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ついに米国も韓国に踏み絵を突きつけた 「ミサイル防衛で中国に味方するのか」
http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/837.html
投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 10 日 17:21:12: rUXLhToetCnYE
 

ついに米国も韓国に踏み絵を突きつけた

「ミサイル防衛で中国に味方するのか」

2013年10月10日(木)  鈴置 高史

  米国と中国のどちらの味方なのか――。ついに米国が韓国を問い質した。踏み絵に使ったのはミサイル防衛(MD)だった。
無理筋の再延期要請

 9月30日、韓国の国防関係者に衝撃が走った。米国のヘーゲル国防長官がソウルに向かう専用機の中で「韓国軍が持たねばならぬ力量」について聞かれ、以下のように答えたからだ。

・MDがとても大きな部分を占めることははっきりしている(聯合ニュース9月30日配信「ヘーゲル『韓米は戦時作戦統制権で結論を出す状況にない』」)。

 米国は10年も前から韓国に対し、日本と同様に米国のMDに参加せよ、と求めてきた。中国はこれを対中包囲網造りの一環と見なし、韓国に参加するなと圧力をかけた。韓国はそれに屈し、米国の要求から逃げ回ってきた。

 ヘーゲル発言は昔ながらの要求だ。だが、時期が微妙だった。今回の訪韓は戦時の作戦統制権の返還を論議するのが主な目的の1つだ。

 韓国は相当に無理筋の「返還時期の再延期」を求めている。このため、それと引き換えに米主導のMD参加を呑まされるのではないか、と韓国は怯えたのだ。

「ただ乗りの韓国」

 ヘーゲル長官を助けるために、ワシントンポスト紙も韓国に向け威嚇射撃をしてきた――ように韓国人には思えた。「韓国軍の作戦統制権の返還は論議中」(9月29日付)という記事には、韓国への不信感を表明する、以下のようなくだりがあるからだ。

・韓国政府は今夏から、作戦統制権の無期限延期に向け世論造りに乗り出した。一方、米政府はいかなる変更にも合意していない。米政府の中には、自分自身の防衛に責任を持とうとしない韓国への失望が広がっている(注1)。

(注1)この記事はこちらで読める(英文)。

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 韓国各紙もこの記事に注目し引用した。朝鮮日報は「米国は交渉の中で韓国を『ただ乗り』と非難している」とも書いた(10月2日付「韓米同盟60年『5大難題』」)。

 豊かになったのに依然として防衛を米国に頼り切る韓国。しかも最近は中国の顔色を見て、米国の求める防衛力の強化、例えばMD参加にはそっぽを向く――。予算不足に悩み、軍事費の大幅削減に直面する米国防関係者の怒りだ。

反撃に出た韓国紙

 痛いところを突かれ、韓国もまずいと思ったのだろう。新聞が反撃に出た。朝鮮日報は10月2日付社説「戦時の作戦統制権と、MD参加をひとくくりにするな」で以下のように米国を非難した。

・韓国の安全保障における力量とは関係なしに、韓国がMD不参加の方針を変えないことを理由にして、米国が無条件で戦時の作戦統制権を韓国に返還するぞというのであれば、それは米国の対朝鮮半島防衛公約の放棄に他ならない。

 理屈をこねまわしていて分かりにくい記事だが、1つ言えることはこの記事は米国を説得するよりも、逆効果になったと思われることだ。そもそも作戦統制権を返せ、と言い出したのは韓国であり、それも韓国側の要求を受け入れ、1度、延期しているのだ。

 作戦統制権とは軍隊を指揮する権限のことだ。左派の盧武鉉政権当時に「2012年に韓国軍の統制権を米国から韓国に返還する」ことで両国は合意した。同政権は「米国からの独立」を実現したとして国民からの人気を高め、北朝鮮にもいい顔ができると踏んだのだ。

 しかし、次の李明博政権の強い要請で2015年末にと1度延期した。朴槿恵政権もスタートするや否や再延期を米国に頼みこんだ。保守の両政権は、自身の戦争遂行能力に自信が持てないことに加え、返還が在韓米軍削減・撤収の引き金になることを恐れている。

韓国には独自のMDがある

 統制権の返還は、米軍の指揮なしに韓国が戦える体制を造ることが前提だ。2007年の正式合意から6年もたっているのに「我が軍には統制権を引き受ける力量がない」と今ごろ言い出されても、米軍は困るだろう。

 この朝鮮日報の記事そのものが、ワシントンポストの指摘した「自分自身の防衛に責任を持とうとしない韓国」の何よりの証拠になる。米国防関係者がこれを読んだら、あきれ果てたに違いない。

 カンのいい米国人なら、韓国が軍事能力の向上に動かないのは、対北抑制を米国よりも中国に依存し始めたからと考えるだろう。

 米国にとっての仮想敵を頼りにする国に、依然、3万人もの軍人を送り巨額の費用をかけて守っている自身の姿が、ピエロに見え始めたかもしれない。

 韓国各紙のもう1つの反撃は「我が国には独自のMDシステムを開発する計画がある。だから米国のMDには参加する必要がない」という論理である。

 米国や日本は北朝鮮や中国のミサイルを上がり端や、高度がもっとも上がった時にも叩けるシステムを造っている。

中国のミサイルは落とさない

 韓国型のMD構想は、米国や日本のそれとは大きく異なり、敵のミサイルが韓国に着弾する寸前に限って撃ち落とす。これならグアムなど米国や日本に向かう中国の弾道ミサイルは撃ち落とせないので、中国の不興を買うこともない。

 ただ、韓国は、米国に対し「中国を敵にしたくないので……」とは言えない。そこで「韓国型導入に比べ、米国主導のMD加入には桁違いにカネがかかる」を理由に掲げている。

 東亜日報(「朴大統領、韓国型MDの早期確保方針を表明」10月2日付、日本語版)は朴槿恵大統領が1日、国軍の日の演説で「韓国型MDなど北朝鮮の核と大量兵器への対応能力を早期に確保する」と述べたことを指摘。

 そのうえで「大統領の発言は米国主導のMD参加要請に対し、否定的な考えを表明したとの見方もある」と米国を牽制した(注2)。

(注2)この記事はこちらで読める。

2014年上半期に先送り

 さて、注目の米韓安保協議会(SCM)が10月2日、ソウルで開かれた。韓国各紙によると、やはりヘーゲル長官はこの場でMD導入を求め、やはり韓国側は拒否した。

 一方、韓国の求める戦時作戦統制権の返還延期時期も「2014年上半期までに決める」とだけ合意し、持ち越しとなった。米国がそれに絡めているMDも、同時に結論が出ると見られる。

 以下は、SCM後の会見の一部だ(聯合ニュースによる)。

韓国政府の戦時作戦統制権の返還再延期要求と関連し、どんな論議があったか。

ヘーゲル:我々は作戦統制権について論議してきたし、今後も続ける。返還は常に条件次第なのだ。我々はこの条件を検討している。条件に関する論議には楽観的に考えている。

米国主導のMDに韓国が参加すべきだとの立場を韓国政府に伝えたか。

ヘーゲル:韓国は韓国型MD(構想)を持っている。韓国のMDシステムと米国のそれが全く同じである必要はない。ただ、相互運用性がなければならない。ここにいろいろの複雑な要素が作用する。指揮統制や抑制の能力はとても重要だ。

 ちょっと見には、韓国が勝ったように見える。韓国型MDの導入に拒否権を発動させなかったからだ。ただ、ヘーゲル長官は奥の手を繰り出している。

データリンクは米国とせよ

 韓国型MDが、敵のミサイルが落ちてくるところを狙う、とはいっても発射直後から上昇する間の位置、速度の情報は必要だ。それは韓国軍の探知能力では得られない。結局、北朝鮮を常時監視する米国の衛星情報がなければ、韓国型MDも完全には機能しない。

 ヘーゲル長官は前段部分で「条件次第」と述べて「返還の再延期はただではないぞ」とまず、念を押した。

 そして後段で「中国が米国や日本に向けて撃つ弾道弾まで落とせとは言わない。しかし、韓国のMDは米国のシステムの一環として運用せよ」――つまり米国の傘の下から出てはいけないぞ、と言い渡したのであろう。

 論理的には、韓国は反撃可能だ。「人民解放軍とデータリンクし、中国の衛星情報を貰うから米国の情報は必要ない」と米国に言い返す手がある。ただ、そこまで言えば米韓同盟は破綻するだろう。

 米国は日本、豪州、韓国などを従えて軍事的に中国包囲網を構築中だ。ただ、韓国だけはそれに参加するかは不明である。韓国は北朝鮮の脅威は米国に防がせる一方、恐ろしい巨大な隣国である中国とは敵対しないよう立ち回っているからだ。

 もちろん、米国は韓国の虫のよさに怒っている。韓国はその怒りから逃れるために「反日」を使う。日韓軍事協定を結べと米国に言われた際は「日本は歴史を反省していないから結べない」と逃げた。

「慰安婦」は使えないMD

 1日にヘーゲル長官の表敬を受けた時もそうだった。朴槿恵大統領は、米日韓3国軍事協力体制の構築を持ちかけたヘーゲル長官に対し、それを断るのに「慰安婦の苦しみ」を使った。

 ただMDは、直接は日本と関係がないため「歴史」や「慰安婦」を言い訳に使うことができない。米国がそこまで考えたかは分からないが、結果的にはMDを突破口に「米国か、中国か」の踏み絵を韓国に突きつけたことになる。

 米中の間で板挟みになった韓国。今回は何とか「踏み絵」を9カ月間は先延ばしにできた。しかし、朴槿恵大統領の強烈な反日パフォーマンスが、韓国の必死の綱渡りを揺らすかもしれない。

 ヘーゲル長官との会談で朴槿恵大統領が述べた「慰安婦」など一連の反日発言を、青瓦台(大統領府)が米側との調整なしに公開したからだ(注3)。

(注3)米国政府はヘーゲル発言部分のみ発表している。こちらで読める(英文)。

米国への挑戦

 反・朴槿恵色の濃いキョンヒャン新聞。1日付「米国防相との会談内容を一般公開し欠礼」によると、青瓦台関係者は「米側との調整はない。(内容が)とてもいいと考えて公開した」と語っている。

 青瓦台は「厳しい対日批判を米国の前でも繰り広げた」と国民に広報すれば、支持が増すと計算したのだろう。

 しかし、米国にしてみれば「同盟国を守るための極めて重要な提案を、その同盟国から真正面から拒否された」うえ、それを相談もなく世界に向け発表されたことを意味する。キョンヒャン新聞の言う米国への「欠礼」どころか「挑戦」と受け止めるのが普通だ。

 この大統領の下で韓国は、予想外に早くルビコン河を渡るのかもしれない。

このコラムについて
早読み 深読み 朝鮮半島

朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は日本経済新聞の編集委員。朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20131006/254231/   

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コメント
 
01. 2013年10月10日 19:22:25 : rAZs4KvhOE
平成の閔妃がどう言い訳しようと、韓国が中国に擦り寄っているのは見え見え。
米としては条件を緩めて金正恩を取り込みに掛かるだろう。
北が米に寄れば中国としては被害甚大。
中間対米朝なんて図式が案外成立するかもしれない。

日本としては韓国相手にせず、だろう。


02. 2013年10月11日 13:28:01 : 7CacKTUh7k
>>02 中韓対米朝なんて対立軸が出来てみろ。ま、元々韓国カルトの統一教会が北朝鮮で活動していたのは分かってましたけどね。
アメリカは偽札人さらい国家と組んで大丈夫なのか?電通芸人のアントニオ猪木とデビ夫人のコメントを聞きたい。

03. 2013年10月11日 18:59:00 : dEwkOIiuBY
最近の弾道ミサイル迎撃実験は成功続きだ、こりゃめでたい

韓国は日米が10年かけて確立しようとしている技術を
たった一国でゼロから実用化するために金と労力を投じるよりは
アイアンドームみたいな割かし短距離でいかせる奴を研究して
自国の首都を常に狙っている迫撃砲やらをどうにかすれば良いのに


04. 2013年10月15日 14:25:08 : XXhldHt4HI
南北統一で中国の朝鮮省?
チベットよろしくエスニッククレンジングとか。。。

05. 2013年10月16日 09:23:51 : rAZs4KvhOE
>アメリカは偽札人さらい国家と組んで大丈夫なのか?

アメリカはそんなことに構っちゃいないだろ。


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