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サラミ法でスライスをかすめとろうとする中国の戦略 侵犯には断固たる措置必要
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131129/dms1311290728003-n1.htm
2013.11.29 夕刊フジ
中国国防省は23日、沖縄県・尖閣諸島の上空を含む東シナ海に防空識別圏を設定したと発表した。防空識別圏とは、戦闘機による緊急発進の基準となる空域で、領空より広く設定されている。しかし、中国の防空識別圏には、尖閣諸島の領空が含まれている。
これでは、日本と中国の軍用機が衝突する可能性が高まる恐れがある。尖閣諸島の領空近くで、両国の軍用機が互いに退去命令を下し、退去しないと武力行使になるかもしれないのだ。軍用機は、受けた命令通りに行動するので、そうした危険性が高まるのは確実だ。中国の狙いは明らかで、これまで防空識別圏は日本だけが設定していたが、それに基づく実効支配を弱くするのが目的だ。
尖閣諸島の空域では最近、中国機の飛来が増えている。昨年12月には中国国家海洋局の航空機が、日本の領空を初めて侵犯した。今年1月には、中国軍の軍用機が日本の防空識別圏内を飛行した。7月には中国軍の軍用機が初めて沖縄本島と宮古島の間を通過し、太平洋上に出た。9月には中国軍の無人機が尖閣諸島沖の上空を飛行している。
こうした中国の国境戦略は、いわゆるサラミ法だ。サラミソーセージを丸ごと1本盗るとすぐわかるが、いろいろなサラミソーセージから少しずつスライスして合計1本分にすると、盗ったことがわかりにくい。このように、毎日毎日小さな出来事を繰り返して、いつの間にか有利な立場になる戦法のことだ。
ただし、中国船籍の領海進入と領空進入とは全く異なる。領海侵入は直ちに領海侵犯とはいえないが、領空進入は直ちに領空侵犯となるからだ。たとえてみれば、サラミソーセージのスライス1枚とスライス数枚の差である。無人機とはいっても領空侵犯は問題だ。日本政府が無人機の領空進入に対して警告無視なら撃墜するというのは、当然の正しい対応だ。
中国の防空識別圏の設定を受けて、外務省が「わが国固有の領土である尖閣諸島の領空を含むもので、全く受け入れることはできない」と中国側に抗議したが、早速米国政府も反応し「強い懸念」を中国側に伝えた。
防空識別圏はあくまで識別圏であって国の主権の及ぶ空域ではないが、中国側は、中国の防空識別圏を飛行する外国の航空機に対し、飛行計画を明らかにした上で、中国軍の指示に従わなければならないともいっている。これは言い過ぎだ。
日本の防空識別圏は、ほぼ戦後の米国の防空識別圏を引き継いでおり、この意味で米国との協調行動は不可欠だ。先進同盟国並みの特定秘密保護法案がまだない今の日本では、日米間の防衛情報の本格的な共有は無理なので、中国側はサラミソーセージのスライスを何枚でもかすめ取ることができる。
中国側は尖閣諸島近辺に無人機を何度も飛ばしてくるだろう。そうしたときに、中国を含めた国際社会に対してきちんとした警告を発することができるのか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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