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「日露2+2」(RT、ロシアの声)
http://www.asyura2.com/13/warb12/msg/111.html
投稿者 無段活用 日時 2013 年 11 月 10 日 07:16:57: 2iUYbJALJ4TtU
 

('A new page’: Russia, Japan hold first 2+2 talks, aim to boost military cooperation: RT)
http://rt.com/news/russia-japan-first-talks-134/


『新たなページ』:軍事協力の促進を目指して、ロシアと日本は初の2+2協議を開催する

発表時刻:2013年11月2日20:37


ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相(左から2人目)とセルゲイ・ショイグ国防相(左)は、日本の岸田文雄外相(右から2人目)・小野寺五典防衛相(右)と共に、2013年11月2日、東京・外務省飯倉公館で初の2+2外相・防衛相会議を実施した後、共同記者会見に参加した。(AFP Photo / Kimmasa Mayama)


タグ 日本ロシア


ロシアと日本は土曜日、史上初の防衛相・外相による合同会議を開催した。彼らは国際安全保障と2国間関係、そして、テロや海賊と戦うための海軍合同演習の開催計画について協議した。

両国は北太平洋・千島列島をめぐる領土紛争−同列島は日本・ロシアの双方が主権を主張している−のために、第2次世界大戦の終結を示すための条約を1度も結んでいない。この2日間の会談は、両国の間では初めて2+2の形態で開催された。

両国の外相は、この会談はロシアと日本の間で「信頼を構築する」のに役立つと語った。

「経済や人的交流の分野だけでなく、安全保障の分野で協力を促進するということは、私たちが日露関係全般を改善しつつあるという意味だ」と、岸田文雄・日本外相は記者会見で語った。

両国の防衛相と外相は、千島列島をめぐる紛争を解決し、「平和条約を締結」することに「非常に強い意欲」を示したと、安倍晋三・日本首相は語った。

「私たちの総合的な評価としては、既存の交流に加えて、2+2の形態の会談は露日両国の対話の促進にますます重要な役割を果たすだろう」と、セルゲイ・ラブロフ露外相は語った。


軍事・サイバーセキュリティ両面の協力

露日両国政府は会談の後、海賊やテロと戦うための初の合同軍事演習を実施する意向を確認した。両国はこれまでに、救助・捜索作戦のみに関連した海軍演習を13回実施している。

両国は、アデン湾の両国船舶の海上安全の分野で、2国間協力を強化することに合意した。

「ロシアの水兵たちは、情報交換と相互支援の合同演習に参加することになるかも知れない」と、セルゲイ・ショイグ露国防省は語った。


2013年11月2日、日本の安倍晋三首相(中央)は、岸田文雄外相(右から2人目)・小野寺五典防衛相(右)同席のもと、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相(左から2人目)・セルゲイ・ショイグ国防相(左)と東京・総理官邸で会談した。 (AFP Photo / Yoshikazu Tsuno)


「これが双方の国や軍の間の信頼を高めるための主要な手段の1つになることを、私たちは信じる。」

小野寺五典・日本防衛相は、防衛相の定期的な訪問や軍事演習への視察団の交換を実施することに双方が合意したと付け加えた。ショイグ氏はこの10年間で初めて日本に訪問したロシア国防相だ。

日本にとっては、この会談の枠組みの中で、同国が国際情勢の中でもっと活発な役割を果たすことを熱望していると説明することが重要だった。また、日本政府の「積極的平和主義」の考えや、祖国防衛の問題に対する日本政府の新たなアプローチを説明して、ロシア側の理解を得ることも目指した。

9月以降、安倍氏は積極的平和主義−世界の平和・安全保障面での危機を未然に防ぐために日本が関与を増やすこと−の構想を強力に推進していると、人民日報は報じた。

日本は、「積極的平和主義の政策は、日本の平和政策の基本法に定められた枠組みを厳格に守って実施されることになる」と確言したと、ラブロフ氏は語った。

日本の憲法9条は、国際紛争解決の手段としての武力行使を禁止しているだけでなく、日本が陸海空軍を維持することも禁止している。

また記者会見では、サイバーセキュリティの問題で両国が会議の開催を始めることに、両外相は同意した。


米国のミサイル防衛に「深刻な懸念」

ロシアが懸念する問題は、米国のミサイル防衛網の諸要素を日本に配備することだった。

「日本の要素を含む米国の世界ミサイル防衛システムの創設が、主にアジア太平洋地域の戦略的パワーバランスを破壊する可能性があることについて、私たちは深刻な懸念を抱きつつあるという事実を、私たちは秘密にしない。」と、ロシア防衛相は語った。 北日本・青森県に現存するレーダーに加えて西日本にミサイル防衛レーダーを増設するなど、南シナ海の弧に沿ってミサイル防衛施設を配備するという、米国の動きをめぐるロシアの懸念について、ロシア政府は日本政府と補足的な会談を行うことを提案した。

日本は太平洋地域で緊張が高まることを懸念しており、特に北朝鮮のミサイル発射と中国の軍事的存在の高まりを考慮していると、日本防衛相は会談前にノーボスチ通信に語った。

一方、岸田氏は「日本の防衛政策の要が米国との同盟に存することに変わりはなく、この点ではいかなる変化もないだろう」と語った。日本政府とロシアとの協力はいかなる特定の国に対して向けられるものでないと、彼は付け加えた。

ラブロフ氏もまた、この形態の会談は「日本と米国との関係を侵すものでなく」、また、いかなる第3国との関係を侵すものでもない、と語った。

日本外相は、シリア内戦の解決を目指したジュネーブ2平和協議に日本が参加する考えをロシアが支持することに、感謝を表明した。

岸田氏はまた、両国が東南アジア諸国連合や東アジアサミットなどの地域組織の中で、さらに協力を拡大するだろうと語った。

「日本とロシアの協力は、アジア太平洋地域における主要なプレイヤーとして、地域の平和と安定の強化のために重要だ」と、彼は語った。

露日両国は、4月のウラジミール・プーチン露大統領と安倍晋三・日本首相の会談の期間に、2+2協議を開催することで合意した。次回の協議は来年モスクワで開催される予定だ。日本政府がこれまでに2+2協議を開催したのは、米国と豪州だけだ。

日本外相は、この行事は「露日関係に新たなページを開くために、幸先よいスタートとなった」と語った。



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(ロシアの声)
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_02/123810289/


露日の軍事協力関係、新たな段階へ


特集: 私見アンドレイ・イワノフ (45 記事)


タグ: 政治, 私見アンドレイ・イワノフ, アジア・オセアニア, 解説, 国際


イリナ イワノワ   2.11.2013, 16:07


Photo: EPA


日本とロシアは合同軍事演習を行い、サイバー攻撃に共同で対処し、アジアにおける「同盟外の」安全保障システムを構築する。今日(2日)東京で行われた露日外務防衛担当閣僚会議、いわゆる2プラス2で、以上のように取り決められた。

2プラス2というフォーマットは、これまで日本は、米国と豪州としか採用していなかった。この会員制クラブにロシアが入れてもらえたということ事態が、露日関係が新たな段階に入っていることを示しているだろう。

モスクワ国際関係大学の専門家アンドレイ・イワノフ氏は次のように語っている。

「もっとも、それが直ちに、ロシアが米国と並ぶ日本の同盟国になったということを意味するわけではない。米国と日本は軍事的・政治的に緊密な同盟国である。しかも、中国の台頭を背景に、日米同盟の重要性は増し、緊密さはさらに高まっているかに見える。特に日本は、尖閣問題で、中国への懸念を深めている。

米国は先日も、尖閣が日米安保条約の適用対象であることを保証した。しかし、日本側は、有事の際に本当に米国が武力を使用してくれるかどうか、心もとなく思っている。しかし何らかの保障は必要だ。というのも、中国との会戦といった事態はなんとしても避けたいのだから。

そこで、何らか、「同盟外の」安全保障システムを構築する必要があるというわけだ。ロシアの代表団が日本で提案したのは、まさにこのことだ。」

アジア太平洋地域に「同盟外」安全保障システムを新設するべく、専門家の協議が始まることで、合意がなされた。これは、2プラス2の疑いなき成果である。新設されるシステムは、関係する全ての国の国家安全保障を相互に侵害しないものとなるはずだ。

地域に既に存在する軍事同盟関係は、ましてや、それが中国抑止という目標をもったものであれば、もはや地域の安全にも安定性にも、何ら貢献しない。「同盟外」安保システムの創設こそが必要なのだ。しかし、それに至る道は長く険しい。立ちはだかる敵も多い。イワノフ氏は語る。

「その筆頭は、日米が進めるアジアMD構築という問題である。2プラス2で、ショイグ国防相は次のように明言した。アジアMDについて、ロシアは憂慮を抱いている。それはアジア太平洋地域の戦略的パワーバランスを崩す恐れがある、と。対して小野寺防衛相は、MDは純粋に防衛的な性格のものである、と説明したが、ロシアの不安は雲散していない。

そこで日本側は、MDに関して追加専門家協議を行うことを提案した。MDシステムの長所と短所について、露日の専門家が詳細な討議を行う場が設けられることになったのだ。」

まことに歓迎すべき提案である。ただし、この協議によっても、すべての憂慮が払拭されるには至るまい。というのも、問題は「防衛的性格」などという、設置者の主観的意図ではなく、その客観的な、戦略的特性なのだ。MDシステムが北朝鮮だけでなく中国やロシアからのミサイルも撃墜できるとなれば、それはつまり、中国やロシアの核抑止力が損なわれ、中国とロシアの安全保障が脅かされるということなのだ。

ともあれ、2プラス2での露日合意は、露日軍事協力関係の新たな1ページを開くものである。より広範な問題群に関する、より親身な対話に道を開き、様々な方面におけるより建設的な協力を可能にするものである。軍事や安全保障のごときデリケートな分野についても。



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(投稿者より)

ロシアトウディとロシアの声の両サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。

「両国は(…)第2次世界大戦の終結を示すための条約を1度も結んでいない」"The countries have never signed a treaty to mark the end of World War II "、日ソ共同宣言は確かに外交文書ですが、条約ではありませんでした。

領土問題について、私は2島返還でいいと考えています。先住民アイヌを迫害・搾取しながらこの地域の領有を進めた過程を考えたとき、「日本固有の領土」という表現を用いることに恥ずかしさを感じます。また、4島が返ってきたとして、過疎地が東に延びるだけじゃないかという疑念もあります。ただ、国内では4島一括返還が支配的な意見だと思いますので、これは、政治がリーダーシップを取ればいいと思っています。

いずれにせよ、日露関係がいろいろな面で進展することは良いことだと思います。

 

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コメント
 
01. 2013年11月10日 12:28:02 : pXRiVCsoiM
だよなぁ?。この路線だよな?、やっぱ。今世紀の極東に光をもたらすのは。俺は、画期的で良い事と思うよ。何もかもが限界に来てる、極東情勢だから。

02. 2013年11月13日 04:57:44 : rAZs4KvhOE
東亜三国志の始まりはじまり。
露が魏、中が蜀、日本は呉という位置かな。
米の役回りは何だろう?

03. 2013年11月14日 00:47:27 : niiL5nr8dQ
潜水艦救難と掃海で日印安保協力

2013年11月14日(木)  長尾 賢

 日本とロシアとの間で外相・防衛相の会談、いわゆる2プラス2が開かれた。安全保障面における日ロの関係強化に向けた新たな一歩として話題になっている。日本が閣僚級の2プラス2を開くのは、ロシアが米豪に続く3カ国目となる。

 実は、次官級ではあるものの、日本が2プラス2を続けてきた国がある。インドである。日印間では、海洋、サイバー、テロ対策の協議も行っており、安全保障面の対話が非常に活発だ。さらに、インド洋海軍シンポジウムに日本が参加している。中国が影響力を増しつつあるアフリカへの対応でも日印政策協議を行っている。

 しかも、日印の安全保障関係強化は、アメリカも強く後押ししている。アメリカとインドが9月に行った首脳会談での共同声明では、米印両国が日本との関係を強化することについて2カ所で言及している。日印連携の存在感が増しつつある証拠だ。

 このような日印間の会談が増えることは、大きな意味を持っている。両国が直面する安全保障上の問題に関して、お互いの立場を理解し、情報を共有することができる。ただ、実際の行動が伴わなければ会談の意味はなくなってしまう。関係強化につながる具体的な案件が必要だ。

 本稿では、日本とインドの海洋安全保障上の協力関係を深めるための具体策を検討する。その1つとして、潜水艦救難技術と掃海技術の提供を取り上げる。潜水艦救難技術と掃海技術は、どのような戦略的意味を持っているのだろうか。

アジアにおける軍拡の中心は潜水艦

 まず潜水艦救難技術について考える。潜水艦救難技術とは何か。それは、潜水艦が事故を起こした際、その乗員を救難する技術のことである。これがなぜ重要か。背景にはアジアで潜水艦が増加していることがある。

 図1はアジア各国の潜水艦保有数の推移を、特に南シナ海を中心に見たものである。1990年以降、シンガポール、マレーシアが潜水艦を増やしている。インドネシアは潜水艦を大幅に増やすことを計画している。フィリピン、タイも初めての潜水艦保有を検討している。さらに、日本とオーストラリアも潜水艦を増やすことを計画中である。ここから読み取れることは何か。


注:中国の潜水艦の数は減っているが、近代化と大型化を進めている。原潜を増やし、活動範囲を遠洋に拡大しつつある。
出所:International Institute for Strategic Studies, The Military Balanceなどを参照。
 潜水艦は純粋に軍事用で、災害派遣や人道支援にはほとんど役に立たない。しかし軍事用としてはとてもコストパフォーマンスが良い。海中に隠れることができるからである。敵の海軍は、隠れている潜水艦からいつどこで攻撃されるか分からないので不安になる。この不安から行動が慎重になる。つまり潜水艦は、隠れているだけで抑止力を発揮する。

 潜水艦の増強を進める日本、オーストラリア、東南アジア諸国が念頭に置いているのは、急速に近代化を進める中国と推測される。中国が急速に軍事力を増強しているからだ。中国の国防費は、同国が公表している金額だけ見ても、「過去10年で約4倍、過去25年で33倍以上の規模」になっている(『平成25年版 防衛白書』)。しかも他の国が国防費に含めている予算、例えば装備の調達費、研究開発費などを、中国の国防費は含んでいない。そのような項目も含めると、中国の真の国防費は、公表している国防費の1.5〜3倍と言われる。

 これに対して周辺国は不安を募らせている。しかも、中国は2000年代末頃から「俺は強い」と言わんばかりの態度を示すようになり、周辺国の不安を助長している。

 もしこのまま中国が国防費を拡大し続けるならば、周辺各国が多少国防費を伸ばしたとしても、地域のミリタリーバランスが中国有利に大きく傾いてしまう。これを防ぐためには、周辺各国はコストパフォーマンスの良い抑止力を整える必要がある。これが潜水艦に注目するゆえんだ。

インドに潜水艦の削減を見直す動き

 このような潜水艦重視の傾向が、ごく最近になり、インド洋にも波及し始めた。中国の原子力潜水艦がインド洋にも展開し始めたからだ(関連記事:「インド洋に展開し始めた中国の原子力潜水艦」参照)。しかも中国はパキスタンやバングラデシュへ潜水艦を輸出する可能性もある。

 このためインドでも、数を減らしつつある潜水艦戦力の立て直しについて議論が高まってきている。インドの潜水艦がインド洋のどこかに隠れていると思えば、中国の潜水艦もより用心深く行動するかもしれないからだ。特に、中国が核ミサイル搭載原潜をインド洋に配備することを防ぐのに有用だ。

 このような議論が徐々に高まりを見せ始めた今年8月、事件が起きた。ムンバイの軍港内で、インド海軍の潜水艦が大爆発・沈没したのだ。搭乗員18人が亡くなった。

潜水艦を保有する以上、救難技術が必要だ!!

 インド海軍の潜水艦部隊は2008年1月、2010年の2月、6月、8月にも小さな事故を起こしている。2010年2月の事故では死者も1人出ている。ただし、インド海軍は事故を多発させるような海軍ではない。14隻も潜水艦を保有していれば、一定の事故は起きる。日本でもかつて潜水艦「なだしお」と遊漁船との衝突事件があった。アメリカ海軍の原子力潜水艦「グリーンビル」もハワイ沖で日本の実習船「えひめ丸」と衝突事故を起こしたことがある。ロシア海軍の原子力潜水艦「クルスク」が爆発・沈没する事件もあった。だから潜水艦を保有する以上、事故を想定し、人命を救出する能力を保有する必要がある。8月の潜水艦爆発事件はインドに、潜水艦救難技術の必要性を思い出させたのである。

 現在、インドはアメリカと協定を結んでおり、潜水艦が事故を起こした場合、救難用の小型潜水艦を72時間以内に空輸してもらうことになっている。しかし、インドは2030年を目標に24隻の潜水艦保有を考えている。大規模な潜水艦部隊を自前で運用することを考えるならば、自前の潜水艦救難技術・装備の保有も考えるはずだ。

 実は、潜水艦救難技術において、日本は世界一と言われている。潜水艦救難艦2隻を保有、これに搭載する比較的大型の救難用潜水艇で、事故のあった潜水艦の乗員をスムーズに救援することが可能である。この能力を買われて2005年、ロシアから救難要請を受けたことがある。インドが独自の潜水艦救難装備を整える際は、日印連携の柱として、日本の技術を提供することが可能である。日印でうまくいけば、今後、東南アジア諸国との連携にもつなげることができる。

(注)潜水艦救難システムの特色については、小林正男「各国の潜水艦救難システム」『世界の艦船』2013年12月号、146〜149ページ参照。
潜水艦は機雷もまく、掃海技術も必要だ

 次に掃海能力についてである。潜水艦が増えることは、同時に機雷の脅威が増すことを意味する。潜水艦は魚雷やミサイルを撃つだけでなく、機雷を仕掛けることが可能だからだ。

 上述の通り、中国海軍の原子力潜水艦がインド洋に展開するようになった。インドの隣国であるパキスタンとバングラデシュも潜水艦の増強を検討していると報道されている。これらの潜水艦が機雷を仕掛けるかもしれない。

 インドは過去に機雷戦を経験している。1971年の第3次印パ戦争において、パキスタン軍の潜水艦が、機雷でインドの港を封鎖しようとした。この時は、インドの駆逐艦がパキスタンの潜水艦を発見して攻撃。パキスタンの潜水艦はその攻撃を回避しようとして、自ら仕掛けた機雷に触れて沈没したようである。しかし、もしパキスタンの潜水艦が機雷を仕掛けることに成功していたら、インド側の船が沈んでいたかもしれない。

 以上の理由から、インド海軍は機雷対処能力を必要としている。インドの軍事雑誌でも、このことを指摘する論調が出始めている。

 ただし、現実には、インド海軍の機雷対処能力は落ちる一方である。インドは現在、掃海艇を7隻しか保有していない。しかも、いずれも老朽化が進み退役間近の代物である。だからインドは掃海艇8隻の購入を決めた。韓国製である。さらに16隻購入する可能性もある。

 実は、日本は世界一の掃海能力を保有している。第二次世界大戦においてアメリカの重爆撃機や潜水艦が仕掛けた大量の機雷を、戦中戦後を通じて処理し続けてきたからだ。さらに、朝鮮戦争でも掃海作業を実施。1991年の湾岸戦争の後も、国際貢献活動の一環としてペルシャ湾において掃海を実施した。掃海能力も日印連携の主たる手段になり得る。

インドとの協力は日本のシーレーン確保に死活的

 では、日本のメリットは何だろうか。潜水艦救難技術や掃海技術をインドに提供することで、日本はどのようなメリットが得られるのか。3つのメリットが考えられる。

 1つは、日本のシーレーンの安定確保に役立つこと。日本と中東を結ぶシーレーンはインド洋を通る。日本が遠いインド洋の安全保障を担うのは困難なので、インド海軍との連携は欠かせない。得意分野を通じて日印連携を強化することは日本の国益にかなう。

 2つ目は、中国とのミリタリーバランスを維持する上で有効だ。日本から見てインドは中国の背後に位置する。インドが背後から中国に圧力をかければ、中国の軍備を、日本方面とインド方面に広く分散させることができる。加えて、インドが東南アジア諸国の防衛力強化を支援してくれるならば、中国の軍備は、日本方面、インド方面、東南アジア方面へと、より広く分散し、日本の国益に資する。

 3つ目のメリットは日本国内の事情である。日本の防衛産業の支援につながるのだ。日本の防衛産業は全然注文が来ず、危機的状態にある。

 どうしてそんなことになったのか。一因は、顧客が日本の防衛省・自衛隊に限られることにある。日本の防衛予算が減ると、受注も減る。さらに、造るものが特殊すぎて、民間転用するのが難しいという事情もある。例えば、掃海艇は金属ではなく木かプラスチックで造られる。金属の磁気を探知して爆発する機雷があるからだ。民間船には必要ない技術だ。

 日本の防衛予算に余裕がなくなるにつれて、防衛省・自衛隊は掃海艇を発注しなくなった。仕事がなくても製造設備・熟練工を維持するコストがかかる。すべて企業側が負担しなければならない。この場合、日本で掃海艇を建造できるのはジャパン マリンユナイテッドの鶴見工場(横浜)だけだ。いくら世界一の技術を持っていても、仕事が全くなくなれば、工場を閉じ、技術を失う可能性が出てくる。

 だから市場が必要だ。インドはその市場を提供する可能性がある。技術が廃れてしまう前に活用するべきであろう。

(注)艦艇産業については「艦艇産業、波高し―揺らぐ生産・技術基盤、立て直せるか」『COMPASS』2013年5月号、50〜60ページ参照。
日印連携を着実に進めよう

 中国が軍事力を近代化させるペースは速い。日本やインドが中国とのミリタリーバランスを維持するには、日印連携を深めるとともに、効率の良い対抗手段が必要となる。潜水艦は有力な選択肢だ。そして潜水艦を運用するにはその救難技術、掃海技術も必要となる。日本はこれらの技術を有しており、インドとの連携を深める有力な手段になり得る。

 しかも日本は今、その貴重な技術を失うかもしれない岐路ある。日本は外交・安全保障政策と産業政策を一体化させて日印連携に取り組まなければならない重要な時期に来ているのである。

このコラムについて
ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20131111/255691/?ST=print


 


「日本を根城」から戦略を変更するアメリカ軍
中国を睨み「戦域」を拡大、今こそ日本の出番か?
2013年11月14日(Thu) 北村 淳
 「東アジア地域において、もはやアメリカ軍は最大勢力ではない」

 先週、ポーツマス(バージニア州)で開催された国防産業協会(NDIA)における講演で、アメリカ太平洋軍司令官ロックレア提督(アメリカ海軍大将)が明言した。

 提督の言う「アメリカ軍」とは、極東方面に展開しているアメリカ海軍・海兵隊、そして空軍、すなわちアメリカ極東海洋戦力を意味している。

 この講演で司令官は、かつては「最大勢力」であったアメリカ極東海洋戦力が、現在は最大勢力ではなくなってしまったため、この方面におけるアメリカ軍の基本的軍事戦略を転換する必要に迫られており、実際に転換中である、という現状をアメリカ防衛産業関係者たちに説明した。

 その中で、今や、北は日本列島・朝鮮半島から南はインドネシア・シンガポールに至るまでの広大な海域における「最大勢力」が中国海洋戦力であることを、この戦域を統括するアメリカ軍のトップが公の場で認めたわけである。

 もちろん提督は一般論的な講演の場で「最大」という表現を用いたのであり、「最大」がただちに「最強」を意味するのかどうか、といった突っ込んだ話をしたわけではない。ただ、中国海洋戦力が少なくとも規模的には最大勢力にのし上がってしまったことは事実である。そのため、アメリカ海洋戦力は、かつて規模も質も最大勢力(すなわち最強)であった時代とは抜本的に異なった戦略に立脚しなければ、東アジア地域でのアメリカの国益を維持することはできない、というのが講演の趣旨であった。

日本を「根城」とする基本戦略は時代遅れに

 ロックレア提督は、そのような新戦略を「戦域拡大戦略」と呼んでいる。

 かつてアメリカ海洋戦力が極東地域で最大・最強であった時期には、日本と韓国、とりわけ日本各地の米軍基地(軍港・航空基地)を根城にして、強力な極東ソ連軍や、弱体ではあるものの危険な中国や北朝鮮に睨みを利かしていれば、アメリカの国益、それに同盟国の安全を確保することはさして困難というわけではなかった。

 しかし、日に日に攻勢的になっている中国海洋戦力に直面している現在、「日本を根城にして睨みを利かしていればよい」といった基本戦略は時代遅れとなってしまった。

 中国人民解放軍は、東シナ海方面に対しても南シナ海方面に対しても、強力な海洋戦力を展開できるように急速に成長してきた。それに対抗するには、日本からシンガポールにかけての長大な地域に全面的にアメリカ海洋戦力(ならびに同盟軍の戦力)を展開させて、長大な中国海洋戦力の前線全域にわたって常に対峙する状況を維持しなければならない。

 それらの広大な海域はアメリカの同盟国・友好国にとってだけでなく中国にとっても重要なシーレンであり、交易のための海である。そうである以上、中国による脅迫的態度はやがて協力関係に転換するであろう、というのが、このような態勢を取る戦略の根底に流れる思想の要約である。

ロックレア提督は「理想的な行為者」を前提としている

 ヨーロッパ・大西洋方面での経験が豊富なロックレア提督は、戦域拡大戦略を紹介した本講演の後にこう語っている。

 東アジア地域には、アメリカが参加しているNATOのような軍事同盟やEUといったアメリカサイドの集団的安全保障システムが存在していない。それだけでなく、言語体系や宗教をはじめとする文化や社会制度もバラバラである。よってアメリカ軍事戦略が、NATOを軸に据えたような具合にはいかないことは明確に認識している、という。

 そのような一枚岩から程遠い東アジア地域とはいえ、海上交通路という交易や文化交流のための東アジア諸国家に共通する公共財を保護するためには、中国を含めて協調関係が確立されることが望ましいと提督は考えている。

 そして、万一、この地域で軍事紛争が生じた場合には、アメリカとの個々の同盟関係がある国々同士が協力し合って、米を中心とした集団的安全保障システム的な体制が構築されるであろうという。ロックレア提督は「理想的(アメリカから見て)な行為者」を前提としていると考えられる。

米海兵隊グリュック中将が戦時の必須条件を指摘

 しかし、こうした楽観的とも言えるロックレア提督の戦略構想に対して、「中国が各個撃破の挙に出た場合、本当に集団的反撃が可能なのか?」という疑義を呈する専門家も少なくない。

 具体的には、「例えば尖閣諸島のトラブルを口火にして中国が日本に対して何らかの軍事攻撃を実施した場合、あるいはミスチーフ環礁でのいざこざを打開するために中国がフィリピンに対して軍事攻撃を実施した場合、果たしてアメリカ以外の東アジア諸国が日本、あるいはフィリピンを救援するために軍隊を派出し中国軍と対決するのであろうか?」という疑問である。

 この種の東アジア諸国間の外交的関係に関する疑問以外に、軍事的な問題も提起されている(もちろん、ロックレア提督が打ち出している「戦域拡大」構想は、いまだに公式な戦略となって公刊されている段階ではないため、様々な疑問や提案が浮かび上がるのは当然であり、そのような幅広い議論を通して基本戦略が形成されていくのがアメリカ軍事戦略構築の常である)。

 たとえば、アメリカ海兵隊の戦闘開発司令部司令官グリュック中将は、ロックレア提督が主として“平時”の戦域拡大戦略を論じているのを補足して、“戦時”の戦略にとって不可欠な条件を指摘している。


トモダチ作戦でのグリュック中将(写真:アメリカ海兵隊)
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 グリュック中将は、沖縄の第3海兵遠征軍副司令官や第3海兵遠征軍司令官(東日本大震災に際してアメリカ軍が実施したトモダチ作戦の最高指揮官も務めた)などを務め、日本周辺はもとより東南アジア地域の戦略状況にも造詣が深い。そのグリュック中将が、中国人民解放軍の地上発射型長射程ミサイル(弾道ミサイル・長距離巡航ミサイル)の脅威に常にさらされている、ロックレア提督の言うところの拡大戦域において、中国人民解放軍と衝突した場合の戦域拡大戦略を考察すべきであると指摘する。

 グリュック中将の唱える戦時での戦域拡大戦略を要約すると以下のようになる。

 当初はアメリカ軍・同盟諸国による連合軍側はいわゆる外線作戦を実施することになり、内戦作戦を実施する中国人民解放軍は戦闘資源を効果的に活用でき優勢を占めるかもしれない。しかし、強力な海洋戦力(海軍・航空戦力・海兵隊)を投入して中国軍前線の両側面を突いて中国人民解放軍を分散させるとともに、弱体化した中国軍中央にも連合軍精鋭を投入し、人民解放軍を撃破する。

 グリュック中将は、戦域拡大戦略を実施して中国軍に打ち勝つには、強力な海軍力と航空戦力に加えて、それ以上に精強無比な沿岸域戦闘戦力が必要である、と指摘する。もちろん、沿岸域戦闘戦力の中心となるのはアメリカ海兵隊である。

日本が戦域拡大戦略を補強するためにやるべきこと

 日本が中国から軍事攻撃を受けた場合、弱体な海洋戦力しか保持していない東南アジア諸国は、いくら日本に援軍を差し出したくとも不可能に近い。また、昨今の韓国政府の頑なな反日的態度を見れば、韓国が日本の支援に駆けつけることはとても起こり得ない。結局日本にとって唯一期待できるのはアメリカ軍だけということになる。

 だが、残念ながら史上最悪とも言える財政危機に直面しているオバマ政権下では、その米軍の効果的な軍事介入を期待することすら躊躇せざるを得ない状況である。日本としては唯一の同盟軍であるアメリカ軍に頼り切るのではなく、主体的に手を打って、戦域拡大戦略が功を奏するように協力することが必要である。

 日本がなすべきこととして、第1に、外線作戦でアメリカ軍部隊が中国の東北側面を突き崩す際に必要となる日本各地のアメリカ軍基地の使用を保証することである。

 これは、ただ平時のようにアメリカ軍が条約上日本領域内の基地を使用するという状態の継続というわけにはいかず、中国による長射程ミサイルによる日本の戦略拠点に対する攻撃という脅迫に屈せずに基地の提供を続けるという日本にとっては極めて強固な覚悟を必要とする措置である。もちろんそのためには、中国軍長射程ミサイル攻撃の脅迫に屈さないだけの自主防衛能力が必要となる。(本コラム「中国軍ミサイルの『第一波飽和攻撃』で日本は壊滅」「セオリー通りに“報復”の対中ミサイル配備を」、拙著『尖閣を守れない自衛隊』宝島社新書参照)

 第2に、極東地域のアメリカ同盟軍の中では最大(かつ最強)の海軍力を保持しているだけでなく、アメリカ海軍と相互運用性が高い兵器・コミュニケーションシステムを装備している海上自衛隊が、人民解放軍側面を突き崩す連合軍攻撃力の一部となるべく、組織改編を含めてアメリカ側と連携しながら準備を進めなければならない。

 第3に、グリュック中将が指摘しているように、拡大戦域における作戦は沿岸域戦闘戦力が勝敗のカギを握るわけであるから、日本も強力な水陸両用戦力を保持した組織と沿岸域での作戦に適した艦艇を取り揃える努力を開始しなければならない。

 史上最大とも言える財政危機に直面しているアメリカでは、いくら政府が「アジアシフト」という「題目」を唱え、軍部が戦域拡大戦略を構築しても、肝心要の国防予算が増額できなければ、十二分な「拡大戦域戦略」実施のための強大な海洋戦力を準備することはできない。そのようなアメリカ軍を名実ともに補強することができるのは、東アジア地域では日本だけである。

 そして、アメリカ軍が打ち出そうとしている戦域拡大戦略を日本が補強することは、なにもアメリカのためではなく、まさに日本自身の国益のためである。http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/39154

[12削除理由]:無関係な長文多数

04. 無段活用 2013年11月16日 18:53:46 : 2iUYbJALJ4TtU : ddGVSlWexS
管理人さんが削除しちゃったけど、「03」番のコメントは、日本は安全保障の面で
の日印・日米の連携について書かれた記事で、読む人によっては興味深く読める
内容なので、興味のある方は読んでみるといいと思う。

「削除コメント表示切り替え」ボタンを押せば、そのコメントは出ます。


05. 2013年11月16日 21:30:56 : maILTmsKwQ
こういう絵図を描ける人物は日本にはいない

安倍ちゃんにはとても無理

とすると

何処の誰が描いた絵図だ?

それより肝心のサハリン天然ガスの方はどうなってるの?


06. 2013年11月18日 07:08:43 : rAZs4KvhOE
03のコメントはとても面白かった。集団的自衛権もこの構想の一環かと思わせるものがある。


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