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イランの核開発問題をめぐる交渉がとん挫した形になっているが、この問題をめぐり中東の二人のリーダーが、ハンドリングを間違えれば、地域戦争になると警告している。
一人はイスラエルのネタニヤフ首相。彼は下手な交渉を続けることは、最終的に、最悪の選択(戦争)をすることになると警告している。こうした状況にあってイスラエルは場合によっては軍事攻撃、という選択肢を捨てない構えのようだ。これまでにもネタニヤフ首相は、何度もその可能性について語ってきている。
ネタニヤフ首相に言わせれば、現在世界の主要諸国が進めている、イランに対する外交交渉と制裁に失敗した場合、残る選択肢は軍事攻撃だけになるというのだ。しかし、イスラエルがもし単独でイランの核施設を攻撃した場合、どれだけのダメージが与えられるか疑問だ。
世界の専門家たちの意見では、地底深く設けられているイランの核施設を、空爆で破壊することは容易ではないし、核施設がイランの各地に点在していることも、攻撃による成功を確率を低くするだろうということだ。
そのことは、イスラエルも十分承知しているので、何度もアメリカに対して破壊力の大きい、バンカー・バスター爆弾の供与を求めてきている。
もう一人、警告しているのは、レバノンのヘズブラのリーダーであるハサン・ナスラッラー師だ。彼は核交渉が失敗すれば、戦争に至ると語っている。
加えて、彼は中東地域各国がイランの核問題処理に失敗し、戦争に至ることを避けるために協力するべきだ、と主張している。問題は、湾岸のサウジアラビア、クウエイトカタール、バハレーン、アラブ首長国連邦、オマーンなどが、イランに敵対的立場の立っていることだ。
ハサン・ナスラッラー師はイスラエルが地域での戦争を望んでおり、アメリカにシリアとイランを攻撃させたがっている。加えて、イスラエルはイランとの核交渉を、止めさせようとしていると語った。サウジアラビアを始めとする湾岸諸国は、そうした立場に立っているイスラエルの手先になって、イランに敵対しているとも語った。
そして、いまネタニヤフ首相は湾岸諸国の、スポークスマンになっているとも非難した。
親イランのレバノンのヘズブラのリーダーであるハサン・ナスラッラー師と、反イランの急先鋒であるイスラエルのネタニヤフ首相が、時を同じくして戦争の可能性を口にし、警告を発したということには意味があろう。それだけイランを取り巻く状況は、緊迫しているのだ。
ただ、こうした状況認識が関係各国で高まれば、最大の努力を払って、問題の壁を突破しようと、各国が最大限の努力するのも事実であろう。
http://www.tkfd.or.jp/blog/sasaki/
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