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(Japan key to diplomatic encirclement of China: DW English)
http://www.dw.de/japan-key-to-diplomatic-encirclement-of-china/a-17158451
国際関係
中国包囲のための日本外交のカギ
先週ブルネイで開かれたASEAN首脳会議の討論は、外交の枠組みに沿った丁寧なものだった。しかし、中国がだんだんと地域のはみ出し者になりつつあるという感覚を抱かなかった参加者は、誰一人いなかっただろう。
中国はこの数年、自国は米国の同盟国による包囲が続いており、隣国と親密な関係を作ることができなくなっていると、不平を静かにもらし続けていた。日本と韓国は米国との間に親密な軍事同盟を保持しており、台湾も中国の領土奪回を目指すあらゆる試みを抑止するために、米国に依存している。インドも米国に友好的であり、領土問題が存在するのは、印中両政府の間に過去についての悪感情が残っているという意味だ。ロシアは親密な友好関係を拒んでいるが、旧ソビエトの各共和国は、特に9.11の米国攻撃以降、米国に歩み寄るようになっている。
もし自国が包囲されていると中国が感じているなら、その出所は明確だ。中国の指導者たちもまた、ブルネイの首都・バンダルスリブガワンでの会談の間、国境を取り囲む環がきつくなりつつことを感じ続けているようだ。
ASEAN諸国は米国に近づきつつある
領土をめぐる主張
中国は日本が実効支配している尖閣諸島について、同諸島は中国主権下の領土であり、釣魚諸島として知られるべきであると主張しているのと同様に、パラセル諸島やスプラトリー諸島など、南シナ海の広大な一帯についての主権をも主張し、ベトナム・フィリピン・ブルネイとの関係を緊張させている。台湾と中国の間で長く続く紛争は解決しておらず、チベットの状況も同様であることから、地域には、中国が次はここに物欲しげな視線を投げるだろうという懸念がある。
「安倍首相は、日本が健全な価値を米国やオーストラリアと共有しているとの主張を押し通しているが、その一方で、フィリピン・台湾・ベトナムなどを『新たな友人』と見なして、手を伸ばしてきた」と、東京・明治大学の政治学教授・伊藤剛氏はDWに語った。
「安倍氏の外交政策は強硬かつ高圧的で、地域における日本のライバルを封じ込めるものだと言われることがあるが、それでも、安全保障政策の根本的な部分では、日本は敵国によって仕組まれた脅威を減少させている」と伊藤氏は語り、それは外交的手段を通じて為されたものかも知れないと付け加えた。「安倍氏は既に、日本の軍事予算増大に向けた手順を進めている。」
そして、日本と同様の懸念を抱いている国々では、日本の外交キャンペーンは実を結びつつある。
「中国は、この地域で新たな友人を自分の側に引き込むことが、かつて無いほど難しくなっていると言えるだろう」と、伊藤氏は語った。
フィリピンへの軍事援助
フィリピン政府が係争中の水域で中国の活動を監視するのに使えるよう、日本がフィリピンに近代的な警備艇10隻を供与することを、安倍首相は確認した。安倍氏はその一方で、中国が主権を主張する水域での安全確保に、オーストラリアやニュージーランドの軍隊と協力して取り組むと明言した。
岸田文雄外相もまたインドネシア外相と、海賊から主要なシーレーンを守るために協力することで合意に達し、さらにタイ政府とも運輸・経済のインフラ開発を約束した。
この2つの取り決めは中国封じ込めを直接狙ったものでないが、この両国が日本や日本を支持する国々の陣営と、より親密な関係を結ぶ上で重要なものだ。
こうした連携への招待はロシアにまでも伸びている。安倍氏はウラジミール・プーチン大統領と会談し、1945年から悶着している北日本の島々をめぐる領土紛争について、交渉進展を模索することで合意した。これが解決すれば、北太平洋でのずっと強大な経済協力へとつながる可能性がある。
最近の展開に中国政府は苛立っているようで、李克強・中国首相は日本・米国などの国々に、南シナ海の領土紛争に立ち入らないよう求めた。
「中国とASEANは、南中国海の紛争は直接的な当事者間で協議・交渉を通じて平和的に解決すべきであると合意しており、紛争の当事者でない国々は関与すべきでない」と、10月10日の東アジアサミットで李氏は語った。
地域における航海の自由が「問題になったことはこれまで1度もなく、今後もなることはない」と、李氏は付け加えた。
皆が納得したわけではない
日本は係争中の島々の防衛を強化している
しかし、皆が中国の強い主張に納得したわけではない。
「他の国々の大部分は、対立と危機の循環がこの数年間続いたのは、中国が軍事・外交の両面で攻撃的な活動を強めたからだと確信している」と、米国太平洋軍司令官を務め、さらに2010年までの2年間米国国家情報長官を務めた、デニス・ブレア海軍大将は語った。
「それがどのようにして始まったにせよ、どの国でも、軍事的な展開と外交面の主張とメディアの強い注目との循環は、いまやしっかりと出来上がっている。」
幸運にも、これまでの全ての軍事活動は、軍事力を実際に行使するよりむしろ軍事力を誇示するものだったが、これがエスカレートする危険は常に存在すると、ブレア氏は付け加えた。
中国は平和的に進展するよう関与すると信じてきた、東南アジアなどの国々には、最近の中国の行動は「突然の衝撃」と受け止められている。
「アジアにおける米国・日本の軍事能力が、攻撃的な目的で存在するものでないという主張は、50年の歴史が証明している」と、ブレア氏は語った。「この地域における米国やその同盟国の軍事力は、むしろ、地域での軍事力の行使を抑止してきた。そのおかげで、地域の人々と国々は経済成長の恩恵を受けることができた。」
「それでも、中国の将来の進路は不確実で、もし中国が強力で攻撃的な方向に展開するならば、中国を相手にする人はそういった中国を相手にする手段を持っていなければならない。」
発表 2013年10月15日
執筆 Julian Ryall, Tokyo
編集 Shamil Shams
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(投稿者より)
ドイチェ・ヴェレの英語サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。
「財政問題のためにオバマ氏がAPECを欠席し、地域における米国の影響力が衰退している。それを補う形で中国の影響力が増している」、とんでもない。中国は横暴なので、ASEAN諸国は米国や日本に擦り寄りつつあり、中国はむしろのけ者扱いされつつある、というのが記事の見方です。
私はこの見方に賛同しますが、私も日本人ですから、日本に有利な見方に賛同するのは当然のことで、むしろ、その一方で「見たいものだけを見て、見たくないものは見ていない」というリスクを冒しているのかもしれません。様々な見方があると思いますので、経過を見る必要があると思っています。
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