半分は国内向けです。『3中全会』(11月9日~12日に開いた中国共産党の重要会議)で目立った改革が発表されなかったことで、国民の間に習政権への失望感が高まった。そこで追い詰められた習近平は、防空識別圏設定という、かねてから準備していた『日本カード』を切ったわけです。
いまのところ、民族主義に火をつけた習近平の狙いはまんまと的中し、国民は拍手喝采です。インターネット上では、『政府はよくやった』『政府を支持して日本と戦おう』などという書き込みが続出しているのです」
■ロックオンされている
こうした中国のエスカレートぶりに、日本も黙って手をこまねいているわけではない。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が明かす。
「中国が23日に防空識別圏を設置した後も、発表こそしていませんが、航空自衛隊のP3C哨戒機が沖縄県の南西諸島海域をパトロールしています。だが今後、『第2の海南島事件』が懸念されます」
海南島事件とは、'01年4月1日に、海南島の東南110kmの南シナ海の公海上空で、偵察中のアメリカ海軍EP-3E電子偵察機と、人民解放軍のJ-8U戦闘機が、空中衝突した事件である。
これによって中国側の戦闘機が墜落し、パイロットが殉職した。アメリカ軍の偵察機は海南島に不時着し、パイロットらは中国側に身柄を拘束された。
米中双方は激しい非難合戦を行ったが、最後は中国側が、拘束した偵察機とパイロットらを帰還させて解決をみた。
このような事態が今後、日中間で繰り広げられる懸念があるというのだ。黒井氏が続ける。
「中国軍はまず第1段階として、自衛隊機に対してロックオンしてくるでしょう。ロックオンというのは、敵国の標的物(戦闘機や哨戒機など)に目標を自動セットすることで、あとは発射ボタンを押すだけです。
軍事の世界では、ロックオンされたら反撃してもよいとされていますが、東シナ海は戦場ではないので、自衛隊機が中国機を攻撃することはない。
そこで中国側は第2段階として、次から次へと軍用機を、設定した防空識別圏に飛ばしてきます。ただし、尖閣諸島の領空には入ってきません。中国側の目標はあくまでも、尖閣におけるプレゼンスを、日本とイーブンに持っていくことだからです。
第3段階として、海上からも展開します。潜水艦が次々に日本の接続水域に入ってきます。
そして第4段階で、満を持して中国漁船による尖閣上陸を果たすという作戦なのです」
11月27日には新華社通信が、空母『遼寧』が尖閣諸島を奪取する『8枚の未来の絵』を配信し、国民の喝采を浴びた。
中国がそこまで攻勢をかけてこようとする中で、日本はこのまま、P3C哨戒機でパトロールするだけでよいのか。
「これまでの中国側の動きを観察していると、習近平は本気で尖閣を取りに行くつもりであることが分かります。そのため中国に遠慮していては、明らかに日本の負けとなります。いますぐ尖閣に自衛隊の駐屯所を設置して、徹底した防衛を図るべきでしょう」(前出・黒井氏)
中国は本気だ。われわれ日本人も覚悟する時が来たようだ。
「週刊現代」2013年12月14日号より
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