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中国、2020年には台湾侵攻する能力=台湾防衛白書
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投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 10 日 20:58:22: rUXLhToetCnYE
 

2013年 10月 10日 20:37 JST
中国、2020年には台湾侵攻する能力=台湾防衛白書
記事
原文(英語)
By JENNY W. HSU
 【台北】台湾国防部(国防省)が9日に発表した防衛白書によると、中国は台湾を侵攻する能力を2020年までに備えるとみられる。侵攻を阻止しようとする国があっても、それを排除できるようになる見通しという。

 中国が台湾侵攻阻止を試みる海外勢力を排除する能力について、台湾政府がこれほど具体的な予想を示したのは今回が初めてだ。こうした状況になれば、中国は米国と対立することになるだろう。ただ、中国政府と台湾政府の関係は、経済的な結び付きの深化を背景に改善している。

 台湾国防部は防衛白書で、中国が台湾を攻撃する能力を引き続き強化しているとの見方を示した。台湾に上陸したり、台湾海峡に対空ミサイルを配備したりする能力の強化もその一部だ。

 中国海軍と陸軍の急速な近代化からすると、人民解放軍は「台湾を防衛しに来る外国の援軍を阻止できるような包括的軍事力を2020年までに」持つ見通しだという。

 台湾の米大使館に当たる米国在台協会は、今のところコメントはないとした。中国の国務院台湾事務弁公室に電話したが、応答はなかった。

 国防部はまた、中国が台湾に向けたミサイル1400基を維持しており、台湾の官民のネットワークに侵入してコンピューター戦争を仕掛ける能力を強化していると述べた。

 同部の報道官は、中国には陸海空軍共同の輸送設備が不足しているため、台湾への本格的な侵攻に踏み切れるだけの装備はまだないと述べた。また、台湾には、侵攻が余りに高くつくと思わせる能力があると付け加えた。

 報道官は「台湾が中国との軍備競争に関与できず、関与しないことは事実だが、心理的レベルでわれわれの敵に恐れを抱かせる能力に望みを抱いている」と述べた。

 台湾淡江大学国際事務興戦略研究所の王崑義教授は、台湾が今回の白書で中国と台湾の間の軍事力のゆがみを強調し、米政府の関心を引こうとしているとの見方を示した。米国は台湾にとって唯一の武器供給国。

 オバマ米政権は2011年、台湾に新たなF16ジェット戦闘機を売るのでなく、既にある機材を改造する計画を示し、一部米議員の反発を買った。

 台湾と中国は1949年にたもとを分かった。馬英九氏が2008年に総裁に就任してから、海峡をはさんだ緊張は緩和しており、両者の経済関係は強まってきた。

 中国国営メディアの説明によると、アジア太平洋協力会議(APEC)では、習近平国家主席と台湾の蕭万長・前副総裁が会見をしたという。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303836304579127040542823198.html   

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コメント
 
01. 2013年10月10日 21:21:32 : nJF6kGWndY

今後、台湾は香港みたいなポジションを狙うしかないだろうが、どうなるか



02. 2013年10月10日 21:46:53 : CAFwKpysOE
ちょっと待てよ
今現在、台湾にすら侵攻できない?
そんなしょぼい物なの?w
じゃあ何を危機煽ってたのよ?

問題はそこでしょうよ


03. 2013年10月11日 06:21:49 : niiL5nr8dQ
>>02

侵攻を阻止しようとする国(米国)があっても、それを排除できる

【第136回】 2013年10月11日 姫田小夏 [ジャーナリスト]
「中国という隣人」との軋轢
日本と同じ悩みを抱える国・ブータン
 世界第3位の面積を誇る中国は、総延長2万2800kmの国境線をもつ。ギネスブックによれば、世界最多の16ヵ国と国境を接していると認定されているが、中国はそのほとんどの「隣国」と、国境問題や領土問題を抱えている。

 ヒマラヤの小国である「ブータン王国」もその一国だ。しかし、日本ではブータンについて、あまり報じられることはない。

 日本の報道でブータンがクローズアップされたのは、直近では2011年11月、ワンチュク国王とベマ王妃の震災後初の国賓としての来日と、それをきっかけに、ブータン国家の経済発展の哲学とされる「国民総幸福量(GNH)」が紹介されたときのことだ。

 国王夫妻の民族衣装は、日本の着物に良く似ていた。しかもブータン人は木造家屋に住み、ソバも食べれば、米も食べる。晴れの日には赤米(日本のお赤飯に相当)を炊く習慣もあるという。メディアを通して伝えられたブータンという国に、自然と親しみを感じた日本人視聴者も少なくないだろう。

 ブータンは、九州ほどの面積に70万人が住む。日本でいえば島根県ほどの人口だ。だからこそ、なのだろう。ブータン人であることのアイデンティティの強化は重要な国策の1つでもあり、これが「国民総幸福量」ともリンクしているのだ。

「国民総幸福量」は、経済的な繁栄の中に精神的に保たれた状態を両立させようというもので、「経済成長率が高ければいいのか?」「医療が高度に発展すればそれでいいのか?」「所得額や消費額が高ければそれでいいのか?」という、人間と社会の根本的なあり方に向き合うものである。

 これはブータン人が信仰する仏教の「諸行無常」や「因果応報」などの思想とも深くかかわっている。近代化の足かせと思われがちな宗教に、積極的にアイデンティティを見出し、それを21世紀の健全な発展につなげていこうとする挑戦は、世界もまた注目するところでもある。

 筆者はまだ高校生だった1980年代前半に、ブータンを訪れたことがある。当時、ティンプーの町は、首都とはいえ集落のほとんどが田畑で占められ、ジーンズやTシャツ姿はまばらであった。確かにこうした西洋文化は彼らの憧れではあったが、一方で民族衣装もきちっと着こなす若者たちを見て「誇り高い民族なんだな」とおぼろげながら実感したものだった。

 そして、奇しくも先日、筆者は縁あって日本在住のあるブータン人と出会うことができた。在日ブータン人はわずか54人(2012年外務省)。貴重な情報源でもあるその方に、現在のブータンはどうなっているのかを伺った。

「1980年代前半と比べて、30年経った今は、ティンプーの町も高層ビルが林立しているのでは」と尋ねると、「いや、ビルはあっても6階建てまでですね」という。「当時の観光といえば寺院巡りだけでしたが、今はどうですか?」と尋ねれば、「トレッキングやエコツアー、ホームステイもできるようになりましたよ」と答えてくれた。

 世界一を競う高層ビルもなければ、ディズニーランド計画もない。当たり前の「等身大の開発」である。外国のもの、先進的なものへの盲目的な崇拝はそこにはなかった。その方はこう続けた。

「ブータンでは、開発計画を策定するたびに、文化や環境を保全し、均整のとれた発展であるかを、必ず検証するのです」

一見のどかなブータンの
悩みのタネとなる「隣人」

 ブータン王国は、一見してのどかで、スローライフを実践するかのような平和な独立国である。しかし、地政学的には、中国とインドという「核を保有する大国」に挟まれた、緊張を強いられるロケーションである。特に中国からの「国境」に対する脅威は、日本やモンゴル、ベトナムと同様に無視することのできないものだった。

 ブータンにとっての対中関係は、日本以上に深刻だ。ブータンは中国と470kmにわたって国境を接しているが、その多くが未解決状態にある。一説には、ブータン側は4ヵ所計269km2の地区において争議があるとし、中国側は6ヵ所計4500km2で争議を主張しているとされ、両者の主張は相当に食い違っている。

 ブータンの国土面積については1997年(8th Five Year Plan97-2002)に4万6500km2と報告されていたが、2002年には3万8394km2(9th Five Year Plan2002-2007)と報告され、8106km2もの減少がみられる。静岡県より大きい面積が消滅してしまったことになる。

 ちなみに、日本語版のウィキペディアなどでは「2006年の新国境線をきっかけに」と説明されているが、減少に転じたのは、さらにそれ以前にさかのぼるようだ。その原因については、「中国が道路建設を行った」「薬草の冬虫夏草を目当てに越境した」などの報道も見られる。

 そもそも、ブータンと中国との間に国境問題が顕在化するのは、中国による1959年の、いわゆる「チベット解放」にさかのぼる。これまで中国と属国関係にあったチベットが中華人民共和国に飲み込まれてしまうのだが、同時にブータン領の飛び地をも併合してしまったことから、緊張と懸念を生じさせるようになったと言われている。

 しかも、ブータンとチベットは文化、歴史、宗教、そして経済においても強いつながりを持っていただけに、その後ブータンは完全に中国に背を向けるようになってしまったという。

 また、中国が1961年に発行した中国の地図も、ブータン人には大きな衝撃的だった。「中国の地図」にはブータン、ネパール、シッキム王国、アルナーチャル・プラデーシュ州などが含まれていたのである。

国交樹立を迫る中国と
ブータン側の消えない懸念

 実は、中国にとってブータンは、隣国の中で唯一国交を結んでいない国である。ちなみにブータンは、1971年に国連に加盟してようやく国際関係が開け、今では53ヵ国と外交関係(2013年3月時点 ブータン外務省による)を持つものの、それまでは孤立化政策を貫いてきた。そんなブータンに中国は近年、外交関係樹立のアプローチを仕掛けている。

 2012年8月、中国とブータンとの間で「第20回国境策定会議」が行われた。「第20回」とあるように、国境をめぐっては何度も協議を繰り返しており、ついにこの会議では国交の樹立についての言及があった。だが、国交樹立は今に至るまで実現していない。

 一刻も早い国境画定のためには、まずは国交樹立ともいえるのだが、ブータンにとってはそこに懸念が存在する。

 中国は「国交樹立と経済支援」のパッケージでの提案という、常套手段を使ってアプローチ。2010年のブータン国会は「保健衛生と教育分野における中国の投資を受け入れるかどうか」で大揺れとなった。「中国との外交関係を結ぶことは国境問題解決を促進する」として中国との経済関係強化を主張する政党もあるが、中国の南下政策に反対する声は強い。

 確かに、ブータン人のネット上の書き込みからは「森林資源が破壊され、工業ベルトが敷かれ、中国人がどっと入ってくる」と懸念の声がひしひしと伝わってくる。

 ところで、ブータンには年間10万人の旅行客が訪れるが、うち日本人がトップで2012年には6976人が訪れた(ブータン紙「Kuensel」2013年9月)。その一方で、2003年以降中国人旅行客も増えており、現在、日本、アメリカに次いで3番目にランクされるようになった。こうした現象の先には「金払いのいい中国人好み」の観光地化が進行する懸念もある。雲南がそうだったように、中国は未開の資源を材料にした観光開発も視野に入れている可能性もある。

 話を国交樹立に戻そう。2012年夏の会議直後、中国メディアは「中国とブータンは国交の樹立を望んでいるが、問題はインドだ」と主張する論説を掲載した。だが、これに対し、ブータンメディア「The Bhutanese」は「誤報である」とし、日本のメディアもまたジンバ元公共事業定住相のコメントを次のように伝えた。

「メディアの誤報であり今後も外交関係を結ぶ予定はない」

 ブータンは中国のみならずアメリカとも外交関係を結んでおらず、「あくまで中立」という非同盟の外交方針を強調している。

インドは尊敬できる兄
中国に依存しない道を歩む

 本稿ではインドについて言及しなかったが、このブータンを挟む2つの大国の力関係を象徴するかのようなエピソードがある。

 2012年、ブータンの首都ティンプーに中国製バス15台が走るようになった。その入札は「不正な調達」とされた上、「国有資産にまで中国の手が伸びる」と国民の反感を買った。応札したブータン資本の中国車の販売会社は、首相の義理の息子の経営であり、何らかの金の流れがあったものではないかと疑惑の目が向けられたのである。

 他方、おもしろくないのがインドの自動車メーカーTATAだ。インドはブータンと1968年に外交を樹立して以来、多くの支援を与え続けて来たにもかかわらず、大事な市場を中国に取られてしまったのである。今後、二つの超大国がヒマラヤの小国でぶつかり合うこうした事態がしばしば起こることは容易に想像がつくだけに、ブータンの命運は他人事ではいられない。

 ちなみに、そのインドに対するブータン人の心情を一言で語るならば「インドは尊敬できる兄」なのだそうだ。果たして中国は周辺諸国に信頼される大国となれるかどうか。むしろこの点で、ブータンは中国に無言のカードを突き付けているような気もする。

 ブータンは、いまどき世界でも珍しく「中国に依存しないで生きる道」を選択している。その毅然とした態度は日本の武士道を想起させ、むしろ日本人以上に「武士は食わねど」の潔さを体現しているようにも見える。そんなブータン人とメンタリティを共有できるのは、日本という友人だろう。1986年の国交樹立からすでに27年、来年春には東京に、インド、バングラデシュ、クウェートに続いて4番目となるブータン大使館が開設するとも伝え聞く。官民を問わず交流が一層活発になることを期待したい。


04. 2013年10月11日 06:31:01 : niiL5nr8dQ
JBpress>海外>中国 [中国]
中国は孤立化しているのか、存在感を高めたのか
大きく割れた評価〜中国株式会社の研究(231)
2013年10月11日(Fri) 宮家 邦彦
 今週東南アジアでAPEC首脳会議と東アジア・サミットという2つの重要国際会議が開かれた。興味深いことに、内外マスコミの中国外交に対する評価は大きく2つに割れた。今回は、いくつかの関連報道を検証しながら、なぜ我々が「中国の実態を読み誤るか」について、筆者の問題意識をご紹介したい。

孤立化深める中国外交?

APEC首脳会議開幕、米大統領欠席で注目集めるのは中国か
インドネシアのバリ島で開かれたAPECで講演する中国の習近平国家主席〔AFPBB News〕

 ある経験豊かな日本人ビジネスマンが中国外交についてこう書いている。「なぜか日本のマスコミ報道ではあまり目にしませんが、欧米やアジア主要国では『中国の孤立化が始まった』との記事をよく見かけるようになっています」。

 似たような記事はもう1つあった。「『なぜ日本は孤立しているのか』とジョン・ケリー国務長官に問われたジョージ・W・ブッシュ政権の元高官は、『孤立を恐れているのは、むしろ当の中国なのだ』と解説を加えた」のだという。

 なるほど、そうか! 面白そうなので早速調べてみたが、何と結果は意外なものだった。

 インターネットの検索機能を駆使し、「中国の孤立化」に関する記事を何回も探してみたが、英語でも、日本語でも該当記事はヒットしない。最近の中国の対日、対フィリピン外交が露骨な「孤立化政策」だとする記事はあったが、中国自体の「孤立化」を取り上げた記事はどうしても見つからなかった。

存在感を高める中国外交?

 欧米では「孤立化」よりも、中国の「存在感」の高まりを懸念する記事の方が目についた。例えば、バラク・オバマ大統領が議会との「内戦」を理由に欠席したAPEC首脳会議について、中国の影響力増大に焦点を当てた記事が少なくない。例えば、ニューヨーク・タイムズではこんな具合である。

●(オバマ欠席により)より大規模な経済統合を見据えた会議で中国の習近平総書記が主導的な役割を果たすリーダーとして浮上した(leaving China’s president, Xi Jinping, as the dominant leader at a gathering devoted to achieving greater economic integration.)

●オバマ大統領の欠席は、中国のより強力なプレゼンスにより経済が拡大しつつあるインドネシアでの米国の国益にとって特に悪影響が大きい(Mr. Obama's absence was particularly damaging to American interests here in Indonesia, where the growing economy has been bolstered by a stronger Chinese presence)

 ワシントン・ポストでも似たような論評を見かけた。

●(国連総会などで)米国と投票行動を共にしない国々ほど、実際には中国と投票行動を共にしている。つまり、中国が友人をつくる中で、米国はより孤独になっている。中国が台頭すればするほど、米国はより孤立化するということだ。(We findthat the countries voting less with the U.S. are actually voting more with China. In other words, while the U.S. is getting lonelier, China is making friends. As China rises, the U.S. will find itself a whole lot lonelier.)

中国を読み誤る理由

 これら識者たちが描く中国はどれも同じ一つの中国だ。中国の実態は複雑だが、しょせんは一つ。恐らく、真の中国は「孤立化」もせず、「存在感」が高まっているわけでもないのだろう。

APEC首脳会議開幕、米大統領欠席で注目集めるのは中国か
APECに出席したジョン・ケリー米国務長官〔AFPBB News〕

 それでは、どうして対中評価がかくも割れるのか。それは中国ではなく、我々の判断能力の方に問題がありそうである。

 立場を変えて考えてみよう。10月3日、東京での日米安全保障協議委員会(いわゆる「2+2」)終了直後、新華社通信は日米共同記者会見で中国や尖閣諸島を巡る問題が取り上げられたことに対し、日米が「外部に危険な信号を発信している」と警戒感を示す評論記事を配信した。

 しかし、日米両政府が防衛協力指針(ガイドライン)の再改定で合意し、米側が日本の集団的自衛権行使容認の検討を歓迎したのは当然であり、「日米同盟は危険な道を突き進んでいる」といった指摘は全く当たらないだろう。

 逆に、中国は時々信じられないような発言を臆面もなく垂れ流す。例えば、ブルネイ訪問中の李克強首相はこう述べたと伝えられた。

●自分が嫌なことは他人に対して行わないのが中国の文化的な価値観だ
●中国は決して覇権を求めない
●中国国家には、覇権や(領土)拡張を求める伝統はない
●数千年の間、中国は隣国と友好的に付き合い、平和を何よりも大事にする哲学を発展させてきた

 これらがいかに誤りであるかは、中国の歴史をほんのちょっとだけ振り返れば理解できるだろう。

 さらに、外交部報道官はインドネシア訪問中の安倍晋三首相が習近平国家主席とAPEC会議会場で握手したことにつき、「このような過剰な報道は、非常にくだらないと思わないか」と切り捨てたという。いったい何様のつもりなのか。この発言の方がよほど過剰反応だと思うのだが、なぜ彼らは自覚できないのか。

 結論を急ごう。これらはすべて、相手の行動を評価する際、悲観論、先入観、希望的観測などにとらわれ過ぎて、冷静で客観的な判断ができないために生ずることだ。

 例えば、中国の「孤立化」とは嫌中派の希望的観測であり、高まる「存在感」はオバマ反対勢力の悲観論の裏返しに過ぎない。

 日米同盟の「危険な道」論も中国が自らの先入観を克服できていない何よりの証拠である。考えてみれば、対中評価についてはこの種の議論が今もまかり通っている。我々はなぜ中国を読み誤るのか。こうした知的限界はどうしたら克服できるのだろうか。

新しい対中評価の必要性

 恥ずかしながら、実は今、中国の将来に関する本を書き下ろしている。中国についてコラムを書くことはあっても、一冊の本を書くなんて夢にも思わなかった。しかし、現在の筆者は至って正気かつ真剣だ。昨今の筆者の中国論に関する問題意識を簡単にご披露しよう。

●最近日本には中国関連書籍が氾濫している。失礼ながら、その多くはナショナリスティックな右からの中国脅威論・警戒論か、対米追随批判に満ちた左からの中国礼賛論、もしくはインサイダー的なキワモノ内政論の類。客観的批判に耐える知的な中国論は意外に少ない。

●しかも、大半の書籍は現在進行形の中国の一断面を切り取り分析するのみで、今の中国を「過去から未来に向かう1つの動的プロセス」として捉える評論は少ない。多くの中国評論は静止している。江沢民、胡錦濤、習近平という個人に注目しすぎて、現代中国の大きな流れが見えてこないのだ。

●膨張するものは必ず縮小し、台頭するものはいずれ凋落する。共産党幹部は2世の時代に入ったが、これを冷ややかに見る民衆も世代交代が進み、中国社会そのものが革命前に戻りつつあるのではないのか。このような動的視点こそ現代中国の分析に必要ではないかと思う。

●内容的には、今中国が海洋に進出し米国に挑戦する理由、中国経済の行き詰まりが共産主義中国の興亡に及ぼす影響、既に始まっている米中紛争の具体的シミュレーション、その後の中国の内部変化などにつき考察した後、日本が取るべき国家戦略のあり方について提言するつもりだ。

●今書いている本は中国脅威論・礼賛論でも、キワモノ内政論でもない。しいて言えば、その特徴は、可能な限り中国人的発想で、現代中国を東アジア・西太平洋の新たなパワーシフトの一環と捉え、アジア大陸における中国の将来シナリオについて大胆な予測を試みていることだろうか。

●あくまで学問的にすべての理論的可能性を追求したので、シナリオには中国の統一継続だけでなく、分裂の可能性も含まれている。共産党関係者にとってはあり得ないシナリオであり、日本の中国専門家ならまず書かない。だが、この程度の内容で逆上するようなら、中国共産党に明日はないだろう。

 中国だけではない。これらのシナリオの中には、日本として、また日本人として、心情的に受け入れ難い内容も多く含まれている。その点は可能な限りフェアに書いたつもりだ。

 何を血迷ったのか、とのご批判は甘んじて受ける。筆者も明12日で遂に還暦を迎える。開き直るとは、まさにこういうことなのだろう。


05. 2013年10月11日 07:16:10 : niiL5nr8dQ
好戦的な人物の方が平和を守れる
マキァヴェッリ先生ならこう考える(最終回)
2013年10月11日(Fri) 有坪 民雄
 最近、尖閣諸島に中国機と見られる無人の航空機が出没しています。日本政府は、無人であることから領空侵犯の警告を出しても強制着陸を命じても応じないとして無人機の撃墜を検討しているようです。

 これに中国は反発し、無人航空機を撃墜したら戦争だと脅していますが、無人機なら人を殺すわけでもないので撃墜したらいいのではないでしょうか。

ローマ防衛軍の兵隊を減らしていたローマ教皇

 前回に引き続き、スペイン・ローマ帝国軍とコニャック同盟との戦争の話を続けます。

(今回登場する両軍の主要な人物を整理しておくと以下の通りです)

【スペイン・神聖ローマ帝国軍】

・カルロス王
・シャルル3世(軍の指揮官)

【コニャック同盟】

・フランソワ1世(フランス王)
・クレメンス7世(ローマ教皇)
・教皇軍の参謀、マキァヴェッリ

 スベイン・神聖ローマ帝国軍の本格的な侵攻は1527年2月に始まります。指揮官は、ブルボン公シャルル3世。もともとフランス王フランソワ1世に仕えていましたが、わけあって亡命し、カルロス軍の指揮官になりました。前回紹介した「パヴィアの戦い」でフランソワを捕虜にした実績の持ち主でもあります。

 シャルルはすでに占領したミラノで、コニャック同盟軍の攻撃を撃退後、フェラーラ公国の協力を得て大砲や食料を確保し、ボローニャに向かいます。ところがボローニャでは住民の強い抵抗があり、略奪ができないので補給が進まず、傭兵に約束した給料を払えませんでした。

 そのため傭兵たちは反乱を起こし、シャルルすら一時逃亡せざるを得ないところまで追い込まれます。その次はフィレンツェに向かいましたが、これも取れません。フィレンツェはマキァヴェッリが事前に手を打ち、城塞を強化していたためです。

 再び進退窮まったシャルルはローマに向けて進軍します。教皇軍はシャルル軍を追跡します。追跡する教皇軍は、ローマ防衛軍がシャルルの攻撃に3日耐えれば追いつける。追いついたらローマは守れると踏んでいました。

 しかし、その考えは幻想に過ぎませんでした。教皇クレメンス7世は、以前から圧力をかけては和平を提案するカルロスの口車に乗せられて、ローマ防衛軍の多くを解雇しており、数少ない守備隊しかローマにいなかったのです。

 それでもローマ守備隊は果敢に戦い、緒戦で敵の指揮官シャルルを戦死させるという快挙を成し遂げますが、しょせんは多勢に無勢です。指揮官を失ったシャルル軍は混乱の極みに達し、あたり構わず略奪・強姦・殺人が行われる無法地帯と化します。ローマ教皇庁も賊に荒され、何もかも奪われました。

 「サッコ・ディ・ローマ」(ローマ劫掠・略奪)と呼ばれる、この略奪行為は、多くの住民が殺されたのみならず、教皇庁の歴史的財産も散逸させたことから、ヨーロッパにケタ違いに大きな衝撃を与えました。この時代の宗教学者であるエラスムスが「これは一都市の破滅というより一文明の破滅だ」という言葉を残しているほどです。

イタリアはなぜスベインの手に落ちたのか

 これまで述べたように、強力なスペイン・神聖ローマ帝国軍といえども簡単に戦いを進められたわけではありません。イタリア国内の抵抗も大きなものがありましたし、コニャック同盟軍も決して弱かったわけではありません。

 にもかかわらず、コニャック同盟が屈辱的敗北に沈む結果となったのは、第一にトッブである教皇が平和主義者でとにかく戦争を避けようとしたことにあるでしょう。

 

(『ディスコルシ 「ローマ史」論』、ニッコロ・マキァヴェッリ著、永井三明訳、ちくま学芸文庫)

 もし教皇が3代前のユリウス2世のように短気で、怒ったら手がつけられなくなる荒くれな人だったら、カルロスの脅しや口車には絶対に乗っていなかったはずですし、カルロスもリスクが大きなイタリア侵攻をあきらめた可能性があります。

 マキァヴェッリは、敵のたくらみが分かったら、敵が強大で自分たちの方が劣勢であっても、戦う準備をしなければならないと言います。そうすれば敵は自分たちを見直すし、周辺国も尊敬する。君が武器を投げ出してしまえば、とうてい助ける気にならない者でも、君が武器を持って雄々しく立ち上がれば、援助に駆けつけるかもしれないと。

 要は、好戦的なトップの方が、平和主義者よりも平和を守れるということです。

 恐怖に駆られて譲歩して戦争を避けようとしても、相手に悪意があるなら戦争は避けようもない。もちろん戦争になれば、こちらも無傷ではいられないでしょう。しかし腰抜けだと見られたら、相手は図に乗ってより強い要求を出してくるのは必定です。

 ローマ教皇クレメンス7世は、腰抜けだと見られる方を選びました。これによりイタリアはスベインの手に落ち、ルネサンスは終了します。

無人機の飛来を放置しておくのは危険

 現在の東アジアの政治状況を見ると、中国が、周辺の小国を力でねじ伏せようとしている点で、この頃のスベイン・神聖ローマ帝国と同じポジションにいると言えるでしょう。

 脅かすだけで、本格攻勢に出てこないのはアメリカのプレゼンスが大きいからです。その点500年前のイタリアよりは、現在の日本を含む東アジアの小国の方がまだ有利なポジションにいます。

 そんな状況下、中国をますますつけ上がらせるのか、それとも鼻っ柱をへし折るのか。無人機の出現によって真剣に対応が協議されるのは大きな前進です。

 現在、対抗措置として、在日米軍に最新鋭の哨戒機と無人偵察機を配備する予定となっています。しかし、その程度のことで中国が挑発をやめるとは思えません。その気になれば実力行使も辞さないと思わせなければ舐められるだけです。その点でも、無人機は人的被害が及ばない分、「手軽に」と言うと語弊がありますが、本気を示すには適当な撃墜対象でしょう。

 「ちょっと待て! もし中国が激怒して本当に戦争になったらどうするんだ」と心配される方に申し上げたいのは、無人機だからといって放置していれば、中国は無人機に何を積んでくるか分からないということです。

 現在、アメリカは無人攻撃機を中東で多用し、多くの戦果と同時に多くの住民の憎悪も買っています。テロリストを見つけたら状況を問わずに攻撃するので、罪のない人がたくさん巻き添えを食って殺されているからです。

 ハイテク兵器が最も進んでいると思われるアメリカの兵器で、人が操作していてすら、この程度の性能でしかありません。さらに無人機は、近い将来どこか遠くにいるオペレーターの操作で動くのではなく、無人機自身が自律的に活動する方に開発が進んでいくと見られています。

 そうなると、無人攻撃機に近づいた物体があれば自動的に攻撃するような事態も想定されるわけで、有人機以上に危険な存在になる可能性が大だと思われます。例えれば、空飛ぶ機雷や地雷のようなものです。人間が操作する場合は政治的判断ができますが、自律型兵器は定められた条件に合致すれば政治的判断も何もなく機能するのです。

 さらに言えば、自立型無人機に搭載されるソフトウエアが一昔前の「Windoows3.1」や「Windows Me」レベルの出来なら、想定外の事態も覚悟せねばなりません。中国の工業水準でミッションクリティカル(銀行の決済システムなどに見られる、極めて高い信頼性が求められること)な兵器が造れると考えるのは、少なくとも現在においては絵空事ではないでしょうか?

 そんな危険なものを日本の空に無断で飛ばされるようになるまで「平和」のために我慢を重ねるべきかどうか、我々の判断が今、問われています。


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