http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/869.html
Tweet |
Bpress>日本再生>国防 [国防]
国連常任理事国の資格も品格もない中国
剥き出しの大国・戦勝国意識を糾弾する!
2013年10月22日(Tue) 山下 輝男
1 はじめに
「日本は、第2次大戦後の国際秩序を認め、挑戦すべきではない云々」との中国の駐米大使の発言などは、菅義偉官房長官の発言にあるとおり論評するに値しないとは思うが、あまりにも酷すぎる。
彼らの底意には日本に勝利したのだ、敗戦国は戦勝国に従うべきであるとの剥き出しの大国・戦勝国意識がある。その意識が尖閣問題などに表れている。中国は、現在は確かに大国かもしれないが、彼の国が日本に勝利したなどと事実誤認も甚だしい。
2 中国の露呈した戦勝国意識の数々!
「日本は戦後国際秩序に挑戦できない」、中国駐米大使
セシル・ヘイニー米太平洋艦隊司令官(左)と中国の崔天凱駐米大使。米ハワイのヒッカム空軍基地で(2013年9月6日撮影、資料写真)〔AFPBB News〕
論評するに値しないとはいえ、中国の歴史誤認はあまりにも酷すぎる。無視することは容易だが、無視すれば、それが事実として独り歩きを始める惧れもあり、事実を確認しておきたい。また、管見ながら最近露わになり始めた戦勝国意識を考察したい。
(1)中国の駐米大使の論評するに値しない発言
10月10日付読売新聞によれば、中国の崔天凱・駐米大使は8日、ワシントン市内で講演し、第2次世界大戦の勝利は中国や米国を含む連合国の人々のものだとした上で、「日本の政治家はこれが第2次世界大戦後の国際秩序だと認めるべきだ。これに挑戦してはならない」と主張した。
崔氏は、「日本の一部の政治家は、米国に2発の原子力爆弾を投下されたから第2次世界大戦で負けたと思い込んでいる。だから、米国の反発さえ買わなければ何をやってもよく、他の国々の懸念を気にかける必要はないと信じている」とも語った。
これに対して、我が国の官房長官は、論評するに値しないとこき下ろしたが、当然だ。これが一国を代表する大使の認識なのである。
これ以外にも、同日夕、ブルネイで、李克強中国首相は、南シナ海の島々の領有権を巡る問題について、「争っていない他の国は介入すべきではない」と恫喝とも取れる強面発言をした。
これらは、剥き出しの大国意識、第2次大戦勝利者意識そのものだ。
(2)抗日戦争勝利記念式典の開催
昭和20年9月2日、「降伏文書調印に関する詔書」が発せられ、これに基づき、同日、東京湾上の米戦艦ミズーリにおいて、日本側を代表して重光葵外相、梅津美治郎参謀総長、連合国を代表して連合国最高司令官のマッカーサーが降伏文書に署名した。
対日戦勝記念日は、通常は、日本政府が公式に降伏文書に調印した1945年9月2日を指すことが多いが、中国などの対日戦勝記念日は、その翌日9月3日である。これは中華民国政府が9月3日から3日間を対日戦勝利の休暇としたためであると言われている。
中国では、この日は関連する各種のイベントが企画されるのが通常である。中国外交部の報道官は3日、抗日戦争勝利68周年を記念して談話を発表し、「3日は中国人民抗日戦争勝利68周年でもあり、(中略)正義が悪に勝ち、光が闇に勝ち、進歩が反動に勝った偉大な勝利である」と述べた。
いかにも中国が主体となって対日戦に勝利したかのように聞こえるが小生の僻みか? いずれの国も戦勝記念日を祝うことはあるが、それは静かに行うべき性質のものだ。
(3)荒唐無稽な抗日戦争ドラマの数々
米メディアによれば、中国では抗日をテーマにした映画やドラマが年に200本も製作されているという。愛国心の高揚には効果があるのだろうが、その内容たるや荒唐無稽、奇妙奇天烈なものが多いという。
中国人の美人スパイが弓矢で日本兵をバタバタと殺し、素手で日本兵を引き裂くカンフーの達人が登場したり、小刀で日本の砲弾を爆発させたり、ゲリラ部隊が乗った車が空を飛んだりとまさに劇画漫画の世界である。
非常識もここまでくれば大したものである。最近の反日暴動を見れば、国民なかんずく子供たちに対する刷り込みは奏功しているようだ。
もっとも最近では行き過ぎた娯楽化の反省がなされているようではあるが・・・。それは、十分に国民に対する愛国反日教育がなされたと判断したからなのかどうかは分からない。
(4)愛国教育テーマパーク「抗日戦争記念館」
1937(昭和12)年7月7日、北京市郊外盧溝橋で満州事変の発端となる盧溝橋事件が勃発した。その盧溝橋近くに、一大抗日メモリアルゾーンがある。
盧溝橋事件から50周年の1987年7月6日に開設され、2期工事が1997年に完成した。展示は、「総合庁」「日軍暴行庁」「人民戦争庁」「抗日英烈庁」の4つであり、展示品の解説は中国語と日本語である由。
日本軍の虐殺状況をこれでもかというほど見せつけるようになっている。「日本人はひどい民族だろう」と強迫してくるという。
(5)ロシアまで巻き込む習近平の思惑(2015年第2次大戦勝利記念行事開催)
去る10月7日、APEC(アジア太平洋経済協力)が開かれているインドネシア・バリ島で中国の習近平国家主席とウラジーミル・プーチン露大統領は首脳会談を行った。両首脳は、第2次世界大戦での勝利から70周年を迎える2015年に記念行事を行うことで一致したと報ぜられた。
ロシアは対日交渉のカードを得たいとの思惑があったのだろうし、中国は、対日戦に勝利したのだとのメッセージを国内外に発信し、日本を弱気に挫こうとする狙いだろう。誤った事実も百回千回言い募ればそれが真実らしく聞こえてくる、心理戦に長けた国ならではである。
2 事実はどうか!
(1)中国は日本軍に勝利したのか? 歴史的事実は
対日講和条約に署名したという観点からは、中華民国が日本に勝利したというのは正しいが、作戦や戦闘において、中国軍が日本軍に勝利したのは、局地戦において数えるほどしかない。
巷間日中戦争と言われる満州事変から支那事変そして大東亜戦争に至る支那大陸における8年間の両軍の戦いにおいて中国軍は日本軍の相手ではなかった。
(“日中戦争”との用語は日本として正式に決定したものではない。何時頃、誰が使い始めたのだろうか?)
しかも、日本軍が主敵として戦ったのは蒋介石率いる中華民国軍であり、当時八路軍と呼ばれた中国共産党が指導する共産軍は日本軍の姿を見かけると逃げ出すとまで言われていた。
中国軍が勝利した戦史である拉孟・騰越(ラモウ・トウエツ)の戦いですら援蒋ルート遮断のため派遣された日本軍の小部隊に対して、米・中雲南遠征軍が数十倍する戦力(拉孟守備隊113歩兵連隊の1260人が、中国軍4万8000人の猛攻を100日間防いだ後玉砕。桁数の誤りではないので、念のため)で攻撃し、孤立した日本軍部隊は、玉砕するに至った。
この作戦に、中共軍は参加していない。これくらいの戦力差がないと日本軍に立ち向かえなかったのだ。
ほかにいくつか日本軍が敗退した作戦があるが、それらはいずれも中国軍によるもので中共軍に痛い目に遭わされたのは、日本軍の補給部隊が伏撃に遭った作戦ぐらいだ。
中国軍も中共軍も決戦を回避し、戦力を温存し、日本軍を奔命に疲れさせる作戦を行った。圧倒的な戦力格差から、中国側としてはそうせざるを得なかったのは致し方ないが、日本としては抜きたくとも抜けない泥沼から抜け出せもせずに、遂に敗戦の憂き目に遭った。
中国(支那)大陸からの撤兵を遂に決断できぬままであったのが悔やまれる。(「支那」を蔑称と言うなら、CHINAも使用すべきではないだろう)
(2)中国の常任理事国としての正当性は?
国際連合は、UNITED NATIONS であり、本来の意味では連合国である。第2次大戦において日独伊枢軸国と戦って勝利した連合国の意であり、日本人が抱く平和的なイメージとは異なる。その主任務は、国際平和の維持である。
さて、国連の安保理常任理事国は、核クラブとも称され、P5として拒否権を有している。米英仏に加え、ロシアと中国が現在の常任理事国である(なお、参考までに、国連憲章23条では、今でも中華民国を常任理事国としている)。
そもそも、国連発足時、常任理事国を選定する際、英国のウィンストン・チャーチル首相は、(連合国の勝利に何ら貢献していない)中華民国の常任理事国入りに否定的であったが、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が中国の大国化を見越して常任理事国入りを推進したとも言われている。チャーチルの判断は真っ当だったと思うのだが・・・。
国連発足後、支那大陸では蒋介石の中華民国軍と毛沢東率いる共産軍の覇権争いが激化し、敗れた蒋介石は台湾に逃れ、戦いに勝利した毛沢東は1949年に中華人民共和国を樹立し、その後国連に加盟した。
しばらくの間は、台湾の中華民国が安保理常任理事国、中共が国連加盟国という状況であったが、いずれが正当な国家であるかが問われ、ベトナム戦争で中共の協力を得たい米国が、中共を常任理事国とし、台湾をも加盟国とする案を提示した。
1971年の「国府追放・中国招請」のアルバニア決議により、中国の代表権が中華民国から中華人民共和国へ変更された。一方、決議の投票では不利であると見越した蒋介石は、自ら国連を脱退した。米国の思惑が中共の常任理事国入りを可能にしたのであり、何時も振り回される。
中共にとってみれば、支那大陸を実効支配し、蒋介石は台湾に逼塞しているのであり、常任理事国入りは当然であるとの思いが強かったと思う。
力により蒋介石を追放したからこその常任理事国入りであり、力こそ正義であるとの信奉者になったとしても不思議ではない。力による現状変更を是とする原点である。
朝鮮戦争においては、中国人民解放軍は、義勇軍として北朝鮮を支援し、国連軍に対したのであるが、そのような国でも常任理事国たり得るのか?
(3)常任理事国たるの責務を果たしているのか?
日本は確かに先の大戦において壊滅的な敗北を喫したし、支那大陸で中国人民に対し計り知れない被害をもたらし、苦痛を与えたことは事実であり、それは真摯に反省すべきである。
戦争だったからやむを得ないのだと免罪にすべきではないだろう。しかしながら、新生日本は自由と民主主義に基づく近代国家として発展し、国際平和にも貢献してきた。
一方、我が国に対して、いつまでも敗戦国であることを忘れるべきでないと執拗に繰り返す中国は、国際社会の平和に貢献すべき常任理事国として、その責務に相応しい仕事をし、品格を有しているのだろうか?
図体や軍事力だけで大国と言うのではない。それにふさわしい国家の品格が求められる。トラブルメーカーにすらなっているではないか!
品格泣き国家は常任理事国を辞すべきだ。
3 日本の対応などについて
(1)反論をすべし!
日本の対応はどちらかと言えば、「言われっ放し」である。「論評するに値しない!」と無視し、一刀両断に切ってしまうのは簡単だが、反論しないということは認めた証左と見なされる恐れがある。
やはり言うべきは主張しなければならない。正々堂々と我が国の立場、考えを述べるとともに世界に発信すべきだ。彼らに言うべし「歴史を直視せよ」と。剥き出しの大国意識は毛嫌いされて当然だ。
(2)歴史共同研究のような愚策は止めるべし!
我が国は、真摯に歴史を共同研究しようという態度であっても、彼らは政治的プロパガンダの場にすべく狂奔し、彼らの主張を唯一の正論として、決して自国の非を認めることはない。
歴史の共同研究は純然たる学究的なものではなく、それは政治ショーでもある。結局日・中の歴史共同研究は下策に過ぎなかった。日韓とて同じだ。条件が整っていない。
(3)日本も常任理事国を目指し、国連改革に乗り出せ!
日本には無邪気な国連至上主義がいまだにあるようだ。それはさておき、国連改革には敵国条項など、いくつかの論点があるが、その第一は安保理の常任理事国の拡大問題である。日本はその資格と能力があると思えるのだが、中国の過敏な反対でその夢は果たされないだろう。
安倍晋三首相が国連総会で一般討論演説を行い、安全保障理事会の常任理事国入りに意欲を示したことついて、中国外務省の報道官は「第2次世界大戦の勝利の成果に挑戦することはできない」と述べ、反対する中国政府の立場を改めて強調した。
ネットの世界でも国連解散論など過激な書き込みが続出している。
国連を巡る環境は、設立当初に比較すれば様変わりしている。その状況に合わせるべきである。にもかかわらず、第2次大戦の連合国にこだわる中国は、「常任理事国は、アジアに1つで十分であるという現代版華夷秩序」を信奉しているのだろう。
世界は変わったのである。それに合わせるべきだ。安保理も変わらなければならない。
4 おわりに
本稿において、ヘイトスピーチを行う気は毛頭ない。ただ、事実は事実として明確にしておきたいだけだ。
米英などの連合国には確かに負けたが、日本は中国に果たして負けたのか?
彼らが連合国の一員である限りにおいては負けたと言えるが、“勝った、勝った”と声高に叫ばれると異議を挟まざるを得ない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38978
【第300回】 2013年10月22日 真壁昭夫 [信州大学教授]
オバマ退潮の間隙を縫って台頭する中韓の真の狙い
米デフォルト騒動、APECが予言するアジアの変貌
ようやく解消されたデフォルト懸念
米国の政治機能低下が招く波紋
米国の債務上限問題は、予想通り期限ぎりぎりに与野党の合意が成立し、米国債はデフォルトを免れた。しかし、今回の合意は問題を数ヵ月先送りしただけで、根本的な問題の解決ではない。むしろ、来年1月以降、今回と同じことが起きるという危惧を増幅したと言えるかもしれない。
ここ数週間に起きた米国での出来事を一言で要約すると、“米国の政治機能の低下”だろう。もともと政治の機能は、社会の中で様々な意見を集約することによって、国を最も有効な方向に誘導することだ。今回の米国のドタバタ劇を見ていると、その機能が明らかに低下している。
オバマ大統領はひたすら“オバマケアー”に固執する一方、野党共和党の中の保守強硬派の“ティーパーティー”は、「自説を曲げて妥協するくらいなら、米国債をデフォルトにする方がマシ」との暴論を唱えた。その結果が、両者が時間ぎりぎりまでのチキンゲームを展開する結果となった。
米国の政治機能の低下は、一時的に米国債の信用低下懸念を増幅しただけでは済まなかった。というのは、オバマ大統領はそれに時間をとられるあまり、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議を欠席することになった。
オバマ大統領自身が反省しているように、同氏の欠席によって中国のアジアにおける相対的地位を大きく高めると同時に、親米諸国に対して重大な懸念を抱かせる結果になったからだ。
オバマ大統領が先のAPEC首脳会談を欠席したことは、大きな失態と言うべきだろう。大統領の代理として会議に出席したケリー国務長官では、いかんせん存在感が不足している。大統領自らが出て行って、中国やロシア首脳と渡り合うことが必要だった。
APEC欠席はオバマの大失態
今後も政治機能の低下は続くのか
オバマ大統領が欠席したことで、「中国・ロシアというライバルは大はしゃぎした」と報道するメディアもある。表現はともかくとして、中国のアジアにおける相対的な地位が上がったことは間違いない。
それは、中国の国営通信社が論説の中で、「ドルに代わる新しい準備通貨の導入」を提案したことからも明らかだ。中国の最近の動きを見ていると、経済力の台頭に加えて、海軍力の増強は目を見張るものがある。もともと大陸国家だった中国が、海軍力を強めることで海洋国家へと変貌しようとしている。
その圧力はかなり大きく、アジア諸国の権力構造を変えるマグニチュードを持っている。中国は、近隣のアジア諸国にとっても、中国と対峙する米国にとっても徐々に重大な脅威になりつつある。そうしたパワーバランスの変化を牽制する意味でも、オバマ大統領は会議に出席して睨みを利かせる必要があった。
しかし、共和党の強硬派の影響を抑えることができなかった。その意味は決して小さくはない。問題は、今回の失態がこれからも続く可能性が高いことだ。
連邦政府の債務上限問題は先送りされたに過ぎない。来年1月以降、また蒸し返されることは避けられない。つまり、米国の政治機能の低下はこれからも続くのである。
政治機能が低下すると、その影響は社会の様々な分野で顕在化する。経済活動のマイナスの影響を受けるだろう。米国自身の政治的発言力の低下も避けられないだろう。それが、結果的に中国を利することになる。
米国の存在感の低下・中国の台頭によって、最も大きな懸念を持つのはアジアの親米国、特に安全保障について米国依存の高い国だろう。わが国もそのカテゴリーに入る。
APEC首脳会議の取材に当たった友人の1人は、「親米国の中には、米国の地位低下を真剣に心配する人たちが多かった」と指摘していた。その通りだろう。中国と南シナ海などで領土紛争を抱えている諸国にとって、何かあったときには、米国が後ろ盾になってくれるとの意識があるはずだ。
ところが、頼みの米国が国内事情にかまけて、アジア諸国の首脳会談を欠席する事態になった。それでは、いざというときに「米国は頼りにならないかもしれない」と懸念を抱くのは当然と言えるだろう。
そうした状況が続くと、アジア諸国の中では、米国の意見を真剣に受け取る人が減少してしまうかもしれない。それは、米国自身にとって由々しきことであると同時に、ライバルに成長しつつある中国にとっては、アジア地域で存在感と影響力を増す絶好の機会になるはずだ。
実際問題として、中国への歩み寄りを鮮明化しつつある韓国は、その姿勢を一層強めているように見える。韓国の朴大統領はわが国の安部首相との会談を忌避する一方、すでに何度も中国の習近平主席と首脳会談を行っている。
中韓の動向は重要なファクターに
米国の退潮と相まって日本にも影響
現在、韓国は米国主導のTPP交渉には参加しておらず、むしろ中国と協調して、アジアの中でTPP交渉に参加していないインドネシアとの親密度を増す姿勢を示している。米国の金融政策変更によって短期投資資金の流出が懸念されるインドネシアとしても、中韓両国からの支援は大きなメリットだろう。
中韓の動向は、インドネシアと良好な関係を保ってきたわが国にとっても、今後、重要なファクターになる可能性が高い。それは、米国の存在感低下による間接的な影響として、わが国経済にマイナス要素として作用することだろう。
足もとの米国の政治情勢を見ていると、おそらく米国の状況はこれから一段と悪化する可能性が高いと見られる。米国民の中で、「オバマ大統領は医療保険改革以外に何もしていない」との見方が根強いという。
それに対して、共和党内の保守強硬派(ティーパーティー)の勢力は今なお増加傾向にあるようだ。この“ティーパーティー”の実体はなかなか的確に掴みにくい。基本的に、何千もの草の根的な政治的な集団が“小さな政府”という命題を基にして結集している。
各政治的な集団間の結びつきは相対的に緩いものの、明確な大義があるため結束を強めることに適しており、しかも多くの人々からの資金支援を受けやすい特性を持っている。その発言力は、今後も増すことが予想されている。
来年11月、米国では上下両院の中間選挙が行われる。もともと中間選挙は、現大統領の信任を試される場と言われてきた。現在の米国の政治情勢を見ると、与党である民主党が勝利することはかなり難しいとの見方がある。
支持を広げるティーパーティー
米国は真の民主主義を確立できるか
一方で、共和党内の“ティーパーティー”は、強力な集金能力を背景にして支持率を広げているとの見方もある。仮に、来年秋の選挙で“ティーパーティー”の勢力が一段と伸びることになると、オバマ大統領の政治運営は一段と困難になることだろう。
時として暴論すら唱える“ティーパーティー”との意見の調整がかなり難しいことは、想像に難くないからだ。それが現実のものになると、米国大統領が国内事情で重要な国際会議を欠席するという事態が再発しないとも限らない。
問題は、それがいかに米国や世界の政治・経済にとって重大な波乱要因になるかを、米国民が十分に理解できるか否かだ。今までにも米国では、議会のねじれ現象などによって債務上限問題が顕在化したり、年度予算が成立しなかったことはあった。
米国は、そうした事態を克服してきた。今回も、国民がそうした事態の克服を支援することが必要だ。本当の意味の民主主義にはその責任がある。
http://diamond.jp/articles/print/43306
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。