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米財政危機で進む多極化
2013年10月9日 田中 宇
http://www.tanakanews.com/131009hegemon.htm
(前略)
米政府は10月に入り、エジプトに対する経済支援の打ち切りを検討していることを正式に認めた。エジプトでの7月のクーデター以来、非民主国への経済支援を法律で禁じられている米政府は、エジブトへの支援打ち切りを検討しているが、これまで非公式だった。政府閉鎖や財政赤字上限(米国債デフォルト)問題などで資金難の米政府は、エジプトへの支援打ち切りのほか、イスラエルへの支援まで減らすことを検討し始めている。米国は政府閉鎖を機に、中東での影響力減退も引き起こしている。 (Reports: US Aid to Egypt May Be Halted) (中東不安定化を狙って誘発されたエジプト転覆)
7月のクーデター前から、米国の代わりにサウジアラビアがエジプトを経済支援しており、だからこそサウジが嫌うムスリム同胞団の政権を倒すクーデターが起こされた。圧倒的な覇権国である米国に比べ、サウジは地域大国の中の一つでしかなく、中東にはサウジに対抗しようとする勢力が多い。エジプトは、米国傘下からサウジ傘下に切り替わったことにより不安定化が進み、カイロ郊外などで、ムスリム同胞団などイスラム主義勢力と当局治安部隊の間で市街戦が発生し、シリアに近い内戦状態になりつつある。 (Is Egypt Set To Become Syria 2.0?) (サウジとイスラエルの米国離れで起きたエジプト政変)
これから内戦化しそうなエジプトと対照的に、シリアはロシア案でアサド政権が強化され、内戦終結の方向に動いている。北部の町アレッポを支配するシリア反政府勢力(FSA)が、代表を首都ダマスカスに派遣し、アサド政権側と交渉を開始した。同時に、反政府勢力傘下のアレッポで、2年前の内戦開始以来閉まっていた役所や学校が再開され、イスラム過激派の少年兵が武装解除して学校に通うようになった。エジプトは、ムバラクも同胞団も対米従属的だったが、内戦を終わらせようとしているシリアは、露中イランと親しい多極型の国として再生しようとしている。米国覇権の崩壊は世界の不安定化だが、多極化は世界の安定化である。 (Syrian solution to civil conflict? The Free Syrian Army is holding talks with Assad's senior staff)
(後略)
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