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アフガニスタンでは11月21日から、名士、長老、部族長、宗教指導者らが集まりロヤ・ジルガ(国民大会議)が開催されている。出席者は、この機会に米軍が関与した疑いがある戦争犯罪の説明責任を求めるべきである。
今回のロヤ・ジルガ(国民大会議)では、米国との二国間安全保障協定案が議論される予定である。アフガニスタンと米国の両政府が署名すれば、駐留米軍撤退目標の2014年末以降に残留する米軍兵士の駐留条件が定められる。これにより米国は、1万以上の米兵を維持し、民間契約会社と米諜報機関(CIA)を同国に置くことになる。
この協定案の協議の場は、米軍が関与した疑いのある戦争犯罪に対するより高い透明性と説明責任を問う重要な機会となる。現状では透明性が大きく欠如しているため、米軍による夜間奇襲作戦や空爆で殺された数百というアフガン市民の家族は、米軍による調査の進捗や、そもそも調査が実施されているのかといった情報をまったく得られていない。複数の攻撃が戦争犯罪に相当する疑いがあることを考えれば、この透明性の欠如は深刻な問題だ。ロヤ・ジルガに参加する指導者らは、米国との安全保障協定案が国際法に則って民間人の保護を保証するものになるよう、主張すべきである。
また、米当局による戦争犯罪容疑の捜査、加害者の裁判、被害者や生存者に対する賠償金対応などの進捗状況を議会に定期的に報告するよう、アフガン政府に要求すべきである。
アフガニスタンにおける米軍の国際人道法違反の疑いが多数あるにも関わらず、米当局が裁判に持ち込んだケースは数えるほどしかない。民間人が死亡したすべてのケースについても、戦争法違反があったかどうかを調査し、犠牲者の家族にその結果を伝えなければならない。現在、そのような情報提供は行われていない。
アフガニスタンの国内司法制度は、こうしたケースを裁くために必要な、公正な裁判基準を満たしていない。
アフガニスタンで戦争犯罪を裁けないからといって、紛争下における人権侵害の加害者を野放しにしてはならない。
戦争犯罪やその他の人権侵害を解決して次世代に遺さないために、アフガニスタンが、国際基準に沿った公正な裁判基準の下で戦争犯罪を裁くことができる機能を十分持った司法制度を確立する責任を、両国政府は担っている。
背景情報
カルザイ大統領が召集したこのロヤ・ジルガには、全国から政界や部族の指導者など約3000人が参加する。大統領をはじめとした指導者らや一般市民は、民間人の死傷者が出た事件と、民間人の違法な殺害について米国の司法制度が責任を果たしてこなかったことに対し、憤りを表明してきた。アムネスティは過去12年間、不法な殺害や拷問など、すべての紛争当事者による国際人道法違反の疑いについて繰り返し懸念を表明してきた。
アムネスティ国際ニュース
2013年11月20日
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/1121_4327.html
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